水性木材保護塗料「ウッドシールドPROアクアカラー」とは?

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木材に塗装する際、どのような塗料を選択されていますか?

木材は金属やコンクリートといった建材に比べて耐久性が劣るため、屋外で使用する際や長期的な美観を維持するためには、適切な「木材保護塗料」の選定が欠かせません。そんな木材保護塗料ですが、「水性」「溶剤」のほか、「浸透タイプ」「半造膜タイプ」「造膜タイプ」など、用途や仕上がりに応じたさまざまな種類があります。

その中でも、今回は、劣化した木部下地の木目を活かしつつ、表面に膜を作ることで保護することができる水性系の木材保護塗料「ウッドシールドPROアクアカラー」についてご紹介いたします。

ウッドシールドPROアクアカラーとは

ウッドシールドPROアクアカラーは、屋外の木部に使用可能な、水性形一液木部用半造膜上塗材です。

■ウッドシールドPROアクアカラーの施工仕様表

工程上塗
艶消
塗料系統水性
荷姿14kg、3.5kg
希釈
塗布量0.08~0.10kg/m2
塗回数1回
工程間塗重:3時間以上3日以内(23℃)
最終養生:24時間以上
塗装法ローラー、刷毛

■半造膜タイプイメージ図

・木目の風合いを残しつつ、着色力や隠蔽力に優れる

・木の質感を出しつつ、着色力(濃色)・隠蔽性に優れるため塗り替えに使用されることが多い。

樹脂イメージ図

■半造膜タイプ仕上りイメージ写真

半造膜タイプは浸透タイプと比較して、木目の風合いを活かした自然な仕上がりを実現することができます。

機能紹介①高耐候性

促進耐候性試験より、他社木材保護塗料に比べ、目立った色褪せや劣化などもなく、良好な結果が確認されました。

促進耐候性試験結果

理由:セルロースナノファイバーの含有

植物由来のナノサイズの繊維状物質で、環境にやさしい次世代のバイオマス素材を採用。繊維を含む層を形成することで木材表面をしっかり固めることが可能です。

■理由:独自の紫外線吸収剤の配合

紫外線吸収剤の配合により、塗膜の劣化要因となる紫外線を吸収することで、耐候性向上に繋がります。

■理由:耐候性の高い無機顔料の採用

紫外線に対して高い耐性を発揮する無機顔料を採用しているため、劣化に強い塗膜が、長期間木材を保護することが実現できます。

機能紹介②防虫・防蟻性

ウッドシールドPROシリーズを塗装した木材と無塗装の木材に、イエシロアリ(職蟻 50匹+兵蟻 5匹)を入れ、木材の食害程度の調査を行いました。無塗装の木材は食害が確認されたのに対して、ウッドシールドPROシリーズを塗装した木材はイエシロアリによる影響がなく、高い防蟻効果が実証されました。

防蟻性試験結果比較写真 (左:ウッドシールドPRO塗装、右:無塗装)

機能紹介③防腐性

ウッドシールドPROシリーズを塗装した木材と無塗装の木材に、菌(オオウズラタケ、カワラタケ)を使用し、菌の繁殖程度を調査しました。無塗装の木材は菌が発生したのに対して、 ウッドシールドPROシリーズを塗装した木材は菌の繁殖がなかったことから、高い防腐効果が実証されました。

※防腐性試験結果比較写真

機能紹介④ローラー施工による仕上りが良好

他社品とローラー施工の場合を比較した際に、泡かみが少なく、乾燥後の仕上りにおいても、透けやムラが無くきれいに仕上がります。

専用下塗材 (ウッドシールドNANOシーラー)

ウッドシールドPROアクアカラー専用にはなりますが、上塗材の耐候性向上のための下塗材をご用意しております。上塗材のウッドシールドPROアクアカラー同様に、セルロースナノファイバーを含有しているため、耐候性の向上に繋がります。

製品名ウッドシールドNANOシーラー
容量16ℓ / 4ℓ
塗料系統水性
塗布回数1回
塗布量0.10~0.12kg/㎡
希釈不可
施工間隔工程内:24時間以上 (25℃)

※ウッドシールドNANOシーラーは、ウッドシールドPROアクアカラー以外に使用すると、木材への塗料の浸透を阻害するため不可としております。

製品データ

期待耐用年数※1:6~9年

※1:期待耐用年数については、あくまで試験環境下における実測値であり、耐候性を保証するものではありません。実際の自然ばく露環境下では、耐候性は異なる場合があります。

