2026年新卒社員は「社会のお荷物」世代になる―入社式で伝えたこと


2026年は、AIが本格的に社会へ普及していく「AI元年」と言えるだろう。この年に入社した新卒社員は「AIネイティブ」とも呼べる存在であり、これから身につけていく仕事の基本がAIベースとなる、歴史的な転換点に社会人のスタートを切った世代である。
私は今年の入社式で、こうした時代認識のもと、新卒社員たちにある祝辞を贈った。入社式の祝辞としては異例の内容だったかもしれない。しかし、経営者として今の時代をどう見ているのかを、飾らずに伝えることが彼らへの誠実さだと思い、率直に話した。
「楽して入社できた最後の世代」という現実

2026年は「就職売り手市場」の中で学生が企業を選ぶ立場にあった、おそらく最後の年となるだろう。多くの学生が5つも6つも内定を手にし、売り手市場の恩恵をいっぱいに受けた世代とも言える。
しかし、状況は一変しつつある。
2027年の採用からは、静かではあるが企業の採用抑制が始まっている。とりわけ金融業界ではその動きが顕著であり、その要因はAIの台頭に他ならない。アメリカではすでに昨年から、優秀な大学を卒業した若者が職を見つけられない状況が報じられている。かつては引く手あまただったITエンジニアが、大規模なレイオフにさらされるという事実も起きている。
日本においても、2028年の新卒採用あたりから採用抑制が顕著になり始めるだろう。さらに言えば、仕事の経験を持たない新卒社員を採用しなくても、AI活用とともに企業が十分に成長できる環境が整っていく。その流れは、もはや止められないと見ている。
新卒社員を「要らなくなる」理由

AIを真に活用できるのは、実務を深く熟知した人間だ。AIと対話しながら業務を設計し、価値あるアウトプットを引き出すためには、業務そのものへの高い理解が前提となる。
実務を知らない人間がAIを使っても、生み出されるアウトプットに大した価値はない。つまり、新卒社員がAIをフル活用したところで、その成果物は実戦に耐えないということだ。むしろ、少ない人数であったとしても業務に「高度」に精通した人材が、高いレベルで業務設計を行い、AIとの対話を重ね、最後に自らの目で見極めてアウトプットを行う――このプロセスを経ることで、質の高い成果を大量かつ高速に生み出すことが可能になる。こうなると、新卒社員の出る幕は、さらに失われていく。
バブル採用世代の轍を踏む2026年新卒

2026年に大量に社会へ入ってきたAI元年の新卒社員の姿は、1980年代後半のバブル期に大量採用された世代を思い起こさせる。
バブルが崩壊し就職氷河期が到来すると、採用が絞られた厳しい時代に入社した社員と比較される形で、バブル採用世代は「社員数は多いが、仕事ができない」とのレッテルを貼られ、「社会のお荷物」とまで言われた。その苦い歴史が、いまAI革命という形で再び繰り返されようとしている、と感じている。
高い危機感を持って、自らを成長させ続けるしか未来は無い

こうした内容を、私は入社式で新卒社員たちに伝えた。社会のお荷物にならないために、まず自らの担当業務において一刻も早く「一人前」になること。そしてさらに速やかに「一流」と呼ばれる域まで到達すること。この危機感を、社会人としての第一日目から持ち続けてほしい、と。
しかし、考えてみれば、この危機感は新卒社員だけに向けられたものではない。
すなわち、中小企業にとっては経営者自らがAIを使いこなし、どう組織に組み込むか――この問いに向き合うことが、AI時代を生き残るための最重要課題となっていくと考える。
新卒社員に「一流になれ」と伝えた入社式の言葉は、私自身にも突きつけられた問いでもある。私自身も高い危機感を持ち、まだまだ自らを成長させ続けなければならない。
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このコラムの寄稿者と運営者
【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹
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菅原 徹
株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。
【運営会社】
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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。








