経営者が「捨てる勇気」を!塗料のロスを意識させる工夫をご紹介(美倉庫プロジェクトvol.3)

現場の研究 外壁塗装安全対策 2022.11.18 (最終更新日:2024.01.16)
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AP ONLINEでは、塗料倉庫の整理整頓、在庫削減に取り組まれている全国の加盟店様に訪問インタビューを実施し、整理整頓の工夫についてご紹介する「美倉庫プロジェクト」を連載しています。

第3回目となる今回は、九州エリアの塗装会社様の美倉庫をご紹介します。
塗装会社様の塗料倉庫の管理品質向上、塗料の廃棄量削減のために、ぜひご参考にされてください。

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倉庫概要

基本情報

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概要詳細内容
倉庫のサイズ面積:200㎡
高さ:4m(2階建て)
在庫数約40缶
在庫金額70万円
事務所からの距離事務所1階(左側半分)のため 徒歩0分
工事比率ゼネコン:70%
元請け:30%
※住宅施工の比率は低め

これまでの取り組み

在庫を増やさない工夫

・代表が「捨てる勇気」を持つことが最も重要。
・材料単価が上がっても小缶(4kgが多い)で注文して、材料が余らないようにする。

・在庫の色数が増えないよう、種ペンを使用して自社で調色を行う。

倉庫整理の工夫点

整理方法

単管+鋼製足場板で3段の棚を設置
材料別に保管場所を指定

整頓ルール

一番上の棚:使用頻度が少ない塗料
一番下の棚:すぐに使う塗料
一番下の棚に置く塗料は、可能限り台車に乗せることで、すぐに運べるように工夫されています。

塗料の使用期限を切って処分をしているため在庫量が少なく、管理が行き届いています。
床に材料を置かないようにすることで、綺麗な状態が保たれています。

ローラー、刷毛などの副資材、ケレン用品、シーリング材ほか、新品と使用中(中古品)を分けて所定の場所で保管しています。
項目ごとに分け、カゴや引き出しを活用して整理されています。

倉庫整理の頻度棚卸しの頻度
毎日実施
(日頃から片付る習慣づけ)
1回/年
(1月の決算時に実施)
4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)
コロナ以前:1回/月 会議を実施
現在:月数回 社長の気づきや注意喚起をまとめ、社内グループLINEで配信

保管ルール

基本の材料保管

使用期限(開封済み)使用期限(未開封)持ち出し / 戻しのルール
水性:1ヶ月 / 溶剤:1ヶ月水性:6ヶ月 / 溶剤:1年特になし

3~6ヶ月の期間、補修用として別の置き場(屋根・壁あり)に保管
保管期間の終了後に廃棄

保管状況

在庫塗料の種別温度管理
ゼネコン工事・公共工事の材料を除いて
基本は開封済みで使用期限が過ぎたものは毎月処分
冬場に倉庫が氷点下になる場合は
必要に応じて暖房を入れる

危険物の取り扱い

危険物倉庫溶剤塗料の保管数量
なし社長が危険物取扱者乙4類の資格を所持
適正在庫量以上を持たない方針で管理

産廃処理

廃棄費用廃棄頻度廃棄方法
ドラム缶(運搬費込)
約20,000円/缶
1回/2~3ヵ月
(売上・使用材料で可変)
ドラム缶1本が溜まったら
産廃業者に依頼し廃棄

☑ドラム缶での処理廃油は水性・溶剤不問
☑空缶は乾燥させて機械で潰し、バッカンに廃棄
 バッカンが(金属用×1、廃プラ用の燃えるゴミ×1)溜まったら産廃業者が回収

塗料のロスを意識させる工夫

材料を「使う」、「捨てる」を同じ職人が一貫して行っている。

「注文量は適切か」、「現場で使い切ることができるか」など、職人自身に考えさせることで材料を無駄にしない意識を持たせているそうです。

在庫管理方法

管理者の指名在庫管理ツール
あり / 取締役 工事部長なし  
※在庫数が少ないため不要

まとめ

今回は美倉庫プロジェクト第3弾の事例レポートをお届けしました。

これからもAP ONLINEでは定期的に倉庫環境の整備を行われたことで、業務効率化に成功された塗装会社様の事例をご紹介します。

「塗料の不良在庫がたくさんあり悩んでいる」「高額な産廃処理費が課題である」という会社様はぜひ記事をご参考にしていただければと思います。

第1回目、第2回目のレポートはこちらをご覧ください。

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記事監修】株式会社アステックペイント 谷口智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」塗装品質の向上のための施工指導を行う「フィールドエンジニア部」を統括する責任者として、高付加価値塗料の研究・開発、塗装現場の品質管理のための活動を行っている。

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運営会社】株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。

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