ニチハ製外壁材へ塗装を推奨するアステックペイント下塗材を紹介

現場の研究 外壁 2024.03.29 (最終更新日:2024.10.08)
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近年、建材メーカーのコーティングには、難付着系塗膜(フッ素・無機・光触媒)が使用されているケースが増えており、専用下塗材の使用が必要不可欠となります。そのため、加盟店様より「難付着系塗膜のコーティングに塗装する場合の塗装仕様を教えてください」という問合せが増えています。

しかしながら、建材メーカーの総合カタログは数百ページ近くある上に毎年改訂されるため、「知りたい情報が見つからない方・カタログ内の検索に時間を要し、手間に感じている方」も多いのではないでしょうか。

中でも、ニチハ株式会社は幅広い建材のラインナップがあり、「プラチナコート」と呼ばれる無機系コーティングの建材も存在しています。そのため、今回は、ニチハ株式会社が取り扱う幅広い広いラインナップの中から、一部のコーティング材別のアステック推奨仕様と注意事項をご紹介いたします。

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ニチハ株式会社とは

1956年に木材資源の有効利用を目的に「日本ハードボード工業株式会社」を設立されました。そして1972年に住宅事業を開始し、1988年に現在の社名である「ニチハ株式会社」へと変更されています。現在、窯業系サイディングをはじめ、国内外で通用する「壁材専業のトップメーカー」を目指されています。

また、発売している「プラチナコート30」は業界で初めて「変色・退色30年保証」に対応している製品です。

コーティング材別の特徴紹介

2023年8月時点で発売されているニチハ株式会社のコーティング材の特徴をご紹介いたします。

①マイクロガード

発売時期
2003年~
コーティング表層マイクロガード
特長外壁に付着した汚れを雨水で落とすことができる「セルフクリーニング機能」を持っている。
使用されている外壁材モエンエクセラード16、モエンサイディング-M14

②プラチナコート+マイクロガード

発売時期
2014年~
コーティング表層プラチナコート+マイクロガード
特長色褪せに強い無機塗料とひび割れに強い有機塗料をバランス良く配合した超高耐候塗料を採用。
ドライジョイント工法orプラチナシールの使用で「変色・退色15年保証」に対応している。
使用されている外壁材COOLシリーズ、モエンエクセラード18 Fu-ge、モエンセクセラード16、モエンサイディングS18

②プラチナコート30+マイクロガード

発売時期
2018年~
コーティング表層プラチナコート30+マイクロガード
特長プラチナコートより耐候性が高く、色褪せに強い無機塗料とひび割れに強い有機塗料をバランス良く配合した
超高耐候塗料を採用。窯業系サイディングとして、業界で初めて「変色・退色30年保証」に対応している。
※「ドライジョイント工法」の採用、もしくはプラチナシールなどの同時使用が保証条件となる。
使用されている外壁材モエンエクセラード21(Fu-ge PREMIUM)、モエンエクセラード18(Fu-ge PREMIUM)、モエンエクセラード16(PREMIUMシリーズ)

コーティング材別のニチハ製品一覧表

コーティング材名

コーティング表層

厚み

シリーズ名

マイクロガード シリコン系

16mm

モエンエクセラード16

Vシリーズ ※一部品番を除く

14mm

モエンサイディング-M14

※一部品番を除く

14mm

モエンサイディング-W14

※一部品番を除く

プラチナコート+マイクロガード 無機系

18mm

モエンサイディングS18

 

