建物で起きる「塗膜膨れ」症状6選と対策を解説
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屋根・外壁の「塗装膨れ」は、原因が6種類あり、対処法もそれぞれ異なります。原因を特定せずに補修しても再発するリスクがあります。この記事では、膨れの種類別の見分け方・発生原因・防止方法・補修手順を体系的に解説します。現場でのトラブル対応と施工品質の向上にお役立てください。
注)膨れは、今回ご紹介する原因が複合的に重なり合って発生することもあります。
目次
この記事でわかること
✅ 塗装の膨れとは何か、6種類の分類と定義
✅ 「どんな下地か」「どこから膨れているか」「内部の状態」による見分け方
✅ 種類別の発生原因・防止方法・発生時の補修手順
✅ 膨れトラブルを未然に防ぐための施工時の注意点
✅ 現場の不具合相談に対応するアステックペイントのサポート体制
塗装の「膨れ」とは?発生する主な原因と分類
塗装の膨れとは、屋根や外壁の塗膜が下地から浮き上がり、ふくらんだ状態になる現象のことです。
季節を問わず発生し、複数の原因が複合的に重なって起きるケースもあります。
膨れの種類は大きく以下の6種類に分類されます。
ここでは、膨れの見分け方を種類別にご紹介いたします。
| 膨れの種類 | 見分け方 |
| 蓄熱水蒸気による膨れ | ・日当たりの良い箇所を中心に発生 ・膨れを切開するとハチの巣状になっている |
| 半透膜による膨れ | ・結露が発生しやすい時期での施工 ・膨れは経年後、しわになっている ・膨れ内部は湿っている |
| 縁切り不足による膨れ | ・スレート瓦の小口付近で膨れが発生 ・膨れはスレート瓦内部から発生 ・小口の縁が埋まっている |
| 溶剤膨れ | ・膨れを切開するとシンナーの臭いがする ・膨れを切開するとハチの巣状になっている ・既存塗膜が「水性」または「劣化が著しい」場合 |
| 漏水による水膨れ | ・膨れを切開すると水が出てくる ・膨れの周辺で、ひび割れ等の水の浸入口がある |
| 金属複合パネルの膨れ | ・膨れを切開するとハチの巣状になっている ・板底面に金属パネルの折り返しがある |
膨れの原因を正確に特定するには、以下の3点を確認することが重要です。
- どんな下地か(スレート・モルタル・金属複合パネルなど)
- どこから膨れているか(表面・内部・小口周辺など)
- 膨れ内部がどうなっているか(ハチの巣状・湿っている・水が出るなど)
それぞれの膨れの原因と対策
続いて、それぞれの膨れの原因や発生時の対応方法、防止方法について、分かりやすくご紹介いたします。
①蓄熱水蒸気膨れ
主に、建物の日の当たりやすい箇所に発生します。この膨れは既存塗膜から生じ、内部はハチの巣状になっています。

| 原因 | 塗替え時、降雨や高圧洗浄などの影響で、既存塗膜に残存していた水分が、直射日光で膨張し、塗替え塗膜を押し上げることで膨れが発生します。 |
| 防止方法 | ➀高圧洗浄後の乾燥時間を長めに確保する |
| 発生時の対応方法 | ➀膨れ箇所の除去 ➁膨れ内部の十分な乾燥 ➂下地調整および補修塗装 |
本現象を詳しく知りたい方は下記のリンクをご参考ください。発生事例から細かい補修方法まで詳しく紹介しております。
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②半透膜による膨れ
主に、昼夜の寒暖差が大きく、結露が発生しやすい環境下で水性塗料を使用した場合に発生します。この膨れは経年後、しわになっていることがあり、内部は湿っていることが多いです。

