外壁が汚れてしまう「雨筋汚染」を徹底解説


建物の外壁や手摺壁に雨筋汚染を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
今回は、美観を損ねてしまう雨筋汚染の発生する原因とメカニズム、対策(低汚染塗料)をご紹介します。雨筋汚染について、気になられている方はご一読いただけますと幸いです。
雨筋汚染とは
雨筋汚染とは、汚れ(土埃、排気ガスのススなど)が建物のアルミサッシなどに堆積し、 降雨によって汚水が塗膜表面を黒く縦の筋状に汚染する現象を指します。


雨筋汚染の発生する理由と発生メカニズム
一般的に、雨筋汚染の理由は、汚染物質が堆積する面があり水切りがない形状の箇所に発生しやすくなります。以下のような条件下では、特に発生しやすい傾向があります。
〇発生しやすい条件について
・窓サッシや笠木などに水切り部材がない、または、水切り部材が機能していない※1。
・周辺に畑やグラウンドがあり、建物が汚染物質(土埃、排気ガスなど)の飛来しやすい環境に立地している。
・建物の構造上の都合、雨が直接あたるもしくは外勾配により、雨水が伝いやすいなどの環境下である。
※1:水切り部材が機能していない状態とは
水切りとは、雨水による壁の汚染や、建物内部への水の浸入を防ぐために取り付けられる部材のこと。建物の外壁と基礎の間にある隙間や、窓枠の下、下屋根と外壁との取り合い部分に取り付けられます。
機能している場合は、以下左のイラスト(水切り部材がある・機能している場合)のように、雨筋汚染が発生しませんが、機能していない場合は、汚水が壁面を伝い、乾燥後に雨筋汚染が発生していまいます。

また、雨筋汚染は①~④の流れで発生します。
【発生メカニズム】
①手すり壁や腰壁の天端、斜壁など水平に近い面に汚染物質(埃など)が堆積する。
②降雨が積もった汚染物質とともに低い方向に向かって汚水として流れ、水が伝う道ができる。
③雨が上がり、乾燥すると汚水が溜まる箇所では、汚染物質が集まり堆積する。
④再び①から③を繰り返し、水が伝う道も徐々に汚染物質が堆積し雨筋汚染となる。

雨筋汚染対策の低汚染塗料について
雨筋汚染を発生させにくくするための対策として、「低汚染塗料」がございます。「低汚染」を謳う塗料の多くは、優れた親水性によって、外壁への汚れの付着を抑制できる塗料となっており、建物の美観を長期間維持できることから人気があります。
ただし、低汚染塗料を施工していても雨筋汚染が発生する場合があります。「汚れが溜まる量(蓄積量)」が「汚れを洗い流せる量(親水性)」を上回ることがあれば、低汚染塗料であっても雨筋汚染を防ぐことができません。上記のような状況になりやすい条件として、下記5点が挙げられます。
①汚れが溜まる面がある(斜面・笠木面など)
②水切りがない、または水切りが機能していない(窓サッシ周辺、手摺壁など)
③汚れが浮遊しやすい周辺環境の影響(幹線道路沿い・河川沿いなど)
④下地の凹凸が激しい
⑤雨水が当たりにくい

これらの条件が複合的に重なった場合、低汚染性が優れた塗料であっても、雨筋汚染が発生する可能性があります。そのため、雨筋汚染の根本的な改善には、水切りの設置などの補修工事をご検討ください。
また、低汚染性を持つ塗料で発生した雨筋汚染は水拭きによって除去することができます。
【水拭きの方法】
①汚染発生箇所に水を流す。
②柔らかいウェスやスポンジなどで汚れを拭き取る。
※一般的な塗膜の場合、雨筋汚染は、洗浄剤などを使用しても完全に除去することはできません。

※水拭きの際に、ブラシや乾燥したウェスで力を入れて拭くと塗膜に傷がつくため、汚れが取れにくく
なってしまいます。そのため、柔らかいウェスやスポンジの使用をお願い致します。
まとめ
今回は、雨筋汚染の発生する原因とメカニズム、対策(低汚染塗料)をご紹介しました。美観を損ねてしまう雨筋汚染が気になる方は、是非この記事をご参考にしていただき、低汚染塗料の塗り替えを検討していただけますと幸いです。
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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。