18mm

モエンエクセラード18

Fu-ge

16mm

モエンエクセラード16

Fu-ge 他 ※Vシリーズ除く

18mm

COOL

・メモリア ※一部カラーを除く。

・イルミオ ※一部カラーを除く

16mm

プラチナコート30+マイクロガード 無機系

21mm

モエンエクセラード21

Fu-ge PREMIUM

18mm

モエンエクセラード18

Fu-ge PREMIUM

16mm

モエンエクセラード16

Fu-ge PREMIUM  他PREMIUMシリーズ

光触媒コート 光触媒系

16mm

COOL

イルミオ ETM301F

コーティング材別の推奨仕様一覧表

各種コーティング材に塗り替えを行う際の推奨下塗材とクリヤー仕様をご紹介いたします。

コーティング材名

コーティング表層

発売時期

推奨下塗材

クリヤー仕様

マイクロガード

シリコン系

2003年~

エポパワーシーラー、エピテックフィラーAEⅡ   など

スーパーSDクリヤー

(Si/F/無機)

プラチナコート+マイクロガード

無機系

2014年~

プレミアムSSシーラープライマー

エポプレミアムシーラープライマーJY

スーパーSDクリヤーF-JYのみ

プラチナコート30+マイクロガード

無機系

2018年~

光触媒コート

光触媒系

2016年~

プレミアムSSシーラープライマー(白・グレー)

エポプレミアムシーラープライマーJY(白)

塗装不可

アステックペイント推奨下塗材・推奨クリヤー材

■水性下塗材 :プレミアムSSシーラープライマー(透明・白・グレー)

「プレミアムSSシーラープライマー」は、近年増加しているフッ素・光触媒・無機系など「難付着系塗膜」の外壁の塗り替えも可能な二液型水性下塗材。

また、難付着系塗膜だけでなく、一般的な塗膜への付着性にも優れており「どんな既存塗膜なのか判別できない」という外壁にも安心して施工していただける下塗塗料です。

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■弱溶剤下塗材:エポプレミアムシーラープライマーJY(透明・白)

「エポプレミアムシーラープライマーJY」は、難付着系塗膜への塗り替え可能な、「付着性に優れた二液型弱溶剤下塗材」です。

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光触媒塗膜を塗装するうえでの注意事項

ニチハの建材のコーティングには一部光触媒が使用されています。そこで、光触媒塗膜に塗装する上での注意事項をご紹介いたします。

光触媒塗膜に一般的な下塗材を塗布した場合、「無機系塗膜のため付着性が著しく悪い・光触媒反応による下塗材の分解」が懸念されるため、数年後には塗膜剥離を引き起こす可能性が高くなります。 

そのため、「光触媒塗膜に付着する難付着系対応の下塗材」と「紫外線を遮断するための色付き塗料」での塗装が重要となります。 

▼光触媒塗膜への塗装後に発生する塗膜剥離メカニズム

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【試験】難付着系塗膜への付着性実験 

光触媒を塗装した試験体の上にプレミアムSSシーラープライマー(透明および白)を塗装し、1年間屋外暴露させた後、付着性試験(セロテープ碁盤目試験)を実施しました。 

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〇透明:テープを貼った箇所は全体的に剥離
〇白 :剥離なし

この試験から分かるように、光触媒塗膜の塗装は無機系塗膜への「良好な付着性」だけでなく、「紫外線を遮断できる」下塗材の選定が必要となります。

「色付きの上塗材で塗りつぶせば専用下塗材の色まで気にする必要はなく、紫外線の影響は受けないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、色付き塗膜でも紫外線が透過する場合があり、光触媒塗膜表面でラジカルが発生してしまい、その結果、光触媒塗膜と接触している下塗材の樹脂が分解されてしまい、塗膜剥離に至ります。

まとめ

ニチハ株式会社で使用されているコーティング材の説明と塗り替える場合の下塗材選定についてご紹介しました。

外壁材の見た目だけでは、難付着系塗膜かどうかの判別が困難です。無機系塗膜や光触媒系塗膜の可能性がある場合は、専用下塗材を施工することで、塗膜剥離のリスクを抑えることができるため、ぜひプレミアムSSシーラープライマーやエポプレミアムシーラープライマーJYのご使用をご検討ください。

本記事が営業活動の参考になれば幸いです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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