【塗布量・塗膜厚とは?】塗装品質を左右する2つの数値の関係と正しい管理方法を解説

現場の研究 2026.03.12
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塗布量・塗膜厚は、塗料の性能を最大限発揮するために欠かせない数値です。規定量を守らないと、施工不良やクレームにつながるリスクがあります。この記事では、塗布量と塗膜厚の定義・計算方法・適切な管理手順をわかりやすく解説します。現場品質の向上と施主への信頼構築に、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

✅ 塗布量・塗膜厚の定義と、現場で重要な理由
✅ 塗布量から必要な塗料缶数を計算する具体的な方法
✅ 塗膜厚が現場で正確に測定できない理由と、各メーカーが規定塗布量を設ける背景
✅ 施工品質を証明し、工事後のトラブルを防ぐための記録・管理方法
✅ アステックペイントが提供する製品・現場サポートの活用メリット

塗布量とは?現場品質を左右する重要な指標

塗布量とは、㎡当たりの塗料の使用量を示す値のことです。単位は、通常kg/m²またはm²/ℓで表されます。

構成要素内容
塗着量塗料の性能を発揮し、きれいに仕上げるために必要な量
塗装ロス塗装作業中に塗着しない損失分

塗料の性能を発揮し、きれいに仕上げるために必要な「塗着量」と塗装作業時に塗着しない損失分(塗装ロス)を合計した量が設定されており、塗装工事において必要な塗料量の見積りや、適切な量の塗料を使用するために重要な指標です。

たとえば、塗布量が「0.30㎏/㎡」である製品では、1m²あたり0.30kgの塗料が必要することを表しています。この塗布量に従って塗料を使用することで、塗料の性能を十分に発揮することができます。

塗布量は、塗装工事の見積もり精度と施工品質の両方に直結する重要な指標です。

塗布量の計算方法|実例でわかる缶数の求め方

実際の製品を例に、必要な塗料缶数を計算してみます。

例) シリコンREVO1000-IRを150㎡の窯業系サイディングに塗装する場合

これは塗料缶や製品カタログに記載されている仕様書で、この製品では「0.25~0.35kg/㎡(2回塗り)」の塗布量が必要だと分かります。

塗り平米()は150㎡であるため、必要塗料を計算すると以下のようになります。

150㎡× 0.30kg/= 45.0 (kg)
よって、45.0 kgの塗料が必要だと分かります。

シリコンREVO1000-IRは1缶15kgですので、
45.0kg ÷ 15kg/缶 = 3缶

以上から、3缶が必要ということが分かります。

つまり、この塗装現場では3缶分の塗料を塗る必要があるということがわかります。

ただし、実際には下地の凹凸や吸い込みにより、計算値よりも多い材料が必要になることもありますので、施工する現場の状況に応じて、しっかりと塗布量が確保できるよう、注文缶数を調整してください。

塗膜厚とは?塗料性能を保証する厚みの基準

塗膜厚とは、塗装完了後の塗膜の厚みのことです。
単位は「µm(マイクロメートル)」で表されます。(1µm = 1mmの1,000分の1)

塗膜厚が一定以上確保されていないと、塗料本来の耐候性・防水性・遮熱性などの性能が十分に発揮されません。
塗布量と同様に、塗装品質を左右する非常に重要な要素です。

塗布量と塗膜厚の関係とは?なぜ規定塗布量が存在するのか?

一般的な戸建て住宅で使用される外壁材(窯業系サイディング・ALC・モルタル壁など)や屋根材(平板スレート瓦・セメント瓦など)では、現場で塗膜厚を正確に測定することが非常に困難です。

