シーリング打設とは?先打ち・後打ちの違いと現場での正しい選び方

現場の研究 2026.04.28
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シーリング打設とは、外壁材の目地部にシーリング材(コーキング)を充填する施工のことです。「シール打設」とも呼ばれ、窯業系サイディングやALCの塗り替え工事において必須の工程です。

打設方法には「先打ち工法」と「後打ち工法」の2種類があります。どちらが正解というわけではありませんが、選び方を間違えると施工後に塗膜のひび割れや剥離などの不具合が発生します。現場での判断ミスは施主クレームに直結するため、正確な知識が求められます。

この記事では、各工法の特徴・メリット・デメリット、そして実際の不具合事例と対策を解説します。

【この記事のポイント】
・シーリング打設(シール打設)とは目地部への充填工事のことで、塗り替えの必須工程
・打設方法は「先打ち」と「後打ち」の2種類がある
・先打ちは美観重視・後打ちは耐候性重視という特性がある
・各工法に固有の不具合パターンがあり、事前対策が可能
・素材・環境・施主ニーズに合わせた工法選定が品質向上につながる

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シーリング打設(シール打設)とは?基本をおさえよう

シーリング打設とは、外壁材の目地や隙間にシーリング材(コーキング材)を充填・施工することを指します。「シール打設」「コーキング打設」とも呼ばれます。

窯業系サイディングやALCなどの外壁は、複数のボードを張り合わせた構造のため、必ずボード間に「目地(めじ)」が生まれます。この目地は放置すれば雨水の浸入口になるため、シーリング材で埋める処理が不可欠です。

シーリング材の主な役割:
・建物の振動・温度変化による膨張収縮を吸収する「緩衝材」の役割
・雨水・汚れの侵入を防ぐ「防水」の役割
・外壁材同士がぶつかり合うのを防ぐ「保護」の役割

打設方法は2種類|先打ち工法と後打ち工法の違い

シーリング打設方法には「先打ち工法」と「後打ち工法」の2種類あり、それぞれの特徴についてご紹介いたします。

先打ち工法とは

外壁塗装前にシーリング材を目地部に打設する工法のことです。

施工の流れ:

  1. 既存シーリング材の撤去
  2. プライマー塗布
  3. シーリング材の打設・均し
  4. 乾燥・養生
  5. 外壁塗装(下塗り〜上塗り)
「先打ち工法」の施工フロー
先打ち工法の仕上がり例

後打ち工法とは

外壁塗装後にシーリング材を目地部に打設する工法のことです。

施工の流れ:

  1. 外壁塗装(下塗り〜上塗り)
  2. 塗膜の乾燥
  3. 既存シーリング材の撤去
  4. プライマー塗布
  5. シーリング材の打設・均し
「後打ち工法」の施工フロー
後打ち工法の仕上がり例

各工法のメリット・デメリット

 メリットデメリット
先打ち工法・シーリング材が、紫外線・雨の影響を受けにくく、防水性や柔軟性が長持ちする。
・シーリング材の上に塗り替え塗膜が重なっているため、目地部と外壁面で色の差が無く、仕上がりがきれい。 
・建物の動きなどによるシーリング材の挙動でシーリング材上の塗膜にひび割れが発生する可能性がある。
・シーリング材と塗料の相性が悪かった場合、早期の膨れや剥離に至る可能性がある。
・ノンブリードタイプのシーリング材を使用しないと、早期に塗膜が汚染する。
後打ち工法・塗膜のひび割れによる美観の低下がない。 ・シーリングに異常があった場合、シーリングのみ改修が可能。  ・外壁塗装後、塗膜が乾燥した後にシーリングを打設するため、工期が長くなる。
・シーリング材自体の耐候性はあまり高くないので、高耐候性タイプを選択する必要がある。
・塗り替え塗料とシーリング材の色が異なると板間目地に沿って線が出るため目立つ。

現場の不具合事例と対策|失敗しないための実践知識

先打ち工法による不具合事例

事例①シーリング材の痩せによる塗膜のひび割れ

〇発生時期:施工直後~数日経過
〇現場状況:シーリング材の上にある塗膜が亀の甲状にひび割れが発生している。
〇使用材料:変性シリコーン系シーリング材+水性形下塗材+水性形上塗材
〇発生原因:シーリング材の硬化が進み切っていない状態で塗料を塗装したことで、塗料がシーリング材の乾燥収縮に追従できず、ひび割れてしまった。

