「外壁塗装の色選び」提案を成功させるための4つの注意点
塗装店の営業の方は外壁塗装の提案を行う上で、完工した後に「思っていた色や艶感と違う。」などの理由で施主様とトラブルにつながった経験はありませんか?
外壁の色は、確認する環境によっては、色味や艶感が違った見え方になり、満足度を下げてしまう場合があります。
この記事では、現場で特に注意していただきたい色選びのポイントをまとめてご紹介します。
面積効果を考慮する
色を確認する際にまず押さえていただきたいのは、「色の面積効果」です。
色の面積効果とは、色の面積が大きくなると、「薄い色は、より薄く」、「鮮やかな色は、より鮮やかに」、「暗い色は、より暗く」見える現象のことです。以下イメージ写真をご覧ください。
このように面積次第で色の印象が変わってきます。小さなサンプルやカタログを見て塗料の色を選んだ場合、実際に外壁に塗装してみるとイメージしていた色と違ってしまう可能性があります。
色選びの際には、可能であれば、「A4サイズの色見本」を用意することをお勧めします。
必ず屋外で確認する
次に色を確認する条件についてご紹介します。色を確認する際は、必ず、室内でなく、屋外で確認を行ってください。光源が変わると、色の見え方が異なります。
こちらは、「太陽光の下」「蛍光灯の下」で撮影した写真です。
■太陽光の下
■蛍光灯の下
わずかに色が違って見えることがわかりますでしょうか?それぞれの写真を重ねてみると一目瞭然です。
蛍光灯と太陽光では、光に含まれている波長の領域が異なるため、 このように見え方が異なってきます。さらに、天候(晴・曇り)、時間帯(朝・昼・夕方)によっても色味の見え方は、異なってきます。
曇りの日:全体的に暗く見える傾向がある
晴れの日:全体的に明るく見える傾向がある
夕方:夕日の影響で赤っぽく見える傾向がある
天候や確認する時間帯を考慮して、屋外で色決めを行う事をおすすめします。
またアステックペイントには「カラープランニング・光源チェッカー」という簡易的に色の確認条件を判断できるカードがあります。
これは、下の写真のように、検査紙のA面 B面の色味がほぼ同一に見える環境であれば、色選びの環境に適切、逆に色味が違って見える場合は、色選びの環境には不適切という事がわかります。こちらもぜひご検討ください。
光沢の度合(艶有・3分艶・艶消)を確認する
光沢の度合によっても見え方が異なってきます。
艶消、3分艶は、光沢が抑えた落ち着いた仕上がりに、艶有は、光沢感がある仕上がりになります。 こちらが同じ色の「艶有」「3分艶」「艶消」を塗装した比較写真です。
このように同じ色でも下地の凹凸の度合や艶の違いにより、印象が変わってきますので、施主様の要望を考慮し、艶感を選定されることをおすすめします。
パソコンの画面で判断しない
パソコンやスマートフォンで「カラーシミュレーション」が行われることも多いですが、シミュレーションで見た色は参考程度にされることをお勧めします。
塗料の色と、画面に表示される色はまったく同じ色ではありません。
この写真は同じ色を違うディスプレイ表示したものです。 このようにご利用になる機種や、ディスプレイ(画面)の色・明るさ設定などによっても、見え方は異なってきます。
まとめ
色の確認は、「できる限り大きい面積で、艶感を考慮し、屋外で確認する」ことが色のイメージ違いのトラブル防止につながります。それでも色が決まらない場合、1㎡以上の広い範囲に試し塗りを行い、晴天・曇天の日のどちらの状態も確認することも有効です。
今回は、現場でできる色選びのポイントをご紹介しました。色選びの工程は塗装工事の満足度向上にも大きくつながる重要な工程です。
「事前のイメージと実際の仕上がりのイメージが違う」といった失敗事例をなくすためにも、適切なサンプルお見せしながら色選びを進めることが不可欠になりますので、ぜひ今回の記事をご参考にしながら、施主様への色提案を行ってみてはいかがでしょうか?
色選びに役立つ記事は下記もご覧ください。
関連記事【記事監修】株式会社アステックペイント 谷口智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。
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