住宅リフォーム市場は「人」がすべて

代表コラム 2023.07.17 (最終更新日:2024.01.16)
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<2023年6月号アステックペイント定期発行物ホットラインより>

住宅塗装市場は、まだまだ厳しい状況が続いているようです。特徴としては、市場全体が冷え込んでいるので、地域一番店で地域シェアが高い住宅塗装専門店は、市場の厳しさの影響を受けているようです。そして、もう一つ大きな特徴としては、WEB集客への広告が増えてきており、競合他社との競争が激しくなってきていることによる単価の高騰やコンバージョンの低下が目立っているようです。
特に、都心部でWEB集客を中心にしている住宅塗装専門店にとってはかなりダメージを受けている印象を持っています。

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弱者が淘汰されていく時代へ

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※イメージ写真

住宅塗装市場の厳しい現状を整理すると、次のような事象が考えられます。

1.インフレはこれからも継続していく可能性は高い
2.住宅塗装市場の冷え込みの改善はまだ見られていない
3.WEB集客の競争は激化してきており、WEB依存はリスクが高い
4.人材の採用は益々難しい時代に。特に、新卒は難しい
5.給与アップも含め、様々な取り組みをしなければ社員の定着は危ぶまれる

これらの厳しい状況を踏まえて、今後の経営を考えていくためには、集客対策などの小手先の取り組みだけでは、結局目先の成果に一喜一憂し、未来への成長を感じることはできないでしょう。
このような時こそ、同時並行で自社の理念、ビジョン、価値観、そして事業計画を見直し、未来志向の会社に立て直すことが重要だと考えます。

住宅塗装を含む住宅リフォーム市場は、全ては「人」で決まると言っても過言ではないはずです。経営者のチラシコピーのセンスやWEBの取り組みにより集客はある程度取れるかもしれませんが、結局は「人」が診断、商談、顧客接点、工事管理、アフターフォローをやっていくことになります。

「人(=社員)」の数で、比例して売上も決定していきます。特に、今の時代のように先行きが見えない時こそ、社員の潜在能力の活用で新しい道を切り開くことも可能になるかもしれません。

そしてこの厳しい市場状況が続く中で、住宅リフォーム市場での弱者の淘汰は進んでいくと思われます。すなわち、弱者は淘汰され、強者がより強くなっていく成熟産業ではどの業界でも起きてきたことが、住宅リフォーム市場でも起こることでしょう。これは、住宅リフォーム市場に近い、住宅新築市場の圧倒的大多数の弱者が淘汰されてきた歴史を見れば明らかでしょう。

住宅リフォーム会社における「人」の重要性

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※イメージ写真

それでは、住宅リフォーム市場で強者と弱者を大きく分けるのは何かと考えると、結局「人」だと考えます。住宅リフォーム市場は、「人」で全てが決まるとするならば、強者と弱者の境目は「人」ということになっていくでしょう。ここで言う「人」とは、会社の理念とビジョンを理解して、会社の価値感を有し、高いモチベーションで高い成果を継続して出し続ける人のことを指します。そのような「人」の継続的な採用と教育を行い、そして定着させられる会社がこの市場で強者になっていくことになります。

大切なことは「ビジョン」を明確にすること

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※イメージ写真

すなわち、今現在で自社の理念やビジョン、もしくは価値観等が明確でないのであれば、どんな優秀な人材が入社してこようとも、ここで定義した「人」に育成されることはなく、高い成果を出すこともなく、そして退職していく可能性が高くなります。

だからこそ、厳しい状況であり、明日の集客を心配しながらも、今の時期だからこそ自社の理念やビジョン、価値観などを見直すタイミングだと思っています。理念やビジョンに関しては、この紙面で説明するよりも、優良な書籍が沢山ありますので、何度でも勉強しながら、自社なりの理念やビジョンを明確に打ち出し、そして全社員に浸透させる取り組みを行い始めることが大切です。

時間はかかりますが、この取り組みを始めるだけで社内が変わり始めることも感じられると思います。そして、今までは社員の数は二人とするなら、1+1=2の二人分のマンパワーだと思っていたのが、1+1=3にも4にもなることも感じられるでしょう。

厳しい状況が続く中で、目の前の小手先の取り組みで一喜一憂している会社は確実に弱者として淘汰されていくことになります。市場の強者として、これからも永続的に発展していくことを望み、未来志向型の会社になるために理念やビジョンへの取り組みは外せないと考えます。住宅リフォーム市場は「人」が全てという考えを持ち、是非とも強者となるための動きを今からでも行っていくことをお薦めします。


コラム寄稿】株式会社アステックペイント代表 菅原徹

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菅原 徹(すがはら とおる)

株式会社アステックペイント代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。

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