フッ素鋼板への塗り替えが可能!アステックペイントの新製品「フッ素鋼板用パワープライマーJY」

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近年、戸建住宅市場では、金属屋根の需要が増加しています。
下記データは新築戸建住宅の屋根材の割合を示したグラフですが、平成14年以降、金属屋根(「ガルバリウム鋼板またはジンカリウム鋼板」+「ガルバリウム鋼板またはジンカリウム鋼板以外の金属」)の割合が増加していることが分かります。

また、金属屋根のガルバリウム鋼板よりも耐候性に優れた屋根材として、フッ素鋼板が特に注目を集めています。

フッ素鋼板は紫外線や雨水によって劣化しにくいという高い耐候性がありますが、塗り替えの際に付着する下塗材が限られており、改修が難しいという課題があります。

今回は、フッ素鋼板に対して付着性が良好かつ防錆機能がある「フッ素鋼板用パワープライマーJY」についてご紹介いたします。

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フッ素鋼板用パワープライマーJYとは?

フッ素鋼板用パワープライマーJYは、屋根・外壁・付帯部のフッ素鋼板に使用することができる、弱溶剤形二液金属屋根外壁用ポリウレタン系の下塗材です。

フッ素鋼板との付着性が良好であり、さらに下地の金属を錆から保護する防錆機能も持ち合わせています。

製品名フッ素鋼板用パワープライマーJY
用途弱溶剤形二液金属屋根外壁用ポリウレタン系下塗材​
荷姿15kgセット(A液:14kg、B液:1kg)
調合比A【14】:B【1】(重量比)
適用下地フッ素鋼板(初めての塗替えの場合のみ)
黒・グレー・赤さび・白
塗布量【ローラーの場合】 黒・グレー・赤さび:0.11~0.15kg/m2         白:0.15~0.17kg/m2   【エアレスの場合】 黒・グレー・赤さび:0.15~0.17kg/m2         白:0.17~0.19kg/m2
可使時間2時間以内(23℃)
希釈剤【ローラーの場合】 0.8~2.3ℓ(FPP専用シンナー) 【エアレスの場合】 2.3~4.5ℓ(FPP専用シンナー)
塗回数1回
施工間隔4時間以上10日以内

付着性のメカニズム

フッ素鋼板とは?

フッ素鋼板とは、工場でガルバリウム鋼板や亜鉛メッキ鋼板にフッ素樹脂塗料を焼付け塗装した鋼鈑のことを指します。一般的な下塗材では付着性が悪い傾向があり、塗装工事では「フッ素樹脂に対する良好な付着性」と「防錆機能」の両方の性能を持つ下塗材が求められます。

フッ素鋼板用パワープライマーJYの塗膜断面イメージ

フッ素鋼板用パワープライマーJYは、A液に特殊ポリオールと呼ばれる樹脂が、B液にイソシアネートと呼ばれる成分が含まれています。

塗膜形成時にはA液とB液の成分が結合することで特殊ポリウレタンを形成し、これがフッ素鋼板への付着を可能にします。
また、特殊ポリオール樹脂とイソシアネートの結合により、防錆機能の高い緻密な塗膜を形成することができます。

付着性試験結果

実際に、フッ素鋼板用パワープライマーJYと他社製品をフッ素鋼板の上に塗装し、乾燥後に碁盤目試験を行った結果、フッ素鋼板用パワープライマーJYでは、フッ素鋼板への良好な付着が確認されました。

フッ素樹脂ラミネート鋼板について

フッ素鋼板と類似した鋼板として、フッ素樹脂ラミネート鋼板があります。フッ素樹脂ラミネート鋼板とは、ガルバリウム鋼板や亜鉛メッキ鋼板にフッ素樹脂のフィルムを張り付けた鋼鈑のことを指します。

フッ素鋼板用パワープライマーJYは、フッ素樹脂ラミネート鋼板への施工ができません。また、現場では「フッ素鋼板」と「フッ素樹脂ラミネート鋼板」の目視での判別が非常に難しいため、必ずパッチテストで付着性を確認した上で施工する必要があります。

