「ポータルサイトとの共存」という選択

代表コラム 2024.04.15 (最終更新日:2024.10.08)
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住宅塗装市場において、ポータルサイトの存在感はますます大きくなってきており、近い未来には大きな脅威・もしくは依存せざるを得ない存在になっていくかもしれません。

コロナ禍前までポータルサイトと言えば、安売り業者が活用する媒体の1つぐらいの感覚でした。住宅塗装専門店にとっては、活用することで無駄なエネルギーを消費してしまうため、自社の集客においても脅威と感じることはなかったと思います。しかしながら、ポータルサイトの存在感は大きく変わってきました。この背景には、客層の変化が関係していると考えられます。

WEBに疎い団塊世代(75歳頃)が住宅塗装市場から消えていく中で、その代わりにWEB・SNSを日頃から活用している団塊ジュニア世代(50歳頃)が住宅塗装市場のメイン客層として参入しており、集客の中心がチラシのような従来型の媒体からWEBに移行しつつあります。結果として、住宅塗装市場でも1つのポータルサイトで登録業者数2,000社以上、累計成約数40,000件以上のサイトも出てきており、集客力において一般的な塗装会社では全く太刀打ちできない状況になってきています。
そこで、これから住宅塗装専門店がポータルサイトとどのように向き合うべきか考えてみました。

他業界のポータルサイトの現状

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※イメージ写真

例えば、不動産業界でポータルサイトの状況を見てみると、SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの大手ポータルサイトが圧倒的な情報量(掲載量)と集客を誇っています。現在、不動産の物件を探すにあたって、地元の不動産会社のWEBサイトで物件情報を探すという選択肢はほぼ無くなっているでしょう。
その理由は、ポータルサイトが圧倒的な情報量を有し、高い利便性で、自ら求めるニーズに最短・最小手間でマッチすることを実現するからだと言えます。このことは、他の多くの業界でも同じ状況になりつつあります。
住宅塗装市場においても、大手となる「ヌリカエ」や「外壁塗装の窓口」はこの2~3年で大きく業績を伸ばしています。「ヌリカエ」を運営するSpee社は前年比166.9%増、「外壁塗装の窓口」を運営するドアーズ社は令和4年で156%、令和5年は115%と急増しています。理由は、客層の変化のタイミングで、団塊ジュニア世代のような新たな顧客の多くがポータルサイトへ流入拡大したことが挙げられます。今後、不動産業界のポータルサイトと同じ理由で増え続けていくことになるでしょう。

なぜポータルサイトが多くの業界で受け入れられているのか?

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※イメージ写真

そこでポータルサイトが「なぜ住宅塗装市場も含めた多くの業界で受け入れられているのか」その理由を把握する必要があります。それは「消費者にとって中立な立場で、究極なまでに利便性を高めているサービスを提供している」からだと言えます。つまり「自ら塗装会社の良し悪しを判断できないが、ポータルサイトに登録されている業者は一定の基準をクリアしているという期待」が業者選びの不安を解消し、さらに「地元でその基準をクリアした塗装会社を多数見つけてくれて、それぞれに見積もりを出させる」という煩わしい手間暇をストレスなく依頼できる、と言う意味では究極の利便性を消費者に提供しているサービスと言えるでしょう。

このようなサービスを無償で提供してくれるポータイルサイトは、これからも消費者に受け入れられ続けることになるでしょう。

ポータルサイトは「敵」ではなく「共存」するという考え方

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※イメージ写真

これから間違いないく伸び続けるポータイルサイトを「敵」と捉えるのではなく、「共存」という考えを持ち、ポータルサイトの中で「勝ち続ける」ための取り組みを行っていくことが賢明な考えだと言えます。ポータルサイトの中で、安売り業者と安売り合戦を繰り広げるのであれば、自滅の道を歩むことになるでしょう。ポータルサイトでの競合相手は住宅塗装専門店の下請け、孫請け業者です。

人材、設備、安全面にコストをかけないそのような業者と同じ土俵で戦うのであれば自滅しかありません。ポータルサイトの世界においても差別化を図り、消費者に喜んで納得いただき、高単価もしくは高粗利で受注できるサービスを提供することは十分可能でしょう。

そしてもう一方で「ポータルサイトに依存しない」ということも重要だと考えます。ポータルサイトとは共存しますが、依存しないという考えです。ポータルサイトは性質上、常に安売り業者との戦いになります。しかし、同時に自社サイトやSNSを適正に運用し続けることで、自社のブランドを地元で広げることができ、自社の価値観とマッチした消費者と出会えるようになります。

すなわち、競争のない世界で顧客を創造し続けることができるようになります。団塊の世代が市場が消えていく中で、市場規模は確実に縮小していき、さらにポータルサイトの台頭により多くの住宅塗装専門店は淘汰の道を歩むことになると考えます。
だからこそ常に競争に晒されるポータルサイトの中で戦い続けるだけではなく、自社ブランドを広げ、自社と価値観を共有する顧客を創造し続ける会社が生き残っていけるのです。

さらには「ポータルサイトと共存する中で、ポータルサイトから学ぶこと」も大きな収穫となるでしょう。ポータルサイトは消費者に寄り添い、消費者のニーズを究極までに理解し、利便性を高めるよう努力し続けています。よって、ポータルサイトの世界に身を置き、消費者が求めていることを理解しながらも、ポータルサイトの世界で勝てる企業体質を自社内で作り上げることで、そのノウハウは自社サイトやSNSの集客力を高めることになり、営業戦略に生かすことも可能となります。
顧客との初回接点から最後の商談・契約までの流れにおいて、今まで当たり前に行ってきた取り組みの中で、実際には顧客に不便やストレスを与えている取り組みがあるかもしれません。

このような取り組みを改善していくことで、ポータルサイトのようなオンラインではなく、リアルな営業活動でも高い利便性と究極の顧客満足を与えることができるようになるでしょう。
「ポータルサイトと依存はしないが共存していく」という取り組みは、多くの住宅塗装専門店にとって社運をかけた取り組みになっていくと思います。アステックペイントとしても、大きな変革期を迎えたこの時代においてさらなる研究と支援体制を構築していきたいと考えています。

<2024年3月号アステックペイント定期発行物ホットラインより>

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このコラムの寄稿者と運営者

【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹

【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹

株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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