二重経済構造の日本社会へ

代表コラム 2023.07.31 (最終更新日:2024.10.08)
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<2023年6月号アステックペイント定期発行物ホットラインより>

約10年程前にタイに新会社を設立させ、私自身もタイに移り住んできた。その時に感じていたことは、タイの経済が二重構造だということだった。特に、バンコクという都市は、世界最先端の都市機能と同時に東南アジア特有のスラム的な街並みが混在する都市であるために、二重構造の経済が存在するのだと理解していた。

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二重構造の経済とは

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※イメージ写真

ここで言う経済の二重構造とは、外国人やタイ人の富裕層が受ける商品やサービスは世界標準価格で、ローカルタイ人はタイ価格帯で生活しており、同じ国でありながら、全く違う商品とサービスの価格帯が存在するという意味となる。例えば、タイで日本人として日本人が住む街で生活すると、居酒屋があり、日本人向けのスーパーがあり、外国人が行く飲み屋さんがある。
これらのお店は東京と比較してもほとんど変わらないか、若干日本よりも高い価格帯となっている。だからタイに住んでいても生活コストは日本で住むより高くなる場合が多い。

反面、我々日本人が住んでいるエリアから、わずか数ブロック離れたローカルタイ人しか住まない場所にいくと、外食もスーパーマーケットもあらゆる物が日本人にはとても安く感じるほど、物価の違いがある。

バンコクに来る旅行者が安く感じるのは、屋台の食事、タクシー、マッサージなどが挙げられると思うが、それはローカル価格なので安く感じていたと思う。
そして、この二つの経済圏はあまり交じり合うことは無く、ローカルタイ人は、絶対に外国人や富裕層の経済圏には足を踏み入れることはできない世界だと感じていた。

日本で感じる二重構造の経済

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※イメージ写真

この経済の二重構造とは、発展途上国だから生まれた社会的現象だと思っていた。しかしながら、実際には日本でも同じく経済の二重構造を感じることが多くなってきた。例えば、東京の外資系最高級ホテルでは、一泊20~30万の部屋が増えてきている。それらのホテルは稼働率も高く、宿泊者の多くは外国人であるとのこと。

ひと昔前であれば、最高級の帝国ホテルやホテルオークラの宿泊代は3~4万円ぐらいであったと思うが、30年前から日本での物価はほとんど変わっていないが、一部の商品やサービスの価格は大きく変わってきている。その他では、寿司屋や懐石料理、フランス料理などで10万円近いお店も増えてきている。以前であれば、銀座の一流店でも3万円ほどだったのが、価格帯が全く変わってきている。

反面、3000円ぐらいで美味しいご飯と飲み放題が付くような居酒屋も存在しており、タイ人の中間層旅行者が日本に来て、物価が安いとSNSで投稿している現実もある。すなわち、日本でも経済の二重構造が生まれてきており、その二つの経済圏は交わることがないような社会になっていくと思う。

3000円の居酒屋にいく方々は、10万円のレストランに行くことはできないし、外国人と日本人富裕層だけのサービスになっていくという流れになってきている。

残念なことなのかもしれないが、日本も発展途上国の仲間入りになってきた一つの現象なのかもしれない。

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このコラムの寄稿者と運営者

【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹

【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹

株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

【運営会社】
株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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