FRP防水「リガードトップ工法」のひび割れの原因と正しい補修手順

現場の研究 2026.04.28
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ベランダやバルコニーにリガードシリーズ(溶剤タイプ)のトップコート工法を施工後、施主様から「ひび割れが発生した」とご相談を受けた経験はありませんか?

またこれからリガードトップ工法を施工するにあたり絶対に失敗(クレーム)を防ぎたいと考え情報収集されている方もいらっしゃるのではないでしょうか

トップコート工法で発生するひび割れの主因は「硬化剤(B液)の計量・混合不足による硬化不良」にあります。アステックペイントが実施した検証試験により、適正な比率(A液:B液=5:1)で混合されていない場合、ひび割れが発生しやすいことが実証されました。

本記事では、アステックペイントの検証試験データに基づき、ひび割れの発生原因から、発生した際の確実な補修手順まで徹底解説いたします。

トップコート工法とは

リガードシリーズ(溶剤タイプ)のトップコート工法とは、表面の汚染や色むら、藻の発生などの初期劣化の際に適用されるFRP防水改修工法の1つです。

初期劣化を放置していると、トップコートの保護性能が低下してしまいます。紫外線に強いリガードトップを、既存の防水層表面にコーティングすることで防水層の劣化を抑制し、長期的にベランダを紫外線や雨水から保護することができます。

写真1 リガードトップ工法

※注意:リガードトップ工法の適用範囲
ひび割れがFRP防水層まで達している場合、本工法による塗り替えでは対応できません。たとえ表面をリガードトップで覆っても、下地の動きを抑えきれず、再発や漏水のリスクがあります。防水層からの改修をご検討ください。

2.実際のひび割れ事例

まずは、実際に発生したひび割れ事例をご紹介いたします。

○施工時期: 2024年1月頃
○発生時期: 2025年12月頃
○下地  : FRP防水のベランダ
○使用材料: リガードプライマー・リガードトップ ※トップコート工法
○発生状況: 施工後約2年でひび割れが発生
平場部で発生しており、側溝部や立上り部では発生なし

写真2 実際の不具合現場写真

  

では、なぜこのようなひび割れが起きたのでしょうか?次章のメーカー検証試験でその原因を紐解きます。

3.検証試験結果

アステックペイントが行った検証試験の結果、「B液(硬化剤)が規定量より少ない(混合比率の不備)場合」において、「低温環境下で物理的な負荷(力)が加わった」場合に、ひび割れが発生しやすいことが確認されました。(表1 検証試験結果)

リガードトップは適切に混合撹拌を行わない場合、硬化不良が発生します。B液が不足して硬化不良が起きた状態の塗膜は、本来持つべき柔軟性が失われます。その状態で、冬場などの低温時に下地の動きや歩行による力が加わると、塗膜が耐えきれずにひび割れが発生してしまう場合があります。

4.再発を防止するための補修方法

ひび割れが発生してしまった場合、硬化不良のリガードトップが残ったまま再塗装すると再発する可能性があるため、「硬化不良箇所の徹底的な除去」が再発防止の鍵となります。

溶解・除去ひび割れ箇所およびその周辺をリガードシンナーで拭き取る。
この時、溶解するリガードトップは完全に拭き取る。
②下地調整目粗し(ケレン)を行い、表面の粉塵を清掃後、再度リガードシンナー拭きをして清浄する。
③プライマー塗布リガードプライマーを規定量塗装する。
④適正なトップコート施工必ず電子天秤を使用し、リガードトップのA液・B液を適正比率(5:1)で正確に計量し、十分に撹拌してから塗装を行う。

5.まとめ

リガードトップ工法の性能を最大限に引き出すには、正確な計量・撹拌が不可欠です。

硬化剤(B液)の計量・混合不足による硬化不良状態の塗膜は、冬場などの低温時に非常に脆くなり、踏み込み等の力が加わるとひび割れやすくなります。そのため、「少しの計量ミス」が数年後のクレームにつながるリスクがあることをご理解いただき、改めて混合比率の遵守をお願いいたします。

本記事を参考に、万が一のトラブルの際の「確実な補修と再発防止」にも広くご活用いただけますと幸いです。

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