浸透タイプの木材用保護塗料「ウッドシールドPRO アクア浸透」とは


「木材をしっかり保護するために塗装したいが、木目の風合いは残したい…」と、お考えになられた経験がある方は多いのではないでしょうか。そのような方々にオススメする木材保護塗料が「ウッドシールドPRO アクア浸透」です。
木材保護塗料とは、木材に対して耐候性をより長く持たせたい場合に用いられます。その際に着色力や隠蔽性を重視する、もしくは木目を生かしつつ鮮やかに仕上げたい、ムラ無く仕上げたいといった要望に応じて使い分けられます。当社では2025年5月から、より耐候性を向上させた木材保護塗料「ウッドシールドPROシリーズ (水性形2製品、溶剤形1製品)と専用下塗材1製品をラインナップいたしました。
ウッドシールドPRO アクア浸透は水性形浸透タイプに区分されます。今回はそんなウッドシールドPRO アクア浸透の特徴についてご紹介させていただきます。
目次
ウッドシールドPRO アクア浸透とは
ウッドシールドPROアクア浸透は、屋外の木部に使用可能な水性系一液木部用浸透上塗材です。

工程 | 上塗 |
塗料系統 | 水性 |
荷姿 | 16 ℓ、3 ℓ |
希釈 | – |
塗布量 | 0.10~0.14 kg/m2 |
塗回数 | 2回 |
工程間 | 工程内:3時間以上 最終養生:24時間以上 |
塗装法 | ローラー、刷毛 |
浸透タイプイメージ図
木部に有効成分が浸透して効果を発揮します。塗膜を形成しないため、割れや剥がれがおきにくいです。

浸透タイプ仕上りイメージ写真

浸透タイプは半造膜タイプと比較して、木目の風合いを活かした自然な仕上がりを実現することができます。
ウッドシールドPRO アクア浸透の性能紹介
機能紹介①耐候性
塗膜が耐候性を有することで色褪せや変形、ひび割れといった劣化の進行を遅らせ、メンテナンスや再施工のコストを抑えることができます。実際に促進耐候性試験を行った結果を以下に示しています。

(左:本製品、右:他社製品)
本製品を塗装した木材では表面のひび割れをはじめとした劣化が見られないことから、優れた耐候性を有していることが確認されました。この結果は、以下の成分を配合することで効果を発揮しています。
■セルロースナノファイバー
セルロースナノファイバーを配合することで、繊維を含む層を形成し木材表面を固めつつ、塗膜の劣化要因である紫外線を吸収することで耐候性が向上しています。各素材のイメージ図とその理由については以下の通りとなっています。

セルロースナノファイバーはナノサイズの植物由来繊維状物質であり、繊維を含む層を形成することで木材表面を固めることが可能となっています。
■紫外線吸収剤

独自の紫外線吸収剤を配合することで塗膜の劣化要因である紫外線を吸収し熱に変換、それを放出することで塗膜の劣化を防ぎます。
■無機顔料
顔料に紫外線に対し高い耐性を発揮する無機顔料を採用することで、劣化に強い塗膜が長期間木材を保護します。
機能紹介②防虫・防蟻性
ウッドシールドPROアクア浸透は防虫成分を配合、木材に害をなすヒラタキクイムシやシロアリに対して高い防虫・防蟻効果を発揮します。

(左:本製品を塗装した木材、右:無塗装の木材)
無塗装の木材とウッドシールドPROシリーズを塗装した木材に、イエシロアリ(職蟻 50匹+兵蟻 5匹)を入れ、木材の食害程度について調査しました。結果は無塗装の木材には食害が確認されたのに対し、ウッドシールドPROシリーズを塗装した木材はイエシロアリによる影響がなく、高い防蟻効果が実証されました。
機能紹介③防腐性
ウッドシールドPROアクア浸透は防腐剤も配合、菌の繫殖を抑える効果を発揮します。