色数:20色

○規格
日本建築学会材料規格 JASS18M-307(木部保護塗料に関する規格)に適合

容器の中での状態かき混ぜたとき、堅い塊がなくて一様になる
塗装作業性塗装作業に支障があってはならない
乾燥時間 (h)16以内
塗膜の外観塗膜の外観が正常である
促進耐候性480時間の照射で、ふくれ、割れ、はがれがなく、色の変化の程度が見本品に比べて 大きくない
かび抵抗性試験体の接種した部分に菌糸の発育が認められない
日本建築学会材料規格「JASS 18 M-307 木材保護塗料」より

使用可能な木材と下地の種類

・木材別の注意事項は、以下ご参照ください。

木材の種類付着可否
スギ・ひのき・モミ・ナラ・ケヤキ
イペ*1・ジャラ*1・ウリン*1・レッドシダー*1・セランガンバツー*1・レッドウッド*1・マツ*2注意

※1:南洋材系堅木などの硬質材は高密度で、樹脂成分が密着しにくいため、早期に剥離する可能性があります。
※2:ヤニ部分を除く。

・塗装する下地の種類の注意事項は、以下ご参照ください。

下地の種類付着可否
羽目板・破風・下見板・軒天・塀・バーゴラ
窓枠・門・扉:*1、*2  公園遊具・木橋・デッキ・ログハウス・ベンチ:*2  壁面(室内)・腰板・巾木・天井・柱・梁:*3 注意

※1:柔らかい樹脂の影響で、塗膜同士が接触すると剥がれにくくなる可能性がある。
※2:人が歩行する面や摩擦が生じる面は塗膜が剥離する可能性がある。
※3:屋外用途の木材保護塗料のため、薬剤(防腐剤や防虫剤等)を配合している。内装用途への仕様は注意する

注意事項

・雨・強風・結露等の悪天候及びこれらが予想される場合には施工は避けてください。

・5℃以下、湿度85%以上での施工は避けてください。

・顔料が缶の底に沈殿する可能性がありますので、使用する前に塗料を十分に撹拌してください。使用中もよくかき混ぜてください。

・上記塗布量及び塗回数は下地の材質・状態等で増える場合があります。

・木材の乾燥が不十分な場合、塗膜の性能を十分に発揮することができないため、木材の含水率を20%以下に調整してから塗装してください。

・木材の種類、劣化状況によって塗装後の色感が異なるため、必ず事前にテスト塗りを行なってから使用してください。

・木の種類によっては、乾燥が極端に遅れる、タック感(べたつき)が残る場合もありますので、木の種類による影響にも注意が必要です。ヤニが多い木材に塗装する場合は、シンナー拭きや研磨を行い表面のヤニを取り除いてから施工してください。

・耐候性が低下するおそれがあるため、屋外でカラレス単体では使用しないでください。

・色濃度の調整はカラレスで調整してください。水等で調整されますと十分な塗膜性能が発揮できなくなるおそれがあります。また、カラレスの添加量が増えるにつれて耐候性が低下しますのでご注意ください。

・ローラー施工の場合は、泡立ち防止のため短毛の無泡ローラーをご使用ください。

・ベンチ、ベランダ、バルコニーなどの手を触れたりする平面部位では摩擦によって色落ちが早いおそれがあります。定期的に塗り重ねを行ってください。また、色落ちにより衣服を汚すおそれのある部位への塗装は、乾燥後ウエスなどで乾拭きしてください。

・南洋材系堅木などの硬質材は高密度であり、塗料が浸透しにくく、経年で塗膜の剥離が発生する可能性があるので、塗装は避けてください。(南洋材系:ウリン、チーク、イペ・ジャラなど)

・塗料の塗重ねを行う場合は、3時間以上~3日以内(23℃)を目安としてください。3日以上経過した場合は目粗しを行い、塗装を行ってください。

まとめ

今回は、木材保護塗料「ウッドシールドPROアクアカラー」をご紹介しました。ウッドシールドPROアクアカラーは、これまで当社にて取り扱っている木材保護塗料よりも、耐候性とローラーによる仕上りが向上した製品となっております。また、下塗材(ウッドシールドPROアクアカラー専用)の導入により、選択肢の幅が増え、お客様のご要望に添えることも可能になります。 

今後の営業活動並びに施工品質向上にお役立ていただければ幸いです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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