塗装のチョーキングとは?他の劣化症状との違いから適切な対策を徹底解説

現場の研究 2025.10.08
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住宅の外壁を保護している塗膜は、時間の経過とともに、ゆっくりと劣化が進んでいきます。

こうした塗膜の劣化状況を気にされている施主様もおられ、現場調査の際には、施主様から「外壁に白い粉がつく」「家が古びて見える」といったご相談を受けることも多いのではないでしょうか?

本記事では、塗膜の代表的な劣化現象である「チョーキング(白亜化)」「色褪せ」「光沢低下」「変退色」について、その特徴・原因・見分け方・適切な対策を解説します。

様々な塗装の劣化症状の特徴と見分け方

①チョーキングとは?(白亜化)

塗膜が紫外線などの劣化因子の影響を受け、表面の樹脂成分が徐々に分解されることで、樹脂成分と含まれていた顔料が表面で粉状になる現象です。

※チョーキングとは

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チョーキングは、塗膜やプラスチック製品などが熱・水・紫外線などの劣化因子の影響を受け、表面の樹脂が徐々に分解されることで、樹脂と含
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現場でのチェックポイント: 外壁を軽く擦り、指に同じ色の粉が付着するかどうかを確認してください。(初期段階では目視で分かりにくい場合があります。)

②色褪せ・変退色とは

色褪せとは、エナメル塗膜(着色された塗膜)の樹脂成分(透明な層)が熱・水・紫外線によって劣化し分解されることで、白っぽくボケて見えるようになる現象です。こちらは、顔料の劣化ではないため、色はそのままで、鮮やかさが失われていきます。

※色褪せとは

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エナメル塗膜(着色された塗膜)の樹脂成分(透明な層)が熱・水・紫外線によって劣化し分解されることで、白くボケて見えるようになる現象
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現場でのチェックポイント:日光が当たりにくい部位(軒下など)と直射日光が当たる部位を比較し、色味の差やくすみを確認します。

③光沢低下とは

塗膜が屋外にさらされることで、紫外線・水(雨)・熱などの劣化因子によって塗膜表面の樹脂が分解され、緻密性が失われて艶が低下する現象です。

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「艶引け」の同義語。 塗膜が屋外暴露されている状態において、紫外線・水(雨)・熱などの劣化因子によって塗膜表面の樹脂が分解し、緻密
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現場でのチェックポイント:日中の自然光下で、塗膜の反射を斜めから観察してみてください。艶有りの塗料にもかかわらずマットに見える場合は光沢低下が進行している可能性があります。

劣化がもたらす影響

ここまでご紹介したチョーキングや色褪せ、光沢低下、変退色といった症状は、あくまで塗膜の「初期段階の劣化サイン」です。
これらの症状が現れたからといって、直ちに塗膜の保護機能が完全に失われるわけではありません。しかし、これらの大切なサインを見過ごし、適切な対策をせずに放置してしまうと、やがて建物の見た目だけでなく、その重要な保護機能にも深刻な影響を及ぼすことになります。

①見た目への影響、美観・印象の低下

 色褪せ・変退色や光沢低下は、建物の美観を損ない、古びた印象を与えてしまいます。チョーキングは、触ると手が汚れるだけでなく、建物の外観全体に白っぽくくすんだ印象を与えてしまうでしょう。

②機能面の劣化

塗膜には、建物を雨水や紫外線から守る重要な役割があります。色褪せは、紫外線などにより塗膜表面の樹脂や顔料が劣化することで発生する現象です。この色褪せの進行とともに、光沢低下やチョーキング(白亜化)が現れ始めます。

これらの劣化がさらに進行すると、防水性や耐久性が低下していきます。その結果、再塗装が必要になる時期が早まり、長期的なトータルのメンテナンスコストは増加しやすくなります。
さらに、塗膜劣化が著しく進行すると、雨水浸入などにより下地の腐食や不具合が生じ、大規模な補修や高額な費用が必要になる恐れもあります。

対策とメンテナンスのポイント

①現場での確認

現場を確認し、チョーキング、色褪せ・光沢低下、変退色などの劣化症状が顕著に複数発生している場合は、塗り替えをご検討いただく時期と言えるでしょう。

高耐候性塗料の選択

劣化の原因となる紫外線などに対し、より強力な抵抗力を持つ高耐候性塗料を選択することが重要です。例えば、アステックペイントの「超低汚染リファイン」シリーズは、優れた遮熱性と超低汚染性を持ち、長期にわたる美観・保護機能の維持に貢献します。

早期発見と定期的なメンテナンスの重要性

塗装の劣化は、初期段階で発見し対処することで、大規模な補修や高額な費用を抑えることに繋がります。定期的な点検や、少しでも異変を感じた際の早期診断は、お客様の建物の寿命を延ばすだけでなく、結果的にお客様との信頼関係の構築に繋がることも期待できます。
お客様に「早めの点検で、劣化にいち早く気づき、結果として軽微な補修で済む可能性がある」ことや、「定期的なケアこそが建物の資産価値を守る」という点を丁寧にお伝えすることで、安心してメンテナンスをお任せいただける関係を築くことができます。

まとめ

塗膜のチョーキング、色褪せ、光沢低下、変退色は、経年で必ず生じる代表的な劣化現象であり、多くの場合、建物のメンテナンス時期を教えてくれる大切な初期サインと言えます。

これらの劣化サインを正しく理解し、焦ることなく、しかし放置することなく適切なタイミングでご対応いただくことで、建物の美観と機能を長く維持していくことが可能になります。

現場での劣化症状の診断は、お客様への的確なアドバイスと提案に直結します。ぜひこの記事で得た知識を日々の業務にお役立ていただき、お客様からの信頼獲得や塗装工事の品質向上にお役立ていただければ幸いです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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