【新商品】木材保護塗料「ウッドシールドPROシリーズ」とは

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塗装会社の皆様、木材へ塗装する際、どんな種類の塗料を選択されていますか?耐候性をより長く持たせたい場合は、「木材保護塗料」を使用しますが、水性と溶剤、また浸透タイプ、半造膜タイプ、造膜タイプなど、様々な種類があります。
これらは下地木材の劣化状況や塗装時の周辺環境などによって使い分けられるのです。
当社では2025年5月から、より耐候性を向上させた木材保護塗料「ウッドシールドPROシリーズ (水性形2製品、溶剤形1製品)」と専用下塗材1製品をラインナップいたしました。
今回は、木材保護塗料についての解説や、新しく発売した「ウッドシールドPROシリーズ」の特徴をご紹介します。

木材保護塗料(WPステイン)とは

本製品は、「木材保護塗料」に分類されます。木材保護塗料とは、屋外にて建物の木材を保護することを目的とした塗料であり、WPステイン(Wood Preservatives Stain)とも呼ばれます。
木材は、一般住宅では破風板や鼻隠し、ウッドデッキなどに多く使用され、太陽光や雨などによる風化や、カビや害虫などによる腐食などによって劣化していきます。
劣化が進行した木材は美観を損ねるだけでなく強度低下による剥落などの危険性があるため、塗装などによる定期的なメンテナンスを継続して行うことが非常に重要です。

木材保護塗料のタイプ

木材保護塗料は大きく分けて3つのタイプに分類されます。それぞれの特徴をご紹介します。

浸透タイプ (ウッドシールドPRO-JY / ウッドシールドPRO アクア浸透)

特徴:木目を活かした仕上がりになる
木材に有効成分が浸透して効果を発揮。塗膜を造らないため割れや剥がれが少ない。

半造膜タイプ (ウッドシールドアクアカラー)

特徴:木目の風合いを残しつつ、着色力や隠蔽力に優れる
木の質感を出しつつ、着色力(濃色)・隠ぺい性に優れるため塗り替えに使用されることが多い。

造膜タイプ (ウッドシールドPROシリーズ該当なし)

特徴:隠蔽性に優れる
木材の表面に膜を造るため、木目は残らないが隠蔽性に優れる。

浸透タイプは2回塗で、半造膜タイプは1回塗でイメージ写真の様に仕上がります。また、これらは用途や目的、木材の劣化状況などによって使い分けられます。次の章では、どの製品がどのタイプに当てはまるかを紹介します。

上塗材 ウッドシールドPROシリーズの概要

当社で5月より取り扱う木材保護塗料のウッドシールドPROシリーズには、「ウッドシールドPRO-JY (溶剤形浸透タイプ)」、「ウッドシールドPROアクア浸透 (水性形浸透タイプ)」、「ウッドシールドPROアクアカラー (水性形半造膜タイプ)」の3種類があります。それぞれの特徴や仕様などを、以下の表にまとめました。

 

製品名
ウッドシールドPRO-JY
ウッドシールドPRO
アクア浸透
ウッドシールドPROアクアカラー
タイプ
木目を生かせる
浸透タイプ
木目を生かせる
浸透タイプ
塗り替えに最適の
半造膜タイプ
容量
16ℓ / 4ℓ
16ℓ / 3ℓ
14kg / 3.5kg
対応
屋外
塗料系統
溶剤
水性
水性
塗布回数
2回
2回
1回
塗布量
(刷毛)
0.12~0.16kg/㎡
0.10~0.14kg/㎡
0.08~0.10kg/㎡
工程間
工程内:8時間以上
最終養生:24時間以上
工程内: 3時間以上
最終養生:24時間以上
塗重:3時間以上
3日以内(23℃)
最終養生:24時間以上
色数
18色
16色
20色
浸透タイプであるため、艶感なし
艶消
特徴
防カビ・防腐・防虫・防蟻・撥水・隠蔽性
ローラー施工可能で、泡かみが少なく、仕上がりがきれい
耐候性※1
初回:2~3年
2回目以降:5年
5~7年
6~9年
※1:期待耐用年数については、あくまで試験環境下における実測値であり、対候性を保証するものではありません。実際の自然ばく露環境下では、対候性は異なる場合があります。

ウッドシールドPROシリーズは、浸透タイプと半造膜タイプがあります。
「浸透タイプ」は主に木目を生かした仕上がりにお勧めです。また、「半造膜タイプ」は木目を生かしつつ、傷んだ木材の下地保護する際に使用いただくことを推奨しています。

上塗材 ウッドシールドPROシリーズの性能

ローラー施工による仕上り比較

他社品とローラー施工の場合を比較した際、泡かみが少なく、乾燥後の仕上がりにおいても透けやムラが無くきれいに仕上がります。

耐候性の高い無機顔料の採用

紫外線に対して高い耐性を発揮する無機顔料を採用しているため、劣化に強い塗膜が長期間木材を保護できます。

独自の紫外線吸収剤の配合 (アクアカラーとアクア浸透のみ)

塗膜の劣化要因となる紫外線を「紫外線吸収剤」が吸収し熱に変換、そのまま熱を放射することで塗膜の劣化を抑え耐候性が向上しています。

セルロースナノファイバーの含有 (アクアカラーとアクア浸透のみ)