| 原因 | 乾燥途中の水性塗膜に結露水などの水分が触れることで、塗膜内部に浸透し、浸透した水分が塗膜の裏側に溜まり、塗膜を押し上げることで水膨れが発生します。 |
| 防止方法 | 気温が低い時期の施工は以下に注意する。 ➀14時までに施工を終了し、乾燥時間を長めにとる ➁1回あたりの塗布量を減らして、塗布回数を増やす ➂水の希釈量を減らす |
| 発生時の対応方法 | ➀膨れ箇所の除去 ➁膨れ内部の十分な乾燥 ➂下地調整および補修塗装 |
本現象を詳しく知りたい方は下記のリンクをご参考ください。発生事例から細かい補修方法まで紹介しております。
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③縁切り不足による膨れ
主に、スレート瓦の小口周辺で発生し、膨れはスレート瓦内部から発生します。膨れ箇所周辺の小口を確認すると、塗料で隙間が埋まっています。

| 原因 | 縁切り不足により、スレート瓦の突き付け部から浸入した水分が排出されず、スレート瓦裏側に滞留します。滞留した水分が直射日光により、水蒸気となり塗膜を押し上げることで、小口周辺で膨れが発生します。 |
| 防止方法 | ➀塗装後、カッターなどで縁切りを行い、小口の隙間を確保する ➁塗装後、タスペーサーを入れることで、小口の隙間を確保する |
| 発生時の対応方法 | ➀膨れ箇所周辺の小口部分の縁切りと膨れ箇所の除去 ➁スレート瓦裏面と膨れ内部の十分な乾燥 ➂下地調整および補修塗装を行い、縁切りまたはタスペーサーを設置 |
本現象を詳しく知りたい方は下記のリンクをご参考ください。発生事例から細かい補修方法まで紹介しております。
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④溶剤膨れ
溶剤系塗料を使用した際、主に、日の当たりやすい箇所に発生します。膨れ内部はハチの巣状になっており、シンナーの臭いが確認できます。

| 原因 | 溶剤系塗料を塗装後、溶剤成分が乾燥せず残った状態で、次工程の塗装を行うと、溶剤成分が閉じ込められ、直射日光の熱によって揮発し、塗膜を押し上げることで膨れが発生します。また、既存塗膜が「水性の場合」または「劣化が著しい場合」、溶剤系塗料が既存塗膜に浸透し残りやすくなるため、発生する可能性が高くなります。 |
| 防止方法 | ➀塗装した溶剤系塗料を十分乾燥させる ➁厚付けになりやすい箇所では、シンナー臭がないことを確認した後、上塗材を塗装する |
| 発生時の対応方法 | ➀膨れ箇所の除去 ➁膨れ内部の十分な乾燥 ➂下地調整および補修塗装 |
本現象を詳しく知りたい方は下記のリンクをご参考ください。発生事例から細かい補修方法まで紹介しております。
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⑤漏水による膨れ
外壁のひび割れやシーリング材の破断によって雨漏りなどが発生している建物で発生しやすく、膨れ内部に水分が残っていることが多いです。

| 原因 | 漏水箇所から浸入した雨水が塗膜裏面に溜まることで、塗膜を押し上げ膨れが発生します。 |
| 防止方法 | ➀塗装工事前に、防水工事・シーリング工事を完了させる |
| 発生時の対応方法 | ➀膨れ箇所の除去 ➁雨水の浸入箇所を特定し、防水処理を実施 ➂下地調整および補修塗装 |
本現象を詳しく知りたい方は下記のリンクをご参考ください。
関連記事⑥金属複合パネルの膨れ
3×10板を金属パネルで覆い、吹付けタイル仕上げを施した下地材(金属複合パネル)で発生します。主に、建物の日の当たりやすい箇所に発生します。この膨れは既存塗膜から生じ、内部はハチの巣状になっています。

