塗装工事に欠かせない「ケレン」とは?種類から注意点まで徹底解説
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ケレンとは、塗装工事において塗料の密着性を高めるための「下地処理作業」です。適切なケレンを行うことが、塗装の仕上がりと耐久性を左右します。この記事では、ケレンの基礎から現場での実践方法まで解説します。
この記事でわかること
✅ケレンの目的と、実施しない場合に起こるリスク
✅1種〜4種ケレンの違いと、下地状態に応じた選び方
✅戸建住宅・金属屋根それぞれの部位別ケレンの実施方法と注意点
目次
ケレンとは?塗装工事における役割を正しく理解しよう

ケレンとは、下地調整や塗料の付着性向上を目的とした塗装前の下地処理の作業のことです。
錆や旧塗膜の除去、下地表面の粗面化(目荒らし)を行い、塗料の付着性を高めることを目的としています。
ケレンは英語の「クリーン(clean)」が語源とも言われ、塗装の品質を根本から支える重要工程です。
◯目的:塗装前の下地の状態を整える
塗装前の下地には、錆や塗膜剥離が確認される場合があります。その状態で塗装を行うと、下地と下塗材の付着が妨げられ、塗り替え塗膜が早期に剥離する可能性があります。また、金属下地では剥離した塗膜から水分が浸入し、錆がさらに進行する恐れもあります。
◯目的:塗料の付着性を向上させる
ツルツルとした下地に塗装を行った場合と比較し、ケレンを行いザラザラとした下地に塗装を行う場合は下地と塗料の付着性が高まります。ケレンにより下地表面に細かい傷(凹凸)をつけることで、物理的に表面積が大きくなるためです。
このように、ケレン作業は下地と下塗材の付着を良好にし、塗り替え後の建物の状態を長期間維持するために必要不可欠な下地処理とされています。
なぜケレンで塗料の付着性が高まるのか?
表面がツルツルした下地に塗料を塗ると、付着力が低下します。
ケレンによって下地表面に細かい凹凸(アンカーパターン)をつけることで、物理的な表面積が増加し、塗料が絡みつきやすくなります。
ケレンの種類は4つ|1種〜4種の違いと選び方
ケレンは1種ケレンから4種ケレンの4つに分類されます。塗装をする下地の状態に応じてケレンの種別を選定し、実施する必要があります。
この章では、ケレン種別ごとの処理方法や、実施箇所別(金属折板屋根および戸建住宅)に適切なケレンについてご紹介します。
ケレン種別ごとの処理方法
まず初めに、ケレンの各種別についてご紹介します。以下の表に、ケレンの4つの種別をまとめました。
| ケレン種別 | ケレン前の下地の状態 | ケレン後の処理面の状態 | 処理方法 |
| 1種ケレン | ‐ | 錆や旧塗膜を完全に取り除き、鉄鋼面が現れている。 | ブラスト処理を行う。 (粒子状の研磨剤を噴射することで、塗膜表面を削る処理方法のこと。) |
| 2種ケレン | ・発錆面積が30%以上 ・点錆が進行し、板状や こぶ状になっている | 発錆が激しい箇所で、錆や旧塗膜を除去し鉄鋼面が現れている。 | 主に電動工具を使用し、手工具も併用する。 |
| 3種ケレン | ・発錆面積が30%未満 ・点錆が点在している | 部分的な発錆面で、活膜以外を除去し鉄鋼面が現れている。 | 電動工具や手工具を併用する。 |
| 4種ケレン | ・発錆はなく、割れや塗膜の膨れ、剥離などが一部に確認できる | 変退色した旧塗膜や汚染物を除去している。 (鉄鋼面などは露出していない。) | 主にワイヤーブラシなどの手工具を使用する。 |
ケレン種別ごとの処理方法は、1種ケレンから4種ケレンまで分類され、下地の劣化状態に応じて異なります。ケレン前の下地状態(発錆面積や既存塗膜の状態)に基づき、どのケレン種別で下地調整や処理を行うか選定してください。
金属折板屋根で主に実施されるケレンについて
工場や倉庫などで使用されている金属折板屋根では、「2種~4種」のケレンが実施されることが多くあります。
2種ケレン
2種ケレンは、発錆面積が30%以上の場合に適用されます。


