職人が医者よりも稼げる時代へ


AIの進化が目覚ましい。その結果として、実際にアメリカで最も収益を稼ぎ、成長し続けているビックテックと呼ばれるアマゾンやマイクロソフトなどでは、管理業務を中心としたオフィスワーカーを一万人単位でレイオフし始めている。
AIがもたらすホワイトカラーの淘汰の波

コロナ禍でデジタル化が一気にシフトして、プログラマーなどのエンジニアは引っ張りだことなり、そして大学卒業したばかりのエンジニア候補でさえも数千万円を稼ぐほどだった。
それからたった3年程度の間にAIが登場し、あっという間に高給取りのプログラマーなどのエンジニアでさえも解雇の対象となってきており、そして現在、プログラミングを勉強してきた優秀な理系学生が就職できないため、若年失業率がアメリカで増え始めているとのこと。恐ろしいほどのスピードで社会が動いていることを感じる。
この状況は、日本でも同じである。
世界で34万人の従業員を抱えるNTTは、5年以内に5割以上の業務はAIに移行できると予測を立て、まずは2年以内にコールセンター人員を半分以下にするという記事も出ている。
他の大手企業も同じような動きとなっているようだ。すなわち、AIにより多くのホワイトカラーの職が失われる、もしくはホワイトカラーの価値が下がり、給与が減っていくという現象が既に表面化してきているようである。
「ブルーカラービリオネア現象」─職人価値急上昇

一方で、「ブルーカラービリオネア現象」という言葉がアメリカで生まれている。ホワイトカラーの価値が下がり稼ぐ機会が減る一方で、ブルーカラーと呼ばれる労働者の所得が大幅に上がり、富裕層化していくという意味のようである。
しかし、ブルーカラーの全てが対象ではなく、大量生産型の工場で働くワーカーはロボットに置き換わるようになる。しかし、少量生産型の工場で働く技能工や、建設現場で働く職人と言われるブルーカラーワーカーは、これから明るい未来が待っているということになる。
アメリカでは既に配管工は、医者よりも収入が高いとも言われる程である。そのアメリカは、まだ多くの若い移民が大量に入国してきており、新たな技能工や職人として育成を行い、その供給量を増やしても高い給与を稼げる時代になっていく。
しかしながら、日本においては既に職人不足であり、さらに若手からの職人の担い手は非常に少なく、また海外からの移民による労働者不足を補充する取り組みはほぼ無くなっている。
すなわち、日本での職人こそが、これから益々希少価値は高まり、「手に職を持つ」職人は稼ぐことができる未来が待っている。実際にほとんどの病院が赤字で所得が伸びない医者、詰込み型の知識という得意分野をほぼAIに奪われることになる弁護士や会計士などよりも、職人のほうが稼ぐことができる未来がやってくるかもしれない。
塗装会社にとっての今後の影響とは

塗装業界にとって、久しぶりに聞いた明るいニュースはないであろうか。過去30年以上建設職人の生産性が上がっていない、給与もほぼ上がってこなかった、若手は職人になりたがらない、社会的地位が低いなど、様々言われてきた、これら全ては逆転していくことになる。
そしてそのスピードも想像しているよりも早く来ることになると思う。とても嬉しいニュースのはずである。しかしながら、塗装会社の経営者にとっては医者よりも稼げる職人をどのようにマネージメントしなければならないのか、という無理難題の悩みも生まれてくる。
職人の給与が上がるというポジティブな悩みに対しては、ポジティブな答えは必ず見つけられると思う。何れにしても、社会は想像を絶するスピードで変化している。その変化とは塗装業界にとってかなりポジティブな変化であるはずである。
その変化に自社も変化させられることで、とても明るい未来が待っている、と思わされる最高のニュースだったと思う。
<2025年11月号アステックペイント定期発行物ホットラインより>
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このコラムの寄稿者と運営者
【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹
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菅原 徹
株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。
【運営会社】
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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。