〇事前対策:気温に合わせてシーリング材の乾燥時間を確保し、塗料を塗装する。
〇事後対策:
①再度、下塗材と上塗材を使用して補修する。 ※再発する恐れあり
②下塗材を微弾性フィラーに変えて補修する。
③弾性エポシーラー+超低汚染リファイン弾性1000MS-IRで再塗装する。
④後打ち工法に変える。

事例②建物の動きによる塗膜のひび割れ

〇発生時期:施工後数か月以上経過
〇現場状況:シーリング材の上にある塗膜が縦筋状にひび割れが発生している。
〇使用材料:変性シリコーン系シーリング材+水性形下塗材+水性形上塗材
〇発生原因:建物の振動・気温変化による外壁材の挙動でシーリング材が伸縮を繰り返すため、塗膜が追従できなかった。

〇事前対策:目地追従性を持つ塗料を選定する。
〇事後対策:
①再度、下塗材と上塗材を使用して補修する。 ※再発する恐れあり
②下塗材を微弾性フィラーに変えて補修する。
③弾性エポシーラー+超低汚染リファイン弾性1000MS-IRで再塗装する。
④後打ち工法に変える。

事例③シーリング材と塗膜の付着不良

〇発生時期:施工後数か月~数年経過
〇現場状況:シーリング材と塗膜の界面で剥離が発生している。
〇使用材料:シーリング材(種類は不明)+水性形下塗材+水性系上塗材
〇発生原因:相性が良くないシーリング材と下塗材を塗り重ねてしまい、密着せずに早期の膨れ、剥離が発生してしまった。

〇事前対策:密着性が確認されているシーリング材と塗料を選定する。
〇事後対策:
①使用塗料と密着性が確認されているシーリング材に打ち換えて、再塗装する。
②シーリング材上の塗膜をテープなどで除去後、経過観察し、シーリング材の劣化タイミングで改修する。

後打ち工法による不具合事例

事例④シーリング材表面のチョーキング・ひび割れ

〇発生時期:施工後数年経過
〇現場状況:シーリング材表面でチョーキング・ひび割れが発生
〇使用材料:高耐候タイプではないシーリング材(種類は不明)
〇発生原因:耐候性が低い(高耐候タイプではない)シーリング材を使用し後打ち工法にて施工した。
〇事前対策:耐候性が高い(高耐候タイプ)シーリング材を使用する。
〇事後対策:
①耐候性が高い(高耐候タイプ)シーリング材で打ち換える。
②シーリング材を打ち換え、先打ち工法としてシーリング材上を塗装する。

事例⑤シーリング材の破断

〇発生時期:施工後数年経過
〇現場状況:シーリング材が経年劣化により破断した
〇使用材料:高耐候タイプではないシーリング材(種類は不明)
〇発生原因:耐候性が低い(高耐候タイプではない)シーリング材を使用し後打ち工法にて施工した。 経年劣化が進むにつれてシーリング材が硬くなり、目地の挙動に追従できなかった。

〇事前対策:耐候性が高い(高耐候タイプ)シーリング材を使用する。
〇事後対策:
①耐候性が高い(高耐候タイプ)シーリング材で打ち換える。
②シーリング材を打ち換え、先打ち工法としてシーリング材上を塗装する。

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まとめ

今回、シーリング材の各打設方法の違いや特徴をご紹介しました。それぞれメリット・デメリットがありますが、どちらが良い・悪いというものはありません。

それぞれの仕上がり感や特徴、注意点などをお伝えしたうえで、施主様のご要望に合わせて施工いただければと思います。

FAQ

Q1. シーリング打設(シール打設)とは何ですか? A. シーリング打設とは、外壁材の目地(継ぎ目)にシーリング材を充填・施工することです。防水性と気密性を保ち、建物の動きを吸収する役割があります。

Q2. 先打ち工法と後打ち工法はどちらがいいですか? A. どちらが正解というわけではありません。美観を重視するなら先打ち、防水性・耐久性を優先するなら後打ちが向いています。使用する塗料・シーリング材・建物の構造に合わせて選ぶことが重要です。

Q3. 先打ち工法でひび割れを防ぐ方法はありますか? A. シーリング材を十分に硬化させてから塗装すること、弾性エポシーラー+超低汚染リファイン弾性1000MS-IRなどの目地追従性の高い弾性系塗料を使用することが効果的です。

Q4. 後打ち工法のシーリング材はどう選べばいいですか? A. 後打ち工法ではシーリング材が紫外線・雨風に直接さらされます。そのため、高耐候タイプのシーリング材を必ず選ぶことが重要です。

Q5. シーリング材と塗料の相性はどう確認できますか? A. アステックペイントでは、専門スタッフが塗料とシーリング材の相性確認をサポートしています。不具合発生時の対策相談も受け付けています。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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