高所点検用ロッド「Bi Rod」の特徴と使い方
屋根の現場調査や定期点検は「高所作業(※)」のため、足場や親綱などの安全対策が不足していると、屋根から足を滑らせて墜落事故が発生する恐れがあります。
近年では、安全対策が取られていない屋根に登ることを敬遠する傾向があるため、調査や点検を安全に行うことができる「高所点検カメラ」や「ドローン」を活用した屋根調査が普及してきています。
今回の記事では、アステックペイントでもお取り扱いしている「高所撮影用ロッド【Bi Rod(ビーアイロッド)】」について、特徴をご紹介します。
※高所作業とは:一般的に2m以上の高さで行う作業のこと。高所作業の際には、足場板などの作業床の設置が「労働安全衛生法」によって義務付けられています。
目次
高所点検カメラについて
高所点検カメラとは?
高さを自由に変えることができるロッド先端の雲台にカメラを取り付け、手元のスマートフォンやタブレットで遠隔操作することで、屋根の上などの高所の写真・動画を撮影できる機材です。
高所点検カメラにて撮影を行う上では下記が必要になります。
①高所点検用ロッド
②Wi-Fi機能付きデジタルカメラ
カメラの重量が「300g以下」であれば、ロッドの揺れを考慮して使用可能です(※1)。
アステックペイントの加盟店様は「SONY DSC-WX350」や「CANON Powershot SX620 HS」などのデジタルカメラを使用されています (※2)。
※1 三脚に固定し、先端1本目を収納してご使用いただく場合は耐荷重が1.5㎏となります。
※2 写真の画素数は使用するカメラに依存します。
③点検用モニター (※)
タブレットやスマートフォンなど。
※撮影前に点検用カメラとの連動が必要になる場合があります。
高所点検カメラのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・劣化して危険な屋根や急勾配の屋根、2階外壁面、バルコニー床面などを地上から撮影できます。 ・梯子を使わないため、1人でも安全に作業可能です。 ・未経験の方でも必要備品を購入するだけで、すぐに使用できます。 ・タブレットとカメラを接続すると、施主様とリアルタイムで確認できます。 ・軽量のため女性でも簡単に撮影ができます。 | ・屋根の頂上などの棟部分を至近距離から撮影できません。 ・隣家との距離が近く、人が入ることが難しい場合は使用できません(※三脚使用時のみ)。 |
調査をする物件の周辺状況に合わせて、ドローン調査などと併用しながら、安全に高所調査ができるような体制を作ることが重要になります。
高所点検用ロッド「 Bi Rod(ビーアイロッド)」【ルミカ製】
高所点検ロッドの種類
最長7.5~11.5mの長さまで伸ばすことができるロッドです。Wi-Fi機能付きカメラとスマートフォン・タブレットなどを使用することで、地上からリモート操作による高所撮影が可能となります。
Bi Rod 公式WEBサイト:https://birodstore.com/pages/inspection
製品仕様 | Bi Rod 6C-7500 | Bi Rod 6G-7500 | Bi Rod 10C-11500 |
全高 | 7.5m ※2階建て対応 | 7.5m ※2階建て対応 | 11.5m ※3階建て対応 |
ロッド主素材 | フルカーボン | グラスファイバー | フルカーボン |
重量 | 約1.6㎏ | 約1.8kg | 約3.5kg |
太さ | 最大38mm | 最大38mm | 最大50㎜ |
カメラ | 300g以下(※) | 300g以下 | 300g以下 |
■Bi Rodの高さのイメージ
■7.5mと11.5mの太さの違い
Bi Rodを使った撮影方法
①三脚を使った調査
平らな地面に三脚を設置することで、安定した状態での高所調査が可能になります。
ただし、三脚を開いた時には1mほどの平らな地面が必要となるため、隣家との距離が近い場合は三脚の設置ができません。
②腰ベルトを使った調査
高所点検ロッドの取扱いに不慣れな方は、腰ベルトを使って調査する方法がお勧めです。
また、腰ベルトのカバーを外し、ベルトと足を使って固定することで、両手で作業をすることもできます。
③ロッドのみを使った調査
高所点検カメラを用いた調査に慣れた方は、腰ベルトを使わずに調査をすることも可能です。
ただし、長く伸ばした場合は不安定になりやすく、樋など傷つける可能性があります。
高所点検の際の撮影手順
BiRodを用いて高所を点検する際の撮影は、下記の手順で進めていきます。
①撮影機器の用意
Wi-Fi機能付きカメラ、Bi Rod、スマートフォン or タブレット
②スマートフォン or タブレットとカメラのWi-Fi接続
※詳細な接続方法に関しては、Bi Rod公式HPを参照してください。
【高所撮影】カメラをWi-fi接続して撮影しよう |Bi Rod
③Bi Rodの先端の雲台にカメラを装着し、カメラアングルの調整
