下地と下塗材の付着状況を簡単に現場確認できる「パッチテスト」

お役立ちコラム 塗料性能 2021.08.31 (最終更新日:2024.10.09)
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現場で下地材や旧塗膜がわからない場合「どの下塗材を使用したらいいか分からない」「どのような下地処理を行ったらいいか分からない」など悩まれる方は多いのではないでしょうか。

そのような際、アステックペイントでは現場で下塗材の付着性を確認できる「パッチテスト」を推奨しています。

パッチテストは、簡単に下地(旧塗膜)と下塗材の付着状況を確認できる試験のため、下塗材の選定方法・下地の処理方法の参考にしていただけます。

今回の記事では、このパッチテストの内容・実施方法と、付着合否判断基準、注意点をご説明いたします。

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パッチテストとは

パッチテストとは、現場で簡単な手順で実施できる「下地(旧塗膜)と下塗材の付着状況を確認する」、「正しい下地処理方法を確認する」ための試験です。

また、この「パッチテスト」は、JIS規格※1で定めた付着試験を参考にした試験です。塗装工事に入る前に、部分的に下地(旧塗膜)と下塗材の付着状況を確認することで、その下塗材が塗装可能かどうか、下地の処理方法が適切であるかの判断を行うことができます。

※1:JIS規格:産業製品の基準や、性能の評価方法などが定められた日本の国家規格のこと。

パッチテストの進め方

① 試験箇所の決定

パッチテストを実施する箇所を、施主様と相談しながら決定します。

下地の処理

表面の目荒らしや水洗いなどを行うか行わないか、どの程度行うのか、など条件を変えて比較します。

③ 下地乾燥後、下塗材を施工

下塗材の乾燥時間の目安は、夏期:1~3日間程度、冬期:3~7日間程度です。

④ 下塗材乾燥後、切り込み入れ

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カット後の概要図

カッターで碁盤目状(3ミリ間隔で縦6本、横6本)に切り込みを入れ、25マス作ります。

⑤ 粘着テープ(幅20mm以上)を貼り、指先で密着

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テープの長さと試験体に貼る位置

25マスの切れ込みが、確実にテープで覆われ、密着していることを確認します。

⑥ 粘着テープを剥がし、剥がれたマスの数・割合を確認

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テープのはがし方

剥がれたマスの数・割合より、下塗材・下地処理の決定もしくは再検討を行います。

確認できるまで数日を要すため、1度に2種類以上の下塗材・下地処理方法で実施することを推奨いたします。

付着の合否を判断する基準

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実際のパッチテスト

前章の方法で試験を行い、以下の基準で判断します。

剥がれたマスの数相性
2(8%)未満
2(8%)以上× ※2

※2:相性が×の場合:下塗材・下地処理の再検討を行う。

パッチテストを行う際の注意点

パッチテストを行う際、以下3点を注意することで正しく試験が行えます。

北面などの劣化が進行していない箇所で行うことで、健全な下地(旧塗膜)と下塗材の正確な付着試験を行うことができます。

塗装した下塗材に粘着テープを均等に付着させ、正確な付着試験を実施するために、下地が平滑な箇所で試験を行います。

粘着テープは、密着させた直後に剥がすことで、正確な試験結果が出ます。

まとめ

今回の記事では、 現場で下塗材の付着性を確認できる 「パッチテスト」についてご説明いたしました。

下地材や旧塗膜がわからない場合や、適切な下地処理方法がわからない場合など、現場で悩まれた際に、下塗材・下地処理選定方法の一つとして参考にしていただければ幸いです。

なお、あくまでも塗装直後の付着力を確認する試験であり、経年後の付着を保証するものではございませんのでご了承ください。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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