ディスクサンダーにサンドペーパーやカップワイヤーブラシなどを使用して錆を除去します。

3種ケレン
3種ケレンは、発錆面積が30%未満の場合に適用されます。


ディスクサンダーに加え、ワイヤーブラシやマジックロンなどを併用して錆を除去します。

4種ケレン
4種ケレンは、塗膜異常面積が5%以下の場合に適用されます。発錆や塗膜の剥離などがほとんど発生していない状態です。



金属下地は錆が発生する可能性があるため、発錆面積に応じてケレンの種別を選定してください。
戸建住宅で実施されるケレンについて

次に、戸建住宅で実施されるケレンについて、各部位ごとにご紹介します。
◯外壁面・屋根面
戸建住宅の外壁面や屋根面では、サンドペーパーやマジックロンなどの手工具を使用する「4種ケレン」が実施されることが多いです。戸建住宅における4種ケレンは「目粗し」とも呼ばれます。金属を使用している建材がない場合や、剥離している旧塗膜がない場合などは、ケレンを実施しない場合もあります。
◯木部(破風、鼻隠し、幕板、ウッドデッキなど)
表面の汚れや木のささくれ、剥離した塗膜を除去します。木部への塗装は耐用年数が短く、3~5年程度です。
旧塗膜が残っている場合、塗料の浮きや艶ムラ、耐久性の低下などが生じる可能性があります。
◯金属部(シャッター、シャッターボックスなど)
錆が発生している場合、マジックロンやサンドペーパーなどを使用して除去してください。
浮き錆(手で触ると簡単に剥がれる錆)がある状態で塗装を行うと、旧塗膜や錆とともに、新しい塗膜も剥離する可能性があります。
◯塩ビ部(雨樋、その他)
雨樋などの硬質塩ビの部材は表面がツルツルしているため、塗料が付着しにくいです。そこで、目荒らしをして表面に小さな凹凸をつけることで、塗料が付着しやすくなります。
ディスクサンダーを使用したケレンの注意点
特にディスクサンダーは、高速で回転することで下地を削ります。削った下地の粉塵が作業者や周辺に飛散する可能性があるため注意が必要です。
【作業者の保護】
回転する砥石で怪我をしたり、飛散した粉塵が目に入ったりする可能性があります。
そのため、ディスクサンダーを使用する際には、以下の対策を実施してください。
・ヘルメットや防じんマスク、長袖の作業着などを着用する
・ディスクサンダーに安全カバーをつける
また、作業者の安全意識を向上させるため、「研削といしの取替え等の業務に係る特別教育」の受講や厚生労働省が配布している資料の確認を推奨します。
出典:厚生労働省 「安全衛生のポイント 研削といし(ディスクグラインダ)」
※注意事項(周辺環境への影響)
ケレンした際に出た鉄粉が別の金属面に触れると、「もらい錆」が発生する場合があります。
もらい錆は簡単に除去できることもありますが、鉄粉が付着した状態で錆が進行してしまうと取り除くことが難しくなります。過去に、電動工具で手摺をケレンした際に飛散した鉄粉が、周辺の自動車に付着して「もらい錆」が発生したケースもあります。
特に、近隣住宅や自動車が近い戸建住宅で電動工具を用いたケレンを実施する場合は注意が必要です。
対策ポイント
| 対象 | 対策 |
|---|---|
| 近隣住宅・自動車 | 養生シートで鉄粉の飛散を防ぐ |
| 周辺の金属部材 | 事前に養生テープや布で覆う |
| 施工後の確認 | 鉄粉の付着がないか必ず確認する |
まとめ:ケレン作業後の下塗り塗料選びもアステックペイントにお任せください
ケレン作業は塗装工事において非常に重要な工程です。下地と下塗材との付着を良好にし、塗り替え後の建物の状態を長期間維持するために、ケレン作業は必要不可欠です。
適切なケレンを行っても、その後に使用する下塗り塗料の選定が仕上がりを大きく左右します。
アステックペイントでは、ケレン後の下地状態に応じた最適な下塗り製品を豊富にラインナップしています。ぜひ現場での「ケレン判断に迷う」「適切な製品を選びたい」という場合は、アステックペイントの専門スタッフへお気軽にご相談ください。
アステックペイントの強み
①金属下地向けの防錆性能に優れた下塗り材
②旧塗膜への密着性を高めた浸透型シーラー
③現場課題に応じて専門スタッフが個別に提案・サポート
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。








