【塗料の飛散トラブル対策】車についた塗料の落とし方・養生方法・損害賠償リスクまで徹底解説

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塗装中に塗料が飛散して、車や外壁・床などに付着してしまった経験はありませんか?養生不備による飛散は、最悪の場合1,400万円規模の損害賠償請求につながる重大なトラブルです。

この記事では、車についた塗料の正しい落とし方・4つの処理方法の使い分け・場所別の対処手順・飛散を防ぐ養生方法まで体系的に解説します。万が一のリスクに備えるための賠償責任保険の活用についても触れています。現場担当者・経営者の方がトラブルを未然に防ぐための実践的な情報としてお役立てください。

この記事でわかること

✅ 塗料飛散による実際の損害賠償事例(最大1,400万円規模)
✅ 車についた塗料の落とし方・4つの処理方法と使い分け
✅ 車・床・給湯器など場所別の処理手順
✅ 飛散・付着を防ぐための場所別の正しい養生方法
✅ トラブル発生時のリスクを軽減する賠償責任保険の活用

塗料の飛散・付着が引き起こす損害賠償リスク|実際の事例2選

塗料の飛散は、対策を取っていても起こりうるトラブルです。
まず、実際に発生した2つの事例から、そのリスクの大きさを把握してください。

事例①飛散した塗料が車に付着

現場北海道札幌市内にある建設現場
状況高さ100メートルの煙突の塗装工事中に塗料が飛散し、近隣に止めていた20台以上の車に白い塗料が付着した。
原因養生等の飛散防止措置をとっていたが、煙突上部の風が強く、想定を超えて飛散した可能性が高い。

事例②飛散した錆が車に付着

現場山口県下関市の施設
状況職員3人が転落防止用の手すりについた錆を研磨機で落とす作業を行った。
その後、錆が飛散し、近く自動車販売店で取り扱う新車や中古車など、80台以上に付着した。
原因養生等の飛散防止措置をとっていたが、研磨機を使用したことで想定以上の量の錆が飛散した可能性が高い。
結果被害車両の原状復旧のための修繕費用や代車費用など、あわせておよそ1400万円の賠償金の支払いが発生。(そのうち1000万は保険で賄われた。)

上記の事例のように飛散防止対策を行っていたとしても、周辺に被害をもたらすことがあります。また、正しい飛散防止対策の知見がないと最悪の場合、損害賠償請求などのトラブルを引き起こすこともあります。

このような事態を防ぐために、塗装工事で意図しない箇所に塗料を付着させてしまった際の処理方法や正しい養生方法を知ることは必要不可欠です。

また、事前に賠償責任保険※1へ加入することを推奨します。➁の事例のように保険に入っておくことで万が一のトラブルに備えることができます。

※1賠償責任保険
他人の身体やモノに意図せず損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合、その損害を補償する保険のこと。
・保険内容は、保険会社・契約条件などによって異なります。
・保証金額や補償内容(オプション等)は、事業規模に合わせて選びましょう。

車についた塗料の落とし方|4つの処理方法と使い分け

塗料が飛散・付着した場合の処理方法は4種類あります。
下地を傷めるリスクが低い順に試すことが基本原則です。

4つの処理方法の概要と特徴

方法使用するもの塗料除去力下地へのリスク
①膨潤させる水・お湯低い最も低い
②溶かす塗料用シンナー・ラッカーシンナー中〜高い中程度
③削り取るスクレーパーなど高い高い
④分解する剥離剤最も高い最も高い

① 膨潤させる(水・お湯を使用)

1つ目の処理方法は「膨潤させる」ことです。

この方法は、水やお湯を使用します。他と比較して塗料は取れにくいが、下地や旧塗膜を最も侵しづらい処理方法です。塗料が付着して間もない段階では水拭きを試し、除去しきれない場合はお湯拭きで膨潤させます。

※2膨潤とは、物質が溶媒(水など)を吸収して体積が増加する現象のこと。塗装では、塗膜に水やお湯などが染み込むと、ふやけて軟化したり、付着力の低下などを引き起こすことがある。

② 溶かす(塗料用シンナー・ラッカーシンナーを使用)

2つ目の処理方法は「溶かす」ことです。

この方法は、塗料用シンナー・ラッカーシンナーを使用します。塗料を溶かすため、膨潤と比較して除去しやすいです。しかし、この方法は下地や旧塗膜を侵し、艶引けなどを引き起こす危険性があるため注意が必要です。

※ラッカーシンナーは塗料用シンナーと比較し、溶解力が高いため、より注意が必要です。

③ 削り取る(スクレーパーなどを使用)

3つ目の処理方法は「削り取る」ことです。この方法は、成膜した塗料を削って除去します。削り取るため表面の塗膜は確実に除去できますが、この方法は下地や旧塗膜を傷つけてしまう危険性が高いため注意が必要です。

④ 分解する(剥離剤を使用)

