ベランダ防水施工の参考に!ベランダ防水材「リガードシリーズ」取扱いQ&A集

お役立ちコラム 防水材製品名 2022.02.02 (最終更新日:2024.01.16)
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近年、塗装業界では一人で複数の工事ができる「多能工化」を推進する塗装会社が増えています。

「多能工化」とは「塗装工事」「シール工事」「防水工事」など、1人で様々な工事ができるようになること。効率良く、短期間で工事を終えることができ、多くの施工物件を受注・完工することができるようになります。

多能工化の推進のために、アステックペイントでは、木造の戸建てのベランダやバルコニーに施されているFRP防水材の改修用防水材としてウレタン塗膜防水材「リガードシリーズ」を販売しています。

今回の記事では、そのリガードシリーズについて、よくご質問いただくお問合せについて解説します。「職人の多能工化のため、ベランダ防水施工を自社でできるようになりたい」と考えている方は、ぜひ参考のためにお読みください。

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リガードシリーズとは?

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新築の戸建て住宅のベランダやバルコニーでは、主にFRP防水材が施されています。リガードシリーズは、このFRP防水材の改修にて使用されるウレタン塗膜防水材です。

※リガードシリーズは、戸建て住宅のベランダ・バルコニーに施されているFRP防水改修用ウレタン塗膜防水材のため、その他の用途では使用不可です。

■リガードシリーズ一覧表

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リガードシリーズは、大きく分けて次の2種類の工法があり、それぞれ要する時間が異なります。
まずは、各工法の内容についてご紹介します。

①トップコート工法: 防水材を使用せずに下塗材と上塗材のみで改修する工法
②ウレタン塗膜防水工法: トップコート工法と防水材を使用して改修する工法

そして、ウレタン塗膜防水工法の中でも次の2種類の工法があります。

ウレタン塗膜防水工法の種類
①1mm厚工法: 防水材を1回1mm厚で形成させる工法
②2mm厚工法: 2回2mm厚で形成させる工法

ベランダ・バルコニーの下に居住スペースが無い場合は1mm厚工法、ある場合は2mm厚工法を選択しましょう。

各施工工程について詳しく知りたい方は下記の動画をご覧ください。※防水層1mm厚工法の流れを例にしています。

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リガードシリーズに関するQ&A集

Q1.リガードベース(防水層)の施工にはどんな道具が必要?

リガードシリーズの施工にあたって、次の施工道具・材料を推奨します。

施工道具
立上り・平場・防水材専用ローラー(推奨)
・刷毛
・コテ
・ゴムベラ等

※2022年1月現在、アステックペイントでは上記の施工道具類の取り扱いをしておりません。市販品をお求めください。

Q2.各工法でどのくらいの時間が必要?

トップコート工法、ウレタン塗膜防水工法の各工法によって、所用時間が異なります。

今回は、気温23℃、施工面積15㎡以内の場合の各所要時間をご紹介いたします。

トップコート工法

●トップコート工法の場合(防水層なし):全工程 約1日

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ウレタン塗膜防水工法

●防水層2mm厚工法の場合(リガードベース2回塗り):全工程 約2.5日

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●防水層1mm厚工法の場合(リガードベース1回塗り):全工程 約1.5日

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Q3.リガードベース(防水層)の硬化時間・歩行可能時間は?

リガードベースは、塗布量や施工時の気温によって硬化時間※1・歩行可能時間※2が変わります。気温ごとの硬化時間・歩行可能時間は次のとおりです ※3

※1 硬化時間:塗膜表面の粘着性が低くなり、次工程作業を開始できる時間
※2 歩行可能時間:塗膜表面および内部まで乾燥が進行し、上を歩いて次工程作業を行っても塗膜に異常を与えない時間
※3標準塗布量1.4㎏/㎡の場合

■気温25℃以上の場合

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気温25℃以上の場合、硬化促進剤を添加せずに、リガードベースのみを使用してください。

■気温25℃以下の場合

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気温25℃以下の場合は、リガードベースへ専用の硬化促進剤を適量添加し、電動撹拌機で撹拌後、使用してください。

■施工における注意点
〇硬化促進剤の添加量を添加しなかった、または極端に少ない場合
・1回での極端な厚塗り、もしくは同日に2回施工を行った場合「中膿(なかうみ)や膨れ」などの不具合に
つながります。
・硬化が進まず、歩行可能になるまで数日を要することがあります。
・乾燥時間が不十分の状態で次の工程に移ってしまい、足跡が付いてしまったなど手直しが必要な場合は、さらに硬化させた後に見切りがいいところまでリガードベースを再施工してください。また、1回で塗布できる限界は、塗布量:2.0㎏/㎡ですが、その場合は硬化時間・歩行可能時間が大幅に遅れます。

〇硬化促進剤の添加量が多かった場合
・硬化促進剤の量が極端に多い場合や可使時間を超過した場合、粘度上昇によりセルフレベリング性が低下し、仕上がりに悪影響を及ぼします。

なお、硬化促進剤を添加した場合、可使時間が発生します。
次の表に従って、使用してください。

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まとめ

今回の記事では、ウレタン塗膜防水材「リガードシリーズ」についての質問と解説をご紹介しました。塗装職人の方の多能工化を推進するために、リガードシリーズをぜひご活用ください。

またリガードベースを使用する際には、ぜひ本記事を参考の上、施工されることを推奨します。


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記事監修】株式会社アステックペイント 谷口智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」塗装品質の向上のための施工指導を行う「フィールドエンジニア部」を統括する責任者として、高付加価値塗料の研究・開発、塗装現場の品質管理のための活動を行っている。

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運営会社】株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。

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