【戸建住宅・店舗編】排気口による外壁の汚染発生事例と対策

現場の研究 塗装性能 2021.05.20 (最終更新日:2024.10.08)
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建物を長く使い続けるためのメンテナンスの一環として、塗り替え工事をされる方は多いと思います。しかしながら外壁は、周辺環境の影響(排気ガス、土埃など)、建物構造の影響(排気口からの油、室内の埃など)を受けて、汚染してしまいます。

今回は、建物の構造の1つである「排気口」による「建物の汚染事例」「塗装をする上での対策 および 注意事項」をご紹介します。排気口がある建物は、建物調査時や見積提出時にお施主様へ「排気口からの汚染」について説明資料としてご活用ください。

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排気口の目的と外壁への影響

排気口周辺で「綺麗に塗り替えをしたのに汚れてしまった!」というお問合せをいただくことがあります。

排気口は、室内で快適に過ごすために不必要な物質を屋外に排出する大切な目的があり、「調理中に発生する油」「室内の塵や埃」「浴室などからの湿気」などが排気されます。この排気物質が原因で、外壁に汚染が発生してしまいます。

排気口に汚れが付着する原因

①排気口から排出された水蒸気(一部油分が混在している場合もあります)が外壁に付着
②さらに風に舞っている大気中の汚染物質が壁面に付着
これを繰り返すことで、汚染が目立つようになります。

※フードカバーからの雨筋汚染、シーリング材からの可塑剤汚染が複合する場合があります。

室内の塵(チリ)や埃(ホコリ)による汚染の事例と対策

室内の換気で塵(チリ)や埃(ホコリ)も一緒に排気されることで外壁表面に堆積します。その後、空気中の排気ガスなどの汚れと混ざり、雨により流された箇所に堆積することで徐々に汚染が目立ってきます。

【汚染写真】 排気口下側に黒く汚染が発生しており、特に外壁材の凹凸部分に著しい汚染が発生しています。

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塗装をする上での対策

①高圧洗浄により、外壁に付着している汚れを洗い流します。
②低汚染性がある上塗材で塗装します(※1)。

【注意事項】
※1:常時、排気口から汚染物が排出されるため、経年によって汚染の再発が懸念されます。

油の排気による汚染の事例と対策

調理中に発生する油による汚染の事例です。特に、店舗系の建物では、油によって激しく汚染している場合がありますので、塗装には注意が必要です。

【汚染写真】
こちらの物件は油が外壁に付着して、黒く汚染しています。

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塗装をする上での対策

塗装工事前にパッチテストを行い、「油が染み込んだ箇所の洗浄方法」と「洗浄後の外壁材への下塗材の付着性」を確認してください。

(1)パッチテスト
①油汚れが下塗材の付着を阻害するため中性洗剤で除去します。
②中性洗剤を十分に洗い流し、乾燥させます。
③洗浄後の油が染みこんでいた箇所で、弱溶剤系下塗材でパッチテストを行います。
④養生期間は「夏場は3日程度」「冬場は7日程度」で乾燥させます。
⑤カッターで切り込みを入れて(5マス×5マス)、ガムテープを貼り、指先でしっかり擦って密着させ、すぐに剥がします。
⑥ガムテープに付着した塗膜の状況を確認します(※1)。

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(2)塗装工事
パッチテストで良好な付着性が確認された「洗浄方法」「下塗材」を使用して、弱溶剤系上塗材で塗装します(※2)。

【注意事項】
※1:パッチテストで弱溶剤系下塗材が剥離した場合、外壁材の表層を削って下地調整を行う必要があります。
※2:水性系上塗材を使用した場合、弱溶剤下塗材に溶けあがってきた「油成分による水性上塗材のハジキ」が発生する可能性があります。

まとめ

排気口からの汚染に関してご紹介しました。現場調査時や見積提出時にお施主様への「現象説明」・「塗装をする上での対策」・「注意事項」を含めてご提案いただく際の参考になれば幸いです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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