デジタル社会にどのように向き合うべきなのか?
<2024年1月号アステックペイント定期発行物ホットラインより>
デジタルツールの課題
会社の損益計算書の経費項目をみていくと、毎年大きく膨らんできている項目がある。それは「支払手数料」というものだ。その中身の一部に当社が利用している人事系、勤怠管理、社内情報共有、グーグルやマイクロソフトの総合ソフトなどのアプリ代やシステム使用料、そしてデータを保管するクラウドサーバー代などがある。確実に増え続けるこれらのコストを見ていくと、これからのデジタルツールやサービスとどのように向き合っていくべきか、しっかり考えないといけないと思うようになってきた。
例えば、クラウドサーバーのデータ保管料について考えていくと、自社が扱うデータ量は増えることがあっても、減ることはあり得ない。それも膨大に増え続けていき、増えた分だけ従量課金されることになる。企業が存在している限り、未来永劫増え続けるコストを払わないといけないということである。デジタル社会の以前であれば、全ては紙に印刷された書類であり、フォルダやキャビネットで書類保管したり、閲覧頻度が低い書類は段ボールに入れて保管していた。
このような視覚的に見える書類も同じく増え続けはいくが、どこかのタイミングで置く場所が無くなり廃棄していくことになるため、書類の量が増え続けることはなかった。しかしデジタルデータは視覚的に目に見えないため、無尽蔵に増え続けることになるし、多くの企業ではそれらのデジタルデータを廃棄する仕組みもないだろう。
DX化の目的
日本社会ではDX化という合言葉のもと、あらゆる企業が優先度を高くDX化に取り組んでいる。DX化の目的は業務が効率化され、社員の代わりにITが仕事をやってくれて、高収益を実現するためのはずである。当社においても、DX化は会社方針として取り組みを強化している。その結果として、もの凄い数のアプリやシステムを利用していることに後々気付き、その費用に関しても無視できない内容になってきている。とはいえ、これからもDX化を推進していくことになるし、業務の効率化を突き進めていきたい。
デジタル社内に向き合うとは
これからは、生成AIなど普及していき、企業はもっとDX化の沼にはまっていくことになるであろう。その先の未来を考えていくと、企業が高収益を実現するために、あらゆる努力を行って企業経営を行っていくが、結局はそれらの利益の大きな割合はテック企業に持っていかれる時代が来るような気がしている。テック企業が提供するサービスを利用しないという選択肢はなく、費用に関しても交渉の余地がない金額を払い続けることになる。すなわち、デジタル社会のもと、国に支払う税金とは別に、テック企業に支払う別の高い税金のようなものが存在し続け、これらから逃れられない未来が待っているような気がしている。デジタル社会にどのように向き合っていくのか、とても大切なことだと思う。
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このコラムの寄稿者と運営者
【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹
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菅原 徹
株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。