ダイワハウス製外壁材へ塗装を推奨するアステックペイント下塗材を紹介
最近では、難付着性を持つ塗料(フッ素、無機、光触媒系)の塗装が一般的になってきています。これらの塗り替えを行う際に必要な専用の下塗り材の選定や施工の仕様など、専門性が要求されることが増えております。また施主様たちは施工仕様書やカタログを保管しており、建材メーカー特有の施工仕様について加盟店様からたくさんのご質問を頂いています。
しかし、建材メーカーの総合カタログは数百ページもの大量の情報が掲載されており、さらに毎年改訂が行われるため、必要な情報を探し出すことは時間と手間がかかる作業となります。
そこで今回の記事では、大和ハウス工業株式会社が手掛けるさまざまな塗装材に対応する、アステックペイントが推奨する施工仕様と注意点についてご紹介します。
目次
大和ハウス工業株式会社とは
大和ハウス工業株式会社は1955年に創業した企業であり、主に戸建て住宅の新築建設を手掛けながら、賃貸住宅や分譲マンション、商業施設の建設事業などさまざまな領域で活動しています。住宅事業では「xevo」シリーズや「skye(スカイエ)」など、多種多様な商品ラインナップを展開しています。
コーティング材ごとの特徴
2024年1月現在で発売されている大和ハウス工業株式会社のコーティング材の特徴をご紹介します。
①KIRARI+(きらりプラス)
KIRARI+(きらりプラス) | |
コーティング表層 | 光触媒 |
特長 | 高い分子間結合力と光触媒により、紫外線と汚れへの強さを発揮。 |
使用されている住宅デザイン/建材 | ・xevoΣ 「ベルサイクス・DXウォール」 ・skye3 「深彫外壁 ベルサイクス」 ・skye3 「DXウォール」 |
②XEコートM・XEコートF(ジーコート)
XEコートM・XEコートF (ジーコート) | |
コーティング表層 | XEコートM:無機系塗膜 XEコートF:フッ素系塗膜 |
特長 | 分子間の結合エネルギーが紫外線エネルギーよりも大きいため、紫外線があたっても結合が切れない。 |
使用されている住宅デザイン/建材 | ・xevoΣ ・xevo K-欅aoba- (東北地区内商品) |
③XEコートMⅡ(ジーコートMⅡ)
XEコートMⅡ(ジーコートMⅡ) | |
コーティング表層 | 無機系塗膜 |
特長 | 分子間の結合エネルギーが紫外線エネルギーよりも大きいため、紫外線があたっても結合が切れない。 |
使用されている住宅デザイン/建材 | ・skye 「NXウォール」 |
④フッ素コート
フッ素コート) | |
コーティング表層 | フッ素系 |
特長 | 高い耐候性を発揮。 |
使用されている住宅デザイン/建材 | ・xevo GranWood |
コーティング材別の推奨仕様一覧表
コーティング材名 | コーティング表層 | 推奨下塗材 ※ ( )内は色指定の有無を記載 | クリヤー仕様 |
KIRARI+ (きらりプラス) | 光触媒 | プレミアムSSシーラープライマー(白・グレー) エポプレミアムシーラープライマーJY(白) | 不可 |
XEコートM XEコートF (ジーコート) | XEコートM:無機系塗膜 XEコートF:フッ素系塗膜 | プレミアムSSシーラープライマー(指定なし) エポプレミアムシーラープライマーJY(指定なし) | スーパーSDクリヤーF-JYのみ |
XEコートMⅡ(ジーコート) | 無機系塗膜 | プレミアムSSシーラープライマー(指定なし) エポプレミアムシーラープライマーJY(指定なし) | スーパーSDクリヤーF-JYのみ |
フッ素コート | フッ素系 | プレミアムSSシーラープライマー(指定なし) エポプレミアムシーラープライマーJY(指定なし) | スーパーSDクリヤーF-JYのみ |
アステックペイント推奨下塗材の紹介と注意事項
アステックペイント推奨下塗材
アステックペイントが製造・販売する下塗り塗料の中で、難付着系塗膜(フッ素・無機・光触媒)に適応する下塗材は、下記2種類です。
■水性下塗材 :プレミアムSSシーラープライマー(透明・白・グレー)
「プレミアムSSシーラープライマー」は、近年増加しているフッ素・光触媒・無機系など「難付着系塗膜」の外壁の塗り替えも可能な二液型水性下塗材。
また、難付着系塗膜だけでなく、一般的な塗膜への付着性にも優れており「どんな既存塗膜なのか判別できない」という外壁にも安心して施工していただける下塗塗料です。
詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事■弱溶剤下塗材:エポプレミアムシーラープライマーJY(透明・白)
「エポプレミアムシーラープライマーJY」は、難付着系塗膜への塗り替え可能な、「付着性に優れた二液型弱溶剤下塗材」です。
詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事光触媒塗膜を塗装するうえでの注意事項
光触媒塗膜に一般的な下塗材を塗布した場合、「無機系塗膜のため付着性が著しく悪い・光触媒反応による下塗材の分解」が懸念されるため、数年後には塗膜剥離を引き起こす可能性が高くなります。
▼光触媒塗膜への塗装後に発生する塗膜剥離メカニズム
そのため、「光触媒塗膜に付着する(難付着系対応の)下塗材での塗装」と「紫外線を遮断するための色の選定」が重要となります。
※ダイワハウス製品では「KIRARI+(きらりプラス)」がコーティングされている建材が該当します。
▼光触媒塗膜への付着性実験
アステックペイントでは、光触媒下地を塗り替える場合、「プレミアムSSシーラープライマー(白・グレー)」「エポプレミアムシーラープライマーJY(白)」のみ塗装可能と設定しています。
理由として、プレミアムSSシーラープライマーおよびエポプレミアムシーラープライマーJYの透明を光触媒下地へ塗装した場合、早期の塗膜剥離が懸念されるためです。
実際に、光触媒を塗装した試験体の上にプレミアムSSシーラープライマー(透明および白)を塗装し、1年間屋外暴露させた後、付着性試験(セロテープ碁盤目試験)を実施しました。
〇透明:テープを貼った箇所は全体的に剥離
〇白 :剥離なし
この試験から分かるように、光触媒塗膜の塗装は無機系塗膜への「良好な付着性」だけでなく、「紫外線を遮断できる」下塗材の選定が必要となります。
「色付きの上塗材で塗りつぶせば専用下塗材の色まで気にする必要はなく、紫外線の影響は受けないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、色付き塗膜でも紫外線が透過する場合があり、光触媒塗膜表面でラジカルが発生してしまい、その結果、光触媒塗膜と接触している下塗材の樹脂が分解されてしまい、塗膜剥離に至ります。
まとめ
ダイワハウス工業株式会社で使用されているコーティング材の説明と塗り替える場合の下塗材選定についてご紹介しました。外壁材の見た目だけでは、難付着系塗膜かどうかの判別が困難です。光触媒塗膜の可能性がある場合は、専用下塗材を施工することで塗膜剥離のリスクを抑えることができます。
ぜひご使用をご検討ください。本記事が営業活動の参考になれば幸いです。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。