「人口減の未来に向けた取り組みとは?」という質問への答え

LINEで送る Twitterでシェア Facebookでシェア
バナー

当社の新卒採用の最終面接は私が行なっているが、可能な限り多くの質問を学生から受けるようにしている。このことで、学生は何に興味を持っているのか、就職する会社に何を求めているのかなど、私自身も学生からの様々な考え方にとても刺激を受けている。このような質問を受けている中で、最近多いと感じる質問が「これから人口が減少し、日本経済が縮小していく中において、御社はどのような対策を打っているのか?」ということである。やはり自分の人生を託す会社が未来の対策をちゃんと行なっているのかを確認したいのだろう。学生なりに未来に危機感を感じながら、就職活動を行なっていることが伺える。

この質問に対する私の答えとしては次の通りである。

まずもう既に建築塗料市場においては、市場規模は拡大しておらず、既に衰退の方向に向かっている。よって、多くの建築塗料メーカーは市場の衰退と共に既に衰退し始めている。その中で、アステックペイントとしては、新参塗料メーカーということもあるが、従来の塗料メーカーがやらない新しい取り組みを行うことを意識してきた。例えば、塗料メーカー唯一の直販体制の構築、塗料注文の90%以上はECサイトを経由するほどのオンラインシステムへの投資、単に高性能・高機能の塗料を売るだけではなく、お客様の塗装工事をより高単価で売りやすくするような営業支援まで強化するなど、当社だけしかできない取り組みを数多くやってきた。その結果として、建築塗料市場のパイは縮小しつつあるが、当社は現在建築塗料業界で唯一成長し続けている塗料メーカーであり、これからもこの動きは変わらないであろう。縮小していくパイの中でシェアを上げ続けることで、当社はまだまだ成長できる余地があると考えている。
とはいえ、いつかは成長の限界を迎える時期はやってくる。
そこで、当社では「塗装業界のThe Everything Store」というビジョンを掲げることになった。The Everything Storeとは「何でも売る店」という意味になるが、塗装業界が求めるもの、必要としているもの全てを揃えていくというビジョンだ。このビジョンの元、より良い塗料をより多く売っていくことは続けていくが「プロタイムズ」のような営業支援サービスの事業を数多く増やす計画もある。さらに「現場ポケット」のように塗装業界の生産性を向上させるアプリにももっと力を入れていきたい。その他にも、塗装業界が必要としているものを一つずつ増やしていきたい。
すなわち、アステックペイントの対象となる市場は建築塗料だけであったのが、塗装業界向けの「サービス」や「IT」も提供することで対象となる市場規模は遥かに大きくなってきている。まだまだ未知数な市場規模でビジネス展開をすることができるため、人口減に対して心配は全くしていない。

しかし、上記の取り組みをもってしても、いつかは成長の限界が来る時期はやってくる。そのために、現在東南アジアのタイに進出しており、未来には東南アジア全体で展開できるように、私自身は現在も多くの時間を費やしタイでの事業展開に尽力している。私が社長の間はタイだけしか事業展開をすることはできないと考えているが、次の世代が東南アジア全体を対象マーケットとして、未来永劫の成長を続けて欲しいと思っている。

私はこのように答えるようにしている。このような疑問は、これから入ってくる新しい新卒・中途社員だけではなく、既存社員も同じように高い危機感を持っていると思う。

よって、このような質問ををされたら、即座に答えられる準備をしておかなければ、社員が安心して働ける職場環境を提供できないと言えるであろう。

バナー

コラム寄稿】株式会社アステックペイント代表 菅原徹菅原 徹(すがはら とおる)

株式会社アステックペイント代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。

アステックペイント

運営会社】株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。

記事カテゴリ

  • 塗装業界チャンネル
  • 営業活動レポート
  • 経営サポート
  • 塗装の現場から
  • 代表コラム
  • 製品紹介