超低汚染リファインMFの実力とは?塗装7年後の塗膜を徹底検証
.jpg)
.jpg)
2015年7月から発売を開始した「超低汚染リファインシリーズ」は、2025年7月で発売から10周年を迎える記念すべき製品です。
ご愛顧いただいている本製品ですが、加盟店様から「実環境での塗膜状況」についてまとめて欲しいとのご要望をいただいております。
そのため、今回は「リファインシリーズ」の中でも優れた耐候性を持つ「超低汚染リファイン1000MF-IR(艶有)」の実環境での最新の塗膜状態について、低汚染性機能を中心に紹介いたします。
超低汚染リファイン1000MF-IRとは

◯用途:水性形二液外壁用低汚染遮熱無機成分配合フッ素塗料
〇特徴:高耐候性、遮熱性、超低汚染性、遮熱保持性、防カビ・防藻性
〇期待対応年数:20~24年
〇艶感:艶有・3分艶
〇色:アステック標準色69色+日塗工色

経過項目と各劣化症状について
汚染
汚染とは、汚れ(土埃、排気ガスのススなど)が塗装後、経年で塗膜に付着または、塗膜内部に入り込んでいることを指します。
建物の中でも、以下のような箇所で、発生する可能性があります。特に、建物周辺に畑やグラウンドなど強風で土埃が舞う環境に立地している場合など、汚染が発生しやすいです。

地面に対して平行な部分には、汚染物質は堆積しやすく、降雨等の影響により汚染物質が流れることで、上記のような雨筋汚染が発生する場合があります。
さらに、以下の様に下地に凹凸がある場合、凹部に入り込んだ汚染物質は除去されにくいため、汚染が発生する可能性があります。

その他劣化症状
チョーキング
チョーキングとは、塗膜やプラスチック製品などが紫外線・熱・雨(水)などの劣化因子の影響を受け、表面の樹脂が徐々に分解され、樹脂と含まれていた顔料が表面で粉状になり、指で擦ると同じ色の粉が付いてくる現象のこと。


艶引け
艶引けとは、塗膜が屋外暴露されている状態において、紫外線・熱・雨(水)などの劣化因子によって塗膜表面の樹脂が分解し、緻密性が失われて艶が低下する現象のこと。


また、艶引け発生箇所は、塗膜表面の樹脂が分解され、荒れるため白くボケた仕上がりとなる。※このように白くボケた仕上がりになることを色褪せとも言う。
退色
紫外線等の劣化因子の影響を受けやすい塗料内の一部の顔料が早期に劣化し、成膜時の色から変色する現象のこと。
例)赤茶系の塗膜の場合
塗膜内でも紫外線等の影響を受けやすい、「赤」の顔料が早期に劣化し、焦げ茶色になる。

観察結果まとめ
事例➀
〈概要〉
施工エリア | 施工時期 | 調査時期 | 下地 |
東京都 | 2017年11月 | 2025年4月 (7年5カ月経過) | 窯業系サイディング |
〈調査結果〉 窓サッシや排気口(ダクト)の下部でも汚染は確認できませんでした。

※チョーキング・艶引け・退色も確認できませんでした。
事例➁
〈概要〉
施工エリア | 施工時期 | 調査時期 | 下地 |
大阪府 | 2017年11月 | 2025年4月 (7年5カ月経過) | モルタル |
〈調査結果〉
窓サッシや排気口(ダクト)の下部でも汚染は確認できませんでした。

※チョーキング・艶引け・退色も確認できませんでした。
事例➂
〈概要〉
施工エリア | 施工時期 | 調査時期 | 下地 |
東京都 | 2017年3月 | 2024年12月 (7年9ヵ月経過) | ALC |
〈調査結果〉
2階は、凹凸が大きい下地にもかかわらず、汚染が確認できませんでした。しかし、1階の植栽周辺や排気口の下部では、汚染が確認できました。

※チョーキング・艶引け・退色も確認できませんでした。
事例➃
〈概要〉
施工エリア | 施工時期 | 調査時期 | 下地 |
東京都 | 2017年6月 | 2024年12月(7年6ヶ月経過) | コンクリート |
〈調査結果〉
全体的に窓サッシの下部で雨筋汚染が確認できました。
周辺には公園や屋上緑化があり、砂や土が舞いやすい環境のため、汚染が発生しやすかった可能性が考えられます。

※チョーキング・艶引け・退色は確認できませんでした。
まとめ
今回は施工後7年経過した「超低汚染リファイン1000MF-IR(艶有)」の実環境での塗膜状況をご紹介しました。
事例➀・➁では、汚染が発生しやすい箇所であっても、汚染は確認されませんでした。一方、事例③・➃では部分的に汚染が確認されましたが、いずれも建物の構造や周辺環境が影響し、リファインシリーズの低汚染性を上回るスピードで汚染物が付着・堆積した可能性が考えられます。
加えて、どの事例もチョーキング・艶引け・退色は確認できず良好な状態であったと言えます。
今後も、本記事で紹介した事例の経過観察を実施すると共に、別物件での経年経過後の塗膜状況も定期的にご報告いたします。
また、他製品での経過観察記事もAPONLINEにて構えておりますのでご興味ある方はご確認ください。
塗装業における課題解決なら
お任せください
AP ONLINEを運営している(株)アステックペイントは、塗装会社様の様々な課題解決の支援をしています。どんな内容でも構いません。まずは一度現状のお悩みや要望をお聞かせください。
\例えば、こんなお悩みありませんか?/
- コストカットをはかりたい
- 元請け案件を増やしていきたいが、方法が分からない
- 案件数を増やしたいが、成約率が低い(営業力に課題がある)
- 競合他社との差別化に悩んでいる
- 売上、粗利を増やしたい
| お取引様の声・実績 |
この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント
【運営会社】
株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。