職人が長く働ける環境作り３つの秘訣を大公開
「職人を採用してもすぐに辞めてしまう」「職人を育成したいが中々定着しない」など、職人の確保についてお困りの方は多いのではないでしょうか。
今回は、大阪府摂津市を中心に活動している株式会社ホクセツペイントの増田数広様に「職人が働きやすい環境作り」について詳しくお話を伺いました。「職人を長く定着させたい」とお考えの方はぜひご一読ください。
【会社紹介】株式会社ホクセツペイント
■会社名・担当者名：株式会社ホクセツペイント 増田 数広 様
■会社概要：大阪府摂津市を中心に、元請け住宅塗装事業を展開されている会社様です。
■公式HP：https://www.hokusetsu-paint.jp/
働きやすい環境作りで重要なこと
増田社長：
最も重要な事は一人一人とのコミュニケーションだと思います。
私は会社の代表なので会社の理念を貫きますが、価値観や考え方は人それぞれなので全て受け入れてもらう事はできないと思います。
だからこそ一人一人の話をよく聞き、時には職人の意見を行動方針に取り入れる事もあります。
職人達には、「強制は一切しない。その代わり何か意見があるなら直接言いに来なさい」と常に言って聞かせています。意見の言いやすさは働きやすさにも直結すると思っていますし、現に職人達からも意見が上がってくる事が多いので、そこに関しては双方にとって良い効果が得られていると感じています。
現場作業がしやすくなるように取り組まれていること
増田社長：
材料や道具で困らないような倉庫作りを心掛けています。
材料は現場ごとに色と艶で分けて棚を作り分かりやすいようにしていますし、備品も在庫管理票を作成して入庫数と出庫数を全て分かるようにしています。管理シートに記入した数と実際の在庫の数が合っているかも確認して、半分を切ったら補充する事もルール化しています。
使う道具が無くて作業が進められない事は職人にとってかなりストレスに感じるポイントだと思います。道具に困らないような仕組みを用意する事で、職人達も主体的に道具の補充依頼や倉庫の清掃を行ってくれるようになりました。
福利厚生として準備しているもの
増田社長：
現場作業のしやすさを考慮して、空調服と防寒ベストは1着ずつ全員に支給しています。支給するようになってから、職人からも「体感温度が全然違う。かなり動きやすい」と好評の声が上がっています。支給品の費用については、職人達から毎月4,000円徴収している安全協力費を当てている事にしているのですが、実際は使用していません。使用せずに貯めているので、いつか慰安旅行費用に当てて職人達に還元したいと思っています。
職人の独立について
増田社長：
結論賛成派です。もちろんいなくなったら困りますし、可能であれば自社の職人として活躍して欲しいです。しかし本人の強い意志があるのであれば止めるべきではないと思っています。
これは職人達にも常に言っていることですが、「自分の意志で辞める決断をする時が来るかもしれない。ただ、自分には責任と自信が持てると確信できるようにしておきなさい」ということを伝えています。あと、独立してもホクセツペイントの仕事は協力して欲しいとも伝えています。
まとめ
今回は、株式会社ホクセツペイント様の職人育成についてご紹介いたしました。職人の育成に苦戦している会社様は、ホクセツペイント様の取り組みをご参考にされてみてはいかがでしょうか。
労働環境が重要視される中で、職人視点の働きやすさという観点も重要かと思いますので、本記事掲載の内容についてぜひ取り組まれてください。
【記事監修】株式会社アステックペイント 谷口智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」塗装品質の向上のための施工指導を行う「フィールドエンジニア部」を統括する責任者として、高付加価値塗料の研究・開発、塗装現場の品質管理のための活動を行っている。
【運営会社】株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。
