塗装現場で発生した「転落事故」事例と対策

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近年、労働災害による死亡者、死傷者数は、減少傾向にあると言われています。

しかし、昨年だけでも「建設業における労働災害発生件数」は非常に多く、「転落・墜落」が最多となっています。

本記事では、塗装現場で実際に発生した「転落」の事故事例を交えて、その対策をご紹介いたします。

建設業における労働災害発生状況(令和2年)

厚生労働省が発表する統計資料によると、令和2年の建設業における労働災害による死亡者数は258名、死傷者数は14,977名という統計結果が出ています。

その中でも、最多の事故は「転落・墜落」で、死亡者数は95名、死傷者数は4,756名という結果です。

建築業(令和2年) 死亡者数 死傷災害 
墜落・転落 95 4,756 
転倒 1,672 
激突 704 
飛来・落下 13 1,370 
崩壊・倒壊 27 452 
激突され 13 791 
はさまれ・巻き込まれ 27 1,669 
切れ・こすれ 1,257 
踏抜き 99 
おぼれ 
高温・低温物との接触 289 
有害物との接触 76 
感電 36 
爆発 11 
破裂 
火災 10 
交通事故(道路) 37 542 
交通事故(その他) 
動作の反動・無理な動作 947 
その他 270 
分類不能 
合計 258 14,977 
出典:厚生労働省:労働災害発生状況
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/
 

転落の事故事例

事例①移動はしごに乗り、塗料のふき取り作業中に転落

※イメージ写真
項目事例概要
発生状況 移動はしごを玄関先の土盛り箇所に立て掛け、高さ約170cmの位置で「ひさし」の上の塗料の拭き作業を行なっていた。
作業中にはしごの脚部が後方に滑り、作業者は仰向け状態で、足・腰・頭の順でアスファルト舗装の上に転落した。
被災状況保護帽を着用していなかったため、後頭部を強打し、8日後に脳挫傷により死亡が確認された。
事故原因・1人で作業をしていた。
・不安定な土盛り箇所に移動はしごを設置していた。
・はしごの滑り止め(転位防止措置)が不十分だった。
・2m未満の高さであったため、保護帽を着用していなかった。
・作業中の監視が不十分だった。
事故対策・高所作業に移動はしごを使用する場合、設置場所の安定性などを確認する。
・ロープで建築物と固定させ、移動はしごの滑り止め(転位防止措置)を確実に行なう。
・作業時の高さに関わらず、保護帽を着用する。
・作業の監視を行なう。
出典:厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=100572

事例②サンルーフ付近の塗装中に、テラス板を踏み破り転落

実際の現場で物干し台を破損させた様子
項目事例概要
発生状況テラス板の取り外しができないサンルーフ付近で屋根塗装を行なっていた。
作業中に、テラス板に誤って体重をかけてしまった結果、転落した。
その際に、テラス板・物干し台を破損させ、地面に頭部を強打した。
被災状況保護帽を着用していたため、大事には至らなかったが、数日間の休業となった。
事故原因・テラス板がシーリング材で固着されていて脱着できなかった。
・塗装作業時に後方の安全確認を怠り、誤ってテラス板に体重をかけてしまった。
事故対策・テラス板が脱着可能な場合は取り外す。
・作業時の安全確保のために、サンルーフ上に道板を設置する。

移動はしご使用時の転落事故対策

移動はしごを使用する際には、設置方法が重要です。厚生労働省が配布している、はしごの使用時の注意点をまとめたシートがありますので、ぜひご参考ください。

出典:厚生労働省 リーフレット「はしごを使う前に/脚立を使う前に」
https://www.mhlw.go.jp/content/000746780.pdf

まとめ

本記事では、塗装作業中の転落の事故事例をご紹介しました。

今回の2現場の事例は、適切な安全対策ができていれば防げた事故と考えられます。

転落事故は、頭部の強打などによって命を落とす恐れがあります。また大事に至らなかった場合も、後遺症が残る可能性もあります。

皆様の現場で同様の事故を起こさないにも、安全な塗装現場づくりのために参考にしていただけますと幸いです。

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