正確な測定が難しい理由としては以下のようなものが挙げられます。

・下地の種類や模様、劣化度合いなどの様々な要因から、塗装した塗膜厚が不均一になるため。
・非破壊での塗膜厚測定方法が確立されていないため。

そのため、各塗料メーカーは製品ごとに「規定塗布量」を定め、適切な膜厚を確保するために必要な塗布量の基準を設けています。

つまり塗布量とは、「塗料の性能を十分に発揮できる膜厚を確保するために必要な塗料の量」だと言い換えられます。

規定塗布量:製品の比重や固形分の割合を元に、理論膜厚(塗料が期待される性能を十分に発揮できる膜厚)を確保できる最低限の塗布量のこと。

ただし、劣化して吸い込みが激しい下地の場合、規定塗布量では不足することがあります。そのため現場の状況を見て、実際に必要な塗布量を判断することが重要です。

施工品質を証明するには?工事後のトラブルを防ぐ2つの方法

塗装工事が適切に行われていたかの基準の一つは、「規定塗布量分の材料を使用しているかどうか」です。これを証明するためには以下の手順が有効です。

方法①施工工程の記録:各施工工程を逐一撮影し、書面で記録する方法

使用材料の写真や、塗布前後の塗料の重量を比較した写真等を残しておくことにより、工事後に各工程が適切になされていたかを証明することができます。

①使用材料の写真(塗料缶のラベル・ロット番号など)
②塗布前後の塗料重量の比較写真
③各工程(下塗り・中塗り・上塗り)ごとの施工状況写真

これにより、工事後に「適切な施工がなされていたか」を客観的に証明できます。

方法②空き塗料缶の保管:完工まで使用材料の空き缶を保管しておく方法

完工までに使用した塗料の空き缶を保管し、塗料使用量の証拠とすることで、適切な塗布量が使用されたことを証明できます。

この2つの習慣を現場に取り入れることで、以下のメリットが得られます。

  • ✅ 施主への透明性が高まり、信頼感が向上する
  • ✅ 工事後のクレーム・トラブルを未然に防げる
  • ✅ 自社の施工品質を対外的にアピールできる

まとめ

確認ポイント内容
塗布量の定義1㎡あたりの塗料使用量(塗着量+塗装ロス)
塗膜厚の定義塗装完了後の塗膜の厚み(単位:µm)
なぜ規定塗布量が必要か現場での塗膜厚測定が困難なため
塗布量の計算方法塗り面積 × 規定塗布量 ÷ 1缶あたりの容量
品質証明の方法工程写真の記録+空き缶の保管

本記事では、塗布量と塗膜厚の関係について詳細に解説をしました。最後にご紹介した塗装工事が適切に行われているかの証明方法は、塗装工事後のトラブル防止に役立つだけでなく、会社の施工の信頼性を高めるために有効な方法です。皆さまの現場でもお役立てください。

FAQ:塗布量・塗膜厚に関するよくある質問

Q1. 塗布量とは何ですか?
塗布量とは、1㎡あたりの塗料使用量を示す数値です。単位はkg/m²またはm²/ℓで表されます。塗着量(性能発揮に必要な量)と塗装ロス(作業中の損失分)を合計して設定されています。

Q2. 塗膜厚とは何ですか?
塗膜厚とは、塗装完了後の塗膜の厚みのことです。単位はµm(マイクロメートル)で表し、1µmは1mmの1,000分の1です。塗膜厚が不足すると、塗料本来の耐候性・防水性などの性能が十分に発揮されません。

Q3. 塗布量と塗膜厚はどんな関係がありますか?
現場では塗膜厚を正確に測定することが困難なため、各塗料メーカーは「規定塗布量」を定めています。規定塗布量を守ることで、塗料が性能を発揮するのに必要な塗膜厚(理論膜厚)を確保できます。

Q4. 規定塗布量より多く塗ればよりよい仕上がりになりますか?
必ずしもそうとは言えません。過剰な塗布は乾燥不良・タレ・ひび割れなどの施工不良につながる場合があります。仕様書に記載された規定塗布量の範囲内で施工することが重要です。

Q5. アステックペイントに加盟すると塗布量・施工管理のサポートは受けられますか?
はい。アステックペイントでは加盟店に対して、専門スタッフによる製品・施工サポートを提供しています。職人向け勉強会や安全大会なども実施しており、現場品質の向上を継続的にサポートしています。

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施工品質の向上・現場管理の効率化・施主への信頼構築。
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✅ 職人向け勉強会・安全大会など、品質と安全を支える継続サポート

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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