「モチベーションを上げる習慣」というテーマに対する私の考え
先日、GCU(一般社団法人Global Construction Union)という団体の600名ほどの方々が参加する全国大会が開催された。
そこで、僭越ながらパネルディスカッションのパネリストとして登壇させていただいた。そのパネルディスカッションの中で「モチベーションを上げる習慣」というテーマがあり、当日に話した内容を改めて整理したいと思う。
「モチベーション」の捉え方
私は、モチベーションを上げることにさほど価値を感じていない。なぜなら、モチベーションを上げるということはいつか下がってしまうことになり、下がった時の弊害が大きいと考えてしまうからだ。
だから、モチベーションが上がっていない平常の状態で自らのパフォーマンスを80%ぐらい発揮できれば良いと思っている。重要なのは、モチベーションを上げ下げするより80%を維持し続けることであり、その方がトータルで成果が大きいだろう。
このような考えにおいては、むしろモチベーションを下げる要因を無くすことを重要視している。
自らのモチベーションを下げる要因を考えていくと、多くは「人」に関わることに集中すると思っている。例えば、売上が下がった、赤字に転落した、交通事故で車が破損した、体重が増えてしまったなどの自らの努力で改善できる、もしくは修復ができるものは、ほぼモチベーションに影響しない。
ただし、他人からの自分への批判やマイナス意見、もしくは社員が退職するなどの「人」に関わることは、自らのモチベーションに大きく影響する。
このような事態を防ぐために、まず「自分自身」のことでできることとして、常に誠実であり続ける、嘘をつかない、ありのままの自分でいる、他人の悪口を言わない、マイナス発言をしないなどの言動を心掛けている。
そのようにしていないと、必ず巡り巡って自分に降りかかってきて、自らのモチベーションを大きく下げることになる。
組織で見る「モチベーション」
そして、「組織」に関して言うと、上記の言動を行いながら、さらに社内において社員のモチベーションが下がる要因を一つずつ無くしていくことが重要だと思っている。
例えば、社員が適正に評価されない、パワハラ・セクハラが許される環境がある、会社が進むべき未来を示していない、社長がゴルフばかりやっていて仕事をやっていないなどなど、社員のモチベーションを下げる要因は数多くあるだろう。
その全てをまとめて無くすことはできないが、一つずつ消去していくことで社員は十分納得してくれると思っている。
モチベーション100%を維持していくと、いつか「息切れ」もしくは「疲弊」に繋がっていくため、80%ぐらいのパフォーマンスを長く維持していきながら、重要なタイミングだけモチベーションMAX100%を瞬間的に発揮するような環境が最も望ましいと考えている。そのためにも、経営者自ら組織のモチベーションを下げる要因を普段から取り除くことに努力していきたい。
大会当日、このようなことを理路整然と話したいと思っていたが、会場の雰囲気に呑まれてしまい言いたいことの60%ぐらいしか話すことができなかった。
(2022年8月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋)
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【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹
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株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。
【運営会社】
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