仕事の目的を考えてみる
学生との対話で考える「仕事の目的」とは
学生との採用面接で、学生から「仕事の目的は何ですか?」と聞かれて、学生が納得できるような答えを即座に伝えられる経営者はどれだけいるのであろうか?極めて難しい質問だと思う。私も、たくさんの学生と毎年膨大な時間を使って面接をしているが、様々なやりとりの会話の原点は「仕事の目的」に起因するのではないかと思っており、ここへの考え方がブレると学生との会話で納得されないと感じることがある。
同じように、会社のパーパスや理念などを深堀りしていくと、必ず「仕事の目的は?」という所に行きついてしまう。中小企業の経営者であれば、個人と会社はほぼ100%重なっているので、オンとオフという概念を持つ必要もないし、「ワークライフバランス」なんてどうでもよいキャッチコピーのように聞こえるであろう。
会社と社員との関係
自分がやりたいことをやって、結果も全て自分の人生の一部になり、会社が大きくなれば、さらにやりたいことが好きなだけできるようになる。しかし、社員はそうはいかない。自分の人生の有限な時間を使って、会社のために働き、仕事の成果に見合う給与を貰うだけの人も多くいるであろう。
しかし、社員として自分の時間を切り売りしながら、対価としてお金を貰うことだけが目的であろうか?会社と社員がこのような関係であれば、社員自らがより創造的な仕事に取り組み、会社からの期待以上の成果を出すことや、自分の業務以外の領域に関わり貢献すること、後輩などに指導して育成するという意思も芽生えないであろう。
そうなると、会社にとっては、せっかく社員として働いて貰いながらも、本人の能力を活用できないことにより、もっと大きな成果を得る機会を失っているとも言える。このように考えていくと、会社と社員はもっとお互いの「役割と目的」を明確にした関係になり、それぞれの目的を達成するためにお互いが努力するような関係が望ましいとも思える。
「マズローの欲求5段階説」では、人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」と定義している。まず、仕事を通じて単に「お金が欲しい」という欲求は、「生理的欲求」もしくは「安全の欲求」となり、下層の欲求となる。
もちろん、仕事の目的は「お金」ということもあるであろうが、これは社会人として成長して、給与を含めて様々なことが満たされていくと、より上層の欲求を求めていくことになる。
仕事の目的と自己実現の欲求
マズローの欲求では、最上層の欲求は「自己実現の欲求」となる。これは、「自分が満足できる自分になりたいという欲求」であり、自分の人生観や価値観に基づいて「自分らしく生きたい」という欲求とのことである。
このように考えていくと、「仕事の目的」に対して「自己実現の欲求」はニアリーイコールのような気がしてくる。しかし、もっと色々考えていくと、マズローのような明確な理論はないが、「仕事の目的は、自分自身の人生の幸せを実現するため」と私は定義し始めている。「幸せ」とは、美味しいご飯を食べて「幸せ」と感じる瞬間もあるし、家族と公園でのんびり過ごしている瞬間に「幸せだな」と感じることもある。しかし、「人生の幸せ」となると、自分自身が老後になって、自分の意思で思うように動けなくなった時に、「私の人生は幸せだった」と言えることだと思う。
多くの社会人にとって、結局はほとんどの時間は仕事の時間となる。22歳から65歳までの43年間以上は、否応もなしに働くことでしか、家族を養うこともできなければ、老後の蓄えもできない。結局ほとんどの時間を仕事に費やすのであれば、仕事を通じて自らを成長させ、早いタイミングで自らの人生設計を描き、そしてその人生設計を実現することで、老後になった後に、「やりたいことは全てやった」、「自分の人生に悔いはなかった」と言えるであろう。
「仕事の目的は、自分自身の人生の幸せを実現するため」ということであれば、会社の役割は、会社として永続的に成長し続けながら、成長している会社の環境の中で、社員一人一人が仕事を通じて成長し、その成長した力を「自らの人生」に活用することを支援することが会社の役割だと思う。
すなわち、社会の中で大谷翔平のように自らの人生設計を描いている人はほとんどいないと思うが、会社の事業計画書と同じように人生の設計図を描く支援、年間予算を達成するための努力と実現する力を、自らの人生設計を実現するための力にすることなどである。
会社と社員がお互いの役割と目的を明確にして、共に成長していく。結果として、社員一人一人が人生の幸せを掴んでいく。こんな会社であれば、私の人生にとっても悔いはない。
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【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹
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株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。
【運営会社】
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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。