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防錆機能

錆が発生するメカニズム

一般的に金属の錆は、降雨や結露などによって付着した水分と空気中の酸素が、金属と反応し、金属が酸化することで発生します。

防錆のメカニズム

フッ素鋼板用パワープライマーJYは、2液塗料であるため塗膜の結合が緻密になり、錆の発生要因となる酸素や水分が金属下地に透過しづらくなります。

また、防錆剤を配合していることで、その防錆剤が金属の代わりに水分や酸素と反応し、錆の発生を抑制することができます。

サイクル腐食試験による防錆機能の確認

【試験手順】
①試験体にフッ素鋼板用パワープライマーJYを塗装
②乾燥後にカッターなどで切り込み傷をつける
③試験溶液(塩水)を噴霧→湿潤状態(湿度95±3%)で静置→乾燥(50℃・室温)
④流水で洗い、塗膜に膨れ・割れおよび発錆の有無を目視で確認
※③、④を1サイクルとする。

サイクル腐食試験を行った結果、フッ素鋼板用パワープライマーJYは36サイクル実施後も錆の発生が確認されませんでした。そのため、一般的な住環境に有効な防錆機能を持っていることが分かります。

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推奨仕様

・超低汚染リファインシリーズ(無機/MF/Si) 
・REVOシリーズ(フッ素/シリコン)
・スーパーシャネツサーモシリーズ(F/Si)
・シャネツテックシリーズ(F/Si)
・マックスシールドシリーズ(F/Si/U) 
・無機ハイブリッドウォールJY  など

※適応できない上塗材
・超低汚染リファインMSシリーズ
・ECシリーズ (5000/100)
・スーパーラジカルシリコンGH
・無機ハイブリッドウォール ・グラナートSP

JIS規格

■JIS K 5600 塗料一般試験方法
『容器の中での状態』『塗装作業性』『塗膜の外観』『上塗適合性』『耐おもり落下性』『付着性』『耐アルカリ性』『耐水性』『耐中性塩水噴霧性』全て合格 ※社内試験による

■JIS K 5601 塗料成分試験方法
『加熱残分』合格 ※社内試験による

施工上の注意

■雨・強風・結露等の悪天候時およびこれらが予想される場合には施工は避けてください。
■気温5℃以下、湿度85%以上での施工は避けてください。
■使用する前に塗料を充分に撹拌してください。
■エアレス施工の場合には塗装ロスが大きくなりますので、塗布量の上限値を目安にしてください。
■塗布量および塗回数は下地の材質や状態によって増える場合があります。
■ウールローラー施工の場合、塗回数が増えることがありますのでご注意ください。
■溶剤系塗料では火災・中毒等の恐れがあるため、保管・取扱いには十分に注意してください。
■工場塗装されたフッ素鋼板の初めての塗替えの場合のみ適用可能です。
■フッ素樹脂ラミネート鋼板等の特殊な鋼板には塗装できません。
■必ずパッチテストで付着性を確認してから施工してください。
■可使時間が短いため、特に夏場は小分けしながら調合し施工してください。
■色によって塗布量が異なります。
■硬化不良につながるため、水・アルコール系溶剤の混入は絶対に避けてください。
■希釈には「FPP専用シンナー」をお使いください。

専用希釈剤「FPP専用シンナーについて」

フッ素鋼板用パワープライマーJYの希釈には、専用希釈剤である「FPP専用シンナー(別売り)」が必要です。FPP専用シンナーには「標準用」と「夏用」の2種類がありますので、標準用は11月から5月、夏用は6月から10月を目安にご使用ください。
塗料用シンナーを使用するとB液が溶けにくくなり、付着不良や硬化不良が発生する可能性があります。

荷姿16ℓ、4ℓ
希釈量ローラーの場合:0.8~2.3ℓ エアレスの場合:2.3~4.5ℓ

まとめ

今回は、フッ素鋼板にお使いいただける防錆下塗材、「フッ素鋼板用パワープライマーJY」についてご紹介いたしました。フッ素鋼板への塗装工事の際に、ぜひご使用ください。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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