【現場調査の差別化】診断器具の使用でお客様の心を掴み成約率がUPした方法
「現場調査(建物診断)」は工事品質を担保する上で最も大切な工程の1つです。
昨今では、多くの施工会社が現場調査を実施していることもあり「新しい診断方法を取り入れたい」「現場調査で差別化したい」など他社の取り組み事例を気にされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
現場調査で差別化に成功し、お客様の心を掴み成約率が50%から70%に向上したノウハウを教えていただきましたので、紹介します。
目次
【会社紹介】株式会社ワンステップ山口 代表取締役 三好 哲男 様
株式会社ワンステップ山口様は、山口県美祢市で元請け塗装事業を展開されている会社様です。
高品質な施工や的確なアドバイスを施主様にできるように「外壁劣化診断士」「雨漏り診断士」「窯業サイディング塗替診断士」「自然災害鑑定士」など様々な資格を取得されています。
【ポイント①】劣化状況を正確に把握し、丁寧に説明する
三好社長:現場調査の際には、施主様のお家の劣化状況を分かりやすく説明することを心掛けております。昨今では、多くの施工会社が現場調査を必ず行うかと思いますが、しっかりと建物の劣化状況を説明している会社は少ないと感じます。
施主様の中には、「今、塗装をする必要があるのか?」と疑問を抱えられている方がいますので、細部にわたり、お家の劣化状況を分かりやすく説明しております。
施主様に分かりやすく建物の劣化状況を説明するためには、診断器具を使用し、目視では見抜けなかった建物の劣化状況を正確に把握することが重要です。
私たちは、窯業系サイディングのお家の場合は、【水分計】と【赤外線サーモグラフィー】を用いて調査をしております。
これらを使用することで、目視では見抜けなかった劣化状況の把握が可能になり「診断ミスによる塗装後の不具合0件」と施工品質の向上を実現できております。
診断ミスによる不具合事例 |
・誤った下塗り材を選定して、密着不良により剥離や膨れが発生する ・塗装では改修が難しい下地に塗装してしまい、2~3年で再塗装する など |
水分計
水分計とは |
窯業系サイディングに含まれる水分の含水率を測定する診断器具。水分の含有量の少ない窯業サイディングは0%に近い数値が表示され、経年劣化により水分の含有量が多い状態だと数値が高くなる。 |
水分計を使用する際のポイント |
・建物の中でも、浴槽裏は水が漏れていることが多いので、必ず調べる。 ・窯業系サイディングの工法に「通気工法」と「直張り工法」があるが、「直貼り工法」の方がより含水率が高い傾向にあるため、晴天時に膨れや剥離がある箇所を中心に水分計で測定し、数値によって提案内容を変更。 (例)30%以上の場合:塗装での防水性確保を提案、50%以上の場合:部分張り替えを提案。 |
赤外線サーモグラフィー
赤外線サーモグラフィーとは |
表面温度を色の違いにより確認できる診断器具。水の通り道が分かり、雨漏れ箇所を特定できる。 |
赤外線サーモグラフィーを使用する際のポイント |
・目地部やベランダの笠木、軒裏や屋根裏に雨漏りが発生していないかを調査する。 ・スマホやタブレットに装着できるタイプもあるが、木造住宅塗装リフォーム協会推奨の器具を使用する。 |
【ポイント②】独自の現場調査をしていることを伝える
三好社長:現場調査で診断器具を使用する1番のメリットは「成約率」の向上です。診断器具を未使用時には、成約率が50%程度でしたが、使用後には成約率が70%程度に上がりました。
弊社ではポータルサイトにも登録しており、多い時には7社と相見積もりになることもあります。
相見積もりの際のあるあるだとは思いますが、私が現場調査をしようとすると「すでに現場調査してもらっているから見積り金額だけ見せてほしい」と言われることが多々あります。
その際に、他社がやっていない調査をしていることをお伝えすると、現場調査に繋がりやすくなりました。
現場調査さえできれば、他社が提案していない建物の劣化状況とその解決策を提案することで、施主様の信頼を獲得し、ご成約に繋がっているのだと思っています。
現場調査で診断器具を使用する方法は、どこの会社もされている訳では無いので、施主様から「そこまでしてくれるんですね」「他社と違って丁寧ですね!」「ここも見て欲しい!」というお言葉をいただけており、自然とコミュニケーションが取れるようになりました。
まとめ
今回は株式会社ワンステップ山口様に、診断器具を使用した現場調査方法と提案内容をご紹介いただきました。
高いレベルの現場調査が他社との差別化ポイントになるとともに、具体的な劣化状況の説明や提案でお客様の信頼を獲得し、成約率向上に繋がっているのではないかと考えられます。
「成約率の向上」だけではなく「診断ミスによる塗装後の不具合0件」の実現により、再塗装などを防ぎ、会社としての利益を守ることにもなります。「これから現場調査を始める」「他社と違った診断方法で差別化したい」という方はぜひ、実践されてみてください。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
野口 英樹
【記事監修】
株式会社アステックペイント
野口 英樹
株式会社アステックペイント営業本部 本部長
アステックペイント入社後、福岡営業所、東京営業所の所長、顧客事業部部長を歴任。現在は、アステックペイント4つの営業部で構成される営業本部の統括マネジャーとして、塗装会社の抱える課題を解決するための提案・成長支援を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。