現場の研究 2021.07.12

塗装品質向上のために押さえておきたい!「透けによる塗膜剥離」を防ぐ4つの施工ポイント

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「塗装後わずか数年での予期せぬ塗膜剥離が発生してしまった」そのようなご経験をされた塗装会社様はいらっしゃるのではないでしょうか。

塗膜剥離は「下地との相性」「施工時の環境」「塗料の不良」など様々なものが原因として考えられますが、上塗材の「かすれ」「透け」によって、塗膜の剥離が発生するケースがあります。

今回の記事では、塗膜剥離が発生した現場の状況、塗膜剥離のメカニズムから対策まで詳しくご紹介します。塗膜剥離の発生を防ぐためにぜひ参考にしてください。

塗膜剥離が発生した現場の状況

〇下地材 :カラーベスト
〇使用塗料:下塗材「弱溶剤変性エポキシ系下塗材」
〇使用塗料:上塗材「水性シリコン系上塗材」

【剥離箇所全景】
塗膜剥離が点在している


【剥離箇所拡大】
剥離箇所にテープを貼って剥がすと、下塗り材表層からの剥離が拡大


【上塗材の透け】
剥離箇所の周辺は、上塗り材が透けて下塗材(淡色)が見える


【健全箇所拡大】
健全箇所に、かすれ・透けはなく、テープを貼って剥がしても剥離しない

塗膜剥離の原因とは

紫外線等に耐える性能である「耐候性」は上塗材が発揮すべき役割となります。一方、下塗材は、上塗材で保護されていることが前提となるため、「耐候性」をほとんど有していません。

そのため、下塗材は、紫外線等に直接晒されると劣化が促進され、剥離が発生することがあります。

■塗膜剥離のメカニズム
1.下地の凸部などで、上塗材が透けて下塗材が見える箇所がある
2.下塗材は耐候性がほぼないため、紫外線によって劣化が促進される
3.下塗材にチョーキングが発生して上塗材が剥離する
※特に、エポキシ系下塗材は紫外線に弱く、チョーキングしやすい傾向がある

塗膜剥離を防ぐ4つの対策方法

塗膜剥離を防ぐためには、不具合原因の「かすれ」「透け」を起こさないように上塗材を塗布することに尽きます。具体的にどのような点に留意して施工すれば良いのか今回は4つの方法をご紹介いたします。

1 塗料ごとの希釈量の厳守

製品パンフレット・製品缶ラベルに記載されている「希釈」を要確認の上、厳守する

希釈して塗料の粘度調整を行い、塗装作業をしましょう。希釈量が多すぎる場合、塗布量が少なくなり凸部などが透けやすくなります。希釈量が少なすぎる場合、塗料の粘度が高く塗布量の差が出てしまい、ムラとなり透けることもあります。

2 塗装仕様で定められている「塗り回数」の厳守

製品パンフレット・製品ラベルに記載されている「塗り回数」を確認の上、厳守する

上塗材を塗り重ねることで、かすれ・透けなどを減らすことができます。仮に1回塗りで透けてしまった箇所でも、2回塗りをすることで全く同じ箇所で透けが発生する割合は少なくなります。

3 極端な凹凸や欠損がある場合は、下地処理する

極端な凹凸や下地が欠けている場合は、セメントフィラーなどで断面修復や下地の交換を行うことによって、凹凸を小さくし、剥がれを防ぐことができます。

4 ローラーでしごきすぎない

何度も何度もローラーを転がして薄く塗り伸ばすような「しごき塗り」は避けましょう。下塗材の場合は、下地の凹凸などに塗り込む必要があるため有効ですが、上塗材の場合はせっかく塗布した塗料をしごき取ってしまい、上塗材の仕上がり不良につながります。


上記のような対策を行い、塗膜乾燥後に「かすれ・透け」がないことを確認してください。万が一、透けがある場合は、かすれ・透けが発生している箇所周辺をタッチアップ補修してください。

まとめ

今回の記事では、上塗材の「かすれ・透け」による塗膜剥離について、実際の発生事例を参考にしながらメカニズムと対策をご紹介しました。

特に、紫外線の影響を強く受ける屋根では、このような剥離が発生するリスクが高くなりますので、上塗材はできるだけ均一に塗布し、完工時に「かすれ・透け」がないようにしてください。

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