(左:本製品を塗装した木材、右:無塗装の木材)
無塗装の木材とウッドシールドPROシリーズを塗装した木材に、菌(オオウズラタケ、カワラタケ)を使用し菌の繁殖程度を調査しました。結果として無塗装の木材は菌が発生したのに対し、ウッドシールドPROシリーズを塗装した木材は菌の繁殖が確認できなかったことから、高い防腐効果が実証されました。
製品データ
本製品は日本建築学会材料規格であるJASS 18 M-307(木材保護塗料に関する規格)にて、「容器の中での状態」「塗装作業性」「乾燥時間」「塗膜の外観」「かび抵抗性」に全て合格しています。
■規格
日本建築学会材料規格 JASS18M-307(木部保護塗料に関する規格)に適合
容器の中での状態 | かき混ぜたとき、堅い塊がなくて一様になるものとする |
塗装作業性 | 塗装作業に支障があってはならない |
乾燥時間(h) | 16以内 |
塗膜の外観 | 塗膜の外観が正常であるものとする。 |
促進耐候性 | 480時間の照射で、ふくれ、割れ、はがれがなく、色の変化の程度が 見本品に比べて大きくないものとする |
かび抵抗性 | 試験体の接種した部分に菌糸の発育が認められないこと |
■色見本
ウォームカラー12色+クールカラー4色の計16色となっております。


■使用可能な木材と下地の種類
木材における注意事項は、以下の通りとなっています。
木材の種類 | 付着可否 |
スギ・ヒノキ・モミ・ナラ・ケヤキ | 可 |
イペ・ジャラ・ウリン・レッドシダー・セランガンバツーレッドウッド*1・マツ*2 | 可能だが 下記の事柄に注意 |
*1:南洋材系堅木などの高密度な硬質材は塗料が浸透しにくいため、早期の剝離が発生する可能性がございます。
*2:ヤニ部分を除去した後に塗装を行ってください。
・耐候性の低下を引き起こす可能性があるので、屋外でカラレス単体での使用は避けてください。
塗装する下地における注意事項は、以下の通りとなっています。
下地の種類 | 付着可否 |
羽目板・破風・下見板・軒天・塀・バーゴラ | 可 |
窓枠・門・扉・木橋・デッキ・ログハウス・ベンチ*1 壁面(室内)・腰板・巾木・天井・柱・梁*2 | 可能だが 下記の事柄に注意 |
*1:塗膜を作らない浸透型の塗料であるため、過度な摩擦などにより比較的短時間で色落ちする可能性がございます。
*2:屋外用途の木材保護塗料であるため、薬剤(防腐剤や防虫剤等)を配合しています。内装へ使用する場合は注意してください。
注意事項
本製品の注意事項について記載いたします。
・雨や強風、結露などの悪天候やこれらの気候が予想される場合は施工を避けてください。
・5℃以下、湿度85%以上の場合は施工を避けてください。
・顔料が缶の底に沈殿している可能性がありますので、使用前に十分攪拌してください。また、使用中においても攪拌しながら使用してください。
・上記塗布量及び塗回数は下地の材質・状態等で増える場合があります。
・木材の乾燥が不十分の場合、膨れなどの施工不良や塗膜の性能が発揮できない可能性がありますので、木材の含水率を20%以下に調整してください。
・木材の種類、劣化状況によって塗装後の色感が異なるため、必ず事前にテスト塗りを行なってから使用してください。
・木の種類によっては乾燥が極端に遅れる、タック感(べたつき)が残る場合もありますので、木の種類による影響にも注意が必要です。ヤニが多い木材に塗装する場合は、シンナー拭きや研磨を行い表面のヤニを取り除いてから施工してください。
・耐候性が低下するおそれがあるため、屋外でカラレス単体では使用しないでください。
・色濃度の調整はカラレスで行ってください。また、カラレス添加量が増加するにつれ耐候性が低下することに注意してください。
・水などで調整すると塗膜性能が発揮できない可能性がありますので注意してください。
・ローラー施工の際には短毛~中毛の無泡ローラーを使用してください。
・手を触れたりする平面部位では、摩擦によって色落ちが早くなる恐れがあります。
・色落ちが早い箇所に対しては定期的な塗り重ねを行ってください。また、色落ちにより衣類を汚す可能性がある部位は、乾燥後ウエスなどで乾拭きしてください。
・南洋材系堅木などの硬質材は高密度であり、塗料が浸透しにくく経年で塗膜の剥離が発生する可能性があるので、塗装は避けてください(南洋材系:ウリン、チーク、イペ・ジャラなど)。
まとめ
今回は木材保護塗料「ウッドシールドPRO アクア浸透」をご紹介しました。本製品はこれまでに当社が取り扱っている木材保護塗料よりも耐候性が優れているほか、様々な機能を有する製品となっております。また、浸透タイプの木材保護塗料であるため、木目を活かした仕上がりが可能であるため、新築や無塗装木材の塗装に最適な木材保護塗料の1つです。
塗り替えの際に本製品の使用をご検討ください。
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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。