4つ目の処理方法は「分解する」です。この方法は、剥離剤を使用します。剥離剤は樹脂の結合を切断することで塗膜の剥離を促します。今回紹介した処理方法の中で最も強力ですが、剥離剤の種類や取り扱いによっては下地や旧塗膜を傷める危険性が高いので注意が必要です。下地や旧塗膜との相性のよい種類の剥離剤を選定することが重要です。

※剥離剤の種類によっては、人体や環境に影響を及ぼす成分が含まれている可能性があるため、保護具の着用や廃棄方法等を、取り扱いのメーカーに確認して、ご使用ください。

処理方法を試す手順

もし、意図しない箇所に塗料が付着した場合は、以下の順番で処理を進めてください。
※下地を侵さないかどうか、目立たない箇所で上記の順に試してから、処理方法を決定・実施してください。

➀車・窓サッシ・給湯器など
塗料が染み込まないため、付着した塗料を膨潤させるお湯拭きか塗料用シンナー拭きで除去

➁犬走り・コンクリート床など
付着した塗膜は軽く削り取った後、染み込んだ塗料をラッカーシンナーで拭き、溶かして除去
※付着した塗料が「取れない」・「下地を侵す」場合は専門業者へ依頼しましょう。

付着を防ぐための養生方法

ここまで、意図しない箇所に塗料が付着した際の処理方法を紹介してきましたが、事前の養生作業も大切です。養生をしっかり行うことで、意図しない箇所への塗料の飛散や付着、近隣への被害、トラブルなどを事前に防ぐことができます。  ここでは、塗料の飛散・付着が予想される場所への適切な養生方法を紹介いたします。

➀車の養生

汚れや傷がつかないようキレイなカバーで養生
※近隣の車は近隣の方に了承をいただいてから養生
自動車養生カバーは「不織布+ビニール」・「不織布」・「ビニール」を適宜使い分ける。

養生方法注意点
不織布のみ・塗料や汚れが不織布を貫通してしまう可能性がある
ビニールのみ・車に傷がつく可能性がある。 ・炎天下の環境では、ビニールが車体に張り付いて跡がついてしまう 可能性がある。(濡れた車に養生した場合)

➁開口部

ドアや窓は開閉できるように養生

➂給湯器や室外機、換気口の養生

給排気箇所はふさがないようにする。※最悪の場合、室内で中毒を引き起こす。

➃犬走り・コンクリート床の養生

ブルーシートやノンスリップシートを引き、テープ等で固定する。

➄建物全体の養生

ハトメに緩みがないように結ぶ。

まとめ:塗料の飛散トラブルは「養生」「処理の知識」「保険」の3つで備える

塗料の飛散・付着トラブルは、対策を講じていても完全には防ぎきれない場合があります。
起こりうるリスクを最小化するために、以下の3つの対策を徹底してください。

✅ 事前の養生を場所別に適切に実施する
✅ 飛散・付着発生時の処理方法(4種類)を正しく理解して対応する
✅ 賠償責任保険に加入して万が一の損害賠償リスクに備える

実際の事例が示すように、飛散トラブルは1,400万円規模の損害賠償につながる可能性があります。
正しい知識と事前の備えで、安全で品質の高い塗装作業を実現してください。

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FAQ:塗料の飛散・付着トラブルに関するよくある質問

Q1. 車についた塗料はどうやって落とせばよいですか?
まずお湯拭きで塗料を膨潤(ふやかして軟化)させて除去を試みてください。取れない場合は塗料用シンナーで拭き取ります。どちらの方法も、必ず目立たない箇所で試してから実施してください。除去が難しい場合は専門業者へ依頼することを推奨します。

Q2. 塗料の飛散で損害賠償が発生した事例はありますか?
あります。山口県下関市での錆研磨作業中に飛散が発生し、近隣の自動車販売店の新車・中古車80台以上に錆が付着した事例では、賠償金約1,400万円の支払いが発生しました。養生などの飛散防止措置を実施していても、想定を超える飛散が起きる場合があることを示す事例です。

Q3. 塗料の飛散・付着トラブルを防ぐために最も重要なことは何ですか?
最も重要なのは事前の養生の徹底です。車はカバーで保護し、給排気口はふさがず、床面はブルーシートで養生するなど、場所に応じた適切な養生が基本です。加えて、万が一のリスクに備えて賠償責任保険に加入しておくことを推奨します。

Q4. 剥離剤を使って塗料を落とす際の注意点は何ですか?
剥離剤は4種類の処理方法の中で最も強力ですが、種類によっては人体・環境に影響を及ぼす成分が含まれている場合があります。必ず保護具を着用し、廃棄方法についても取扱メーカーに確認してから使用してください。また、下地との相性を必ず目立たない箇所で確認してから使用してください。

Q5. アステックペイントに加盟すると飛散トラブルなど現場の不具合相談も対応してもらえますか?
はい。アステックペイントでは加盟店に対して、飛散トラブルをはじめとする現場の不具合・技術的な疑問に専門スタッフが迅速に対応しています。シンナーなど現場で必要な消耗品を含む幅広いラインナップもご提供しており、職人向け勉強会・安全大会も定期的に開催して施工の安全と品質向上を継続的にサポートしています。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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