遮熱塗料とは?遮熱塗料の効果からよくある問い合わせまでご紹介


近年、「遮熱」というワードを耳にする機会が増えてきました。地球温暖化の影響で日本の夏の気温は年々上昇傾向にあり、快適な室内環境の維持が重要な課題となっています。そのような中で、住まいの省エネ対策として遮熱塗料を選択される方が増加しています。
今回はそんな遮熱塗料の効果や特性についてよくある疑問と回答をいたします。
目次
遮熱塗料とは

遮熱塗料とは、太陽光から放射される近赤外線領域の光を反射し、塗装表面の温度上昇を抑制する機能を持つ塗料です。近赤外線とは、太陽光に含まれる電磁波の一種で、波長が約780~2500nmの光です。
近赤外線は目に見えませんそのため、遮熱塗料を塗装することで、建物への熱の蓄積を軽減し、室内温度の上昇を抑える効果が期待できます。

ちなみに屋根用の遮熱塗料は「JIS K 5675屋根用高日射反射率塗料」という日本工業規格で明確な性能基準が定められています(下記詳細)。
・高明度領域 (明度80以上): 日射反射率80%以上の数値」が必要
・中明度領域 (明度41~79): 日射反射率は明度以上の数値」が必要
・低明度領域 (明度40以下): 日射反射率は40%以上の数値」が必要
※日射反射率:太陽光の近赤外領域の光を反射する割合のこと。
一方で、外壁用の遮熱塗料については現時点で明確な性能基準は設けられていません。そのため、屋根塗料はJIS規格の有無により遮熱性を判断することができますが、外壁塗料はJIS規格がないため、製品選定の際は各メーカーの試験データや性能証明などを参考にすることをお勧めします。
遮熱塗料の効果とは

ここからは遮熱塗料を使用し得られる効果についてご説明します。
①塗装表面の温度上昇を抑制させる
遮熱塗料は近赤外線を反射するため、建物の表面温度を下げ、結果として室内の温度上昇も抑える効果があります。これによって夏の暑い時期でも室内が涼しくなり、今までより快適に過ごすことができるようになります。
②省エネルギー効果
夏の室内温度が低く保たれることで、空調設備の使用が減少し、電気代の節約につながります。特に夏場のエアコン利用が減少するため、エネルギーの効率的な使用が可能となります。
※建物の開口部の数・大きさや断熱材の影響により、室内温度変化・電気消費量は変動する場合があります。
③建物の保護
遮熱塗料は赤外線や熱から建物を守る効果があるため、外壁の劣化を防ぎ建物の寿命を延ばすことができます。
このように遮熱塗料には、近年の気温上昇に適応した機能及び効果があるのです。
遮熱塗料に関するよくある問い合わせ

Q1.:色によって遮熱効果に差はあるのか?
A1.:色によって遮熱効果に差は生じます。
遮熱効果を発揮する要因は以下の2つです。
①色:白に近い(明度が高い)ほど遮熱効果が高い
②顔料 :遮熱顔料を使用しているかで遮熱効果に差が出る
そのため、白に近い色の方が黒に近い色よりも遮熱効果が高くなります。よって、遮熱塗料の黒色と非遮熱塗料の白色を比較すると、日射反射率は非遮熱塗料の白色の方が高い結果となります。

Q2.:遮熱塗料と一般塗料との耐候性の違いは?
A2.:耐候性の違いはありません。
耐候性の違いは主に樹脂の種類(ウレタン・シリコン・フッ素等)によって決まります。また、遮熱効果は顔料によって発揮されるため、同じ樹脂を使用した遮熱塗料と非遮熱塗料では耐候性は同等になります。
そのため、耐候性を確認される場合は使用されている樹脂の種類をご確認ください。
Q3.:遮熱塗料を施工すると冬期は室内が寒くなるのか?
A3.:冬の室内温度への影響は低いと考えられます。当社では遮熱塗料が冬の住宅に与える影響について検証試験を実施いたしました。
冬は以下の要因により。室内温度の影響は低いと考えられます。
①日射強度の違い
太陽光自体は季節による違いはありませんが、太陽光が地面に当たる日射強度が違います。
冬は太陽光の照射角度が低いため日射強度は弱く、夏は太陽光の照射角度が高くなるため日射強度が強くなります。

②日射量の違い
冬は夏に比べて日照時間も短いため、日射量が少なくなります。下表に、冬と夏の1㎡当たりの平均日射量を示します。夏に比べると冬は平均日射量が約1/2になることがわかります。

詳細は下記記事をご覧ください。
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Q4.:遮熱塗料を施工することでどのくらい室内温度が減少するのか?
A4.:開口部の数や住宅の構造によって異なるため明確な数値は提示できません。
遮熱塗料による室内温度の低減効果を数値化することは困難です。理由としては、建物周辺の環境や開口部の状況が大きく影響してしまうからです。
①周辺環境の影響
・日陰の有無 ・街路樹などの緑化状況 ・建物の向きや日当たり ・地域特有の風の通り道 など
②開口部に関する要因
・窓の大きさや位置、枚数や開口率 ・サッシ(アルミ、樹脂など)やガラスの種類(単板、複層、Low-E等)
・カーテンやブラインドの使用状況 ・バルコニーや庇の有無 など
これらの要因は物件ごとに大きく異なり、季節や時間帯によっても変動します。また、居住者の生活パターンによる換気の頻度なども室内温度に影響を与えます。そのため、遮熱塗料単体での温度低減効果を正確に測定し、一般的な数値として示すことは現実的ではありません。
アステックペイントのオススメ遮熱塗料
表:当社で販売している遮熱塗料一覧
屋根 | 外壁 |
・超低汚染リファイン500MF/Si-IR ・超低汚染リファインJY500MS-IR ・スーパーシャネツサーモF/Si ・シャネツトップワンSi-JY ・シャネツテックF/Si-JY ・EC-100PCM | ・超低汚染リファイン1000MF/Si-IR ・超低汚染リファインJY1000MS-IR ・フッ素REVO1000-IR ・シリコンREVO1000-IR ・EC-5000PCM-IR |
まとめ
遮熱塗料の概要から遮熱塗料に関する良くあるお問い合わせに関してご説明いたしました。
環境問題の影響もあり、遮熱塗料への需要は増加しています。また、当社でも多くの遮熱塗料を取り扱っております。本記事が皆様の営業活動の参考になれば幸いです。
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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。