| 原因 | 下地に金属パネルがあることで、高圧洗浄等の水分の乾燥が遅くなります。そのため、下地に水分が残りやすく、その状態で塗装すると日の当たりやすい箇所で下地に含まれた水分が水蒸気となり塗膜を押し上げることで膨れが発生します。 |
| 防止方法 | ➀高圧洗浄後の乾燥時間を長めに確保する ➁下地の温度上昇を防ぐため「遮熱塗料」や「淡彩色系の塗料」を選定する |
| 発生時の対応方法 | ➀カバー工法やボードの 張り替えを推奨 ※部分塗装による補修は可能だが、下地の影響が大きいため、経年で別の箇所からの膨れが再発する懸念がある |
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塗装の膨れ6種類|防止・補修方法まとめ一覧
| 種類 | 主な防止方法 | 補修の基本手順 |
|---|---|---|
| ①蓄熱水蒸気 | 高圧洗浄後の乾燥時間を長めに確保 | 除去→乾燥→下地調整・補修塗装 |
| ②半透膜 | 14時までに施工完了・希釈量を減らす | 除去→乾燥→下地調整・補修塗装 |
| ③縁切り不足 | 縁切り・タスペーサーで隙間を確保 | 縁切り・除去→乾燥→補修塗装+縁切り |
| ④溶剤膨れ | 溶剤系塗料の十分な乾燥確認後に上塗り | 除去→乾燥→下地調整・補修塗装 |
| ⑤漏水 | 塗装前に防水・シーリング工事を完了 | 除去→浸入箇所の防水処理→補修塗装 |
| ⑥金属複合パネル | 乾燥時間確保・遮熱/淡彩色塗料の選定 | カバー工法またはボード張り替えを推奨 |
まとめ:塗装の膨れは「種類の特定」が対策の第一歩
今回は、屋根や外壁で起こりうる膨れについてご紹介しました。膨れは様々な種類があるため、「どんな下地か」「どこから膨れているか」「膨れ内部がどうなっているか」を確認し、原因を特定することが重要です。
発生させないための防止方法が最も大切ですが、もし、発生した場合は、本記事を参考に膨れの見分け方から適切な補修方法を確認のうえ、ぜひ皆様の現場で活用していただけますと幸いです。
FAQ:塗装の膨れに関するよくある質問
Q1. 塗装の膨れとは何ですか?
塗装の膨れとは、屋根や外壁の塗膜が下地から浮き上がり、ふくらんだ状態になる現象です。発生原因によって6種類に分類され、蓄熱水蒸気・半透膜・縁切り不足・溶剤膨れ・漏水・金属複合パネルの膨れがあります。複数の原因が複合して発生するケースもあります。
Q2. 塗装の膨れはどうやって見分けますか?
「どんな下地か」「どこから膨れているか」「膨れ内部がどうなっているか」の3点を確認することが基本です。例えば、内部がハチの巣状でシンナーの臭いがすれば溶剤膨れ、内部から水が出てくれば漏水による膨れと判断できます。
Q3. 塗装の膨れを防ぐために最も重要な施工上の注意点は何ですか?
種類によって異なりますが、共通して重要なのは「高圧洗浄後の十分な乾燥時間の確保」です。また、スレート瓦では縁切り・タスペーサーの設置、溶剤系塗料使用時は次工程前のシンナー臭確認、寒冷期の水性塗料施工時は14時までの作業完了が重要な防止策です。
Q4. 金属複合パネルの膨れはなぜ通常の補修では再発しやすいのですか?
金属複合パネルは下地に金属パネルがあるため、水分の乾燥が遅く下地に水分が残りやすい構造です。部分補修では下地の根本的な問題が解消されないため、経年で別の箇所から再発する懸念があります。そのためカバー工法やボードの張り替えが推奨されています。
Q5. アステックペイントに加盟すると膨れなどの施工トラブルのサポートも受けられますか?
はい。アステックペイントでは加盟店に対して、膨れをはじめとする現場の施工トラブル・技術的な疑問に専門スタッフが迅速に対応しています。遮熱塗料など膨れ対策にも有効な幅広い製品ラインナップのご提案も可能です。また、職人向け勉強会・安全大会を定期開催し、現場品質の継続的な向上をサポートしています。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。