植物由来で環境にやさしい「ナノサイズ繊維」を用いた次世代バイオマス素材を採用しています。
繊維を含む層が形成されることで木材の表面をしっかりと固めることが可能です。

下塗材:ウッドシールドNANOシーラーの紹介

ウッドシールドPROアクアカラー専用で、上塗材の耐候性向上のための下塗材をご用意しております。
上塗材のウッドシールドPROアクアカラー同様に、セルロースナノファイバーを含有しているため、耐候性の向上に繋がります。

製品名
ウッドシールド NANOシーラー
容量
16ℓ/4ℓ
塗料系統
水性
塗布回数
1回
塗布量
0.10~0.12kg/㎡
希釈
不可
施工間隔
工程内:24時間以上 (25℃)

※ウッドシールドNANOシーラーは、ウッドシールドPRO-JYとウッドシールドPROアクア浸透に使用すると、木材への塗料の浸透を阻害するため不可としております。

注意事項

各製品の注意事項を記載いたします。

ウッドシールドPRO シリーズ3製品共通の注意事項

・雨、強風、結露等の悪天候及びこれらが予想される場合には施工は避けてください。
・5℃以下、湿度85%以上での施工は避けてください。
・顔料が缶の底に沈殿する可能性がありますので、使用する前に塗料を十分に撹拌してください。
 使用中もよくかき混ぜてください。
・木材の乾燥が不十分な場合、膨れや塗膜性能が発揮できない恐れがあります。
・ヤニや油分が多い木材はシンナー拭きや研磨等で表面のヤニや油分を取り除いてから塗装してください。
・水等で調整すると塗膜性能が発揮できない恐れがあるため、色濃度の調整はカラレスで行ってください。(カラレスの添加量が増えるにつれて耐候性が低下するので、添加量にご注意ください。)
・耐候性が低下するおそれがあるため、屋外でカラレス単体では使用しないでください。
※カラレスとは、ウッドシールド専用色濃度調整剤・ウッドシールド透明色を指します。
・長毛のローラーは泡立つ恐れがあるため、短毛~中毛の無泡ローラーを使用してください。
・ウッドシールドNANOシーラーは、ウッドシールドPROアクアカラー専用の下塗材です。
・木材別の注意事項は、以下ご参照ください。

木材の種類
付着可否
スギ・ひのき・モミ・ナラ・ケヤキ
イペ※1・ジャラ※1・ウリン※1・レッドシダー※1
・セランガンバツー※1・レッドウッド※1・マツ※2
注意
※1:南洋材系堅木などの硬質材は高密度で、樹脂成分が密着しにくいため、早期に剥離する可能性があります。
*2:ヤニ部分を除く。

ウッドシールドPRO-JY特有の注意事項

・火災・中毒等のおそれがあるため、保管・取扱いには十分に注意してください。
・塗料が染み込んだウエス等は、自然発火の恐れがあります。そのため、都度焼却するか、廃棄するまでは、水に漬けておいてください。
・塗装する下地の種類の注意事項は、以下ご参照ください。

下地の種類
付着可否
羽目板・破風・下見板・軒天・塀・バーゴラ
窓枠・門・扉・公園遊具・木橋・デッキ・ログハウス・ベンチ:*1
注意
※1:平面部位への塗装は摩擦による色落ちが発生し、色落ちによって衣服を汚す可能性がある。

ウッドシールドPROアクア浸透 特有の注意事項

下地の種類
付着可否
羽目板・破風・下見板・軒天・塀・バーゴラ
窓枠・門・扉・木橋・デッキ・ログハウス・ベンチ:*1
壁面(室内)・腰板・巾木・天井・柱・梁:*2
注意
※1:塗膜を作らない浸透型塗料のため、過度な摩擦などにより比較的 短期間で色落ちする可能性がある。
※2:屋外用途の木材保護塗料のため、薬剤(防腐剤や防虫剤等)を配合している。内装用途への仕様は注意する。

ウッドシールドPROアクアカラー 特有の注意事項

下地の種類
付着可否
羽目板・破風・下見板・軒天・塀・バーゴラ
窓枠・門・扉:※1、※2
公園遊具・木橋・デッキ・ログハウス・ベンチ:※2
壁面(室内)・腰板・巾木・天井・柱・梁:※3
注意
※1:柔らかい樹脂の影響で、塗膜同士が接触すると剥がれにくくなる可能性がある。
※2:人が歩行する面や摩擦が生じる面は塗膜が剥離する可能性がある。
※3:屋外用途の木材保護塗料のため、薬剤(防腐剤や防虫剤等)を配合している。内装用途への仕様は注意する。

まとめ

今回は、木材保護塗料「ウッドシールドPROシリーズ (水性形2製品、溶剤形1製品)と専用下塗材1製品をご紹介しました。
これまで当社にて取り扱っている木材保護塗料よりも、耐候性とローラーによる仕上りが向上した製品となっております。また、下塗材(ウッドシールドPROアクアカラー専用)の導入により、選択肢の幅が増え、お客様のご要望に添えることも可能になります。
この記事を一読していただき、今後の営業活動並びに施工品質向上にお役立ていただければ幸いです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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