僅かにカメラを傾けるようにすると、屋根面を撮影しやすくなります。※詳細な装着方法に関しては、Bi Rod公式HPを参照してください。
④撮影対象箇所までBi Rodを伸ばす
Bi Rodの先端に近いクランプ①を緩め、ロッドをゆっくりと伸ばし、クランプ①を締めて固定します。
その後、クランプ②・③などを同様に行い、伸ばしていきます。
高所点検ロッドの取扱注意点
ロッドの振出限界マークが見える状態で使用しない
ロッドのガイドラインが見え、振出限界マーク(赤ライン)が見えない状態で固定して使用します。
振出限界マークの赤色が見える状態で使用すると、ロッドのしなりが大きくなり、カメラの落下事故などにつながる可能性がございますので、シルバーの警告ラインまでで固定してご使用ください。
ロッドを地面に対して、垂直な状態以外で使用しない
斜め、水平での使用はロッドが倒れたり折れたりする可能性があります。
また、不安定な場所、突風が吹く場所、強風・台風時も同様です。
ロッドを伸ばしたまま横移動しない
建物への引き込み線、樋などにぶつかり破損・傷つける可能性があります。
電線などの付近での調査や雷が発生しそうな時は、感電の恐れがあるため使用してはいけません。
電気設備付近(送電線、架線、配電線など)から十分離れた場所で使用します。ロッドは絶縁仕様ではないため、ロッドが接触すると感電する恐れがあります。
Bi Rod使用者の声
Bi Rodは、軽量で取り扱いやすいというメリットがあるので、現場調査・定期点検などで女性が活用している事例を中心にご紹介します。
使用者の声①
【株式会社満天 阿部様(2019年入社)】
業務は、営業として現場調査から完工まで携わっています。
現場調査は、一般的な2階建て戸建住宅であれば、Bi Rodを使って一人で現場調査を行っています。
入社当時から「原則屋根には登らない」ことが会社として決まっていたので、入社してから高所点検カメラを使っています。その頃は、他社の高所点検ロッドを使用していた社員もいましたが、「ロッドが重い!」ということで「Bi Rod」に統一されました。そして、今では営業マンに1本のBi Rodが支給されている状態です。
私が初めてBi Rodで撮影した時の印象は「片手で持てるほど軽い」でした!
自社ショールームの屋根を使ってBi Rodの説明を社長から受けた時「重たいので気を付けるように!」と言われましたが、そこまで重たく感じませんでした。
2階建ての一般的な戸建住宅であれば、細かい高さ調整ができ、軽量で取り扱いやすいので、女性だけではなく男性にもオススメです!
使用者の声②
【株式会社アステックペイント 技術品質課 楢橋(2019年入社)】
現在、高所点検カメラ(Bi Rod)を用いて、屋根などの施工後の定期点検を行っています。Bi Rodを使用する前は、「タブレットとの接続」や「高さの調整」、「持ち運び(重さ)はどうなのか?」などの懸念点も多く、使用することへの不安もありました。
しかし、実際にBiRodを用いた調査では、心配していたタブレットとの接続や高さの調整も簡単にでき、持ち運びの出来る軽さであったため、サクサクと調査を行うことができました。
梯子に上ったりせずに高所を確認できるので、落下などの危険性を気にせずに調査に集中して取り組める点が非常に魅力的です!
よくある問い合わせ
Q1:フルカーボン製とグラスファイバー製のBi Rodの違いは?
A1:最大まで伸ばした時のしなり方が大きく違います。
風が吹かない環境下(室内)でもグラスファイバー製品タイプは左右に30㎝ほど揺れるため、大きくしなります。揺れが気になる方、最長の7.5mで安心して使用したい方はカーボン製品タイプをオススメいたします。
実際にたわみ方を検証した動画を下記リンクよりご確認いただけます。
Bi Rod カーボン / グラスファイバー たわみ比較動画
Q2:持ち運ぶ時の大きさ・重さはどのような状態?
A2:収納時約1.6m、約2.5kg(ロッド:約1.8㎏、ハードカバー:約0.7kg)になります。軽自動車にも積むことができる大きさで、女性一人で簡単に運べる重さです。
まとめ
足場がない状態の屋根調査では、安全対策を講じることが法律で義務付けられています。そのため、屋根に登らない高所点検カメラやドローンなどを使って安全に調査を行う方が増えているのが現状です。
今回、高所点検カメラを中心にご紹介しましたが、2階建て戸建住宅であれば女性一人でも安全に屋根調査を行うことができています。また、梯子の持ち運び・設置の時間を無くすことができるため、現場調査時間の短縮という面でもBi Rodはオススメです。
まだ高所点検カメラを使ったことがない方は、この機会に一度使われてみてはいかがでしょうか。
塗装業における課題解決なら
お任せください
AP ONLINEを運営している(株)アステックペイントは、塗装会社様の様々な課題解決の支援をしています。どんな内容でも構いません。まずは一度現状のお悩みや要望をお聞かせください。
\例えば、こんなお悩みありませんか?/
- コストカットをはかりたい
- 元請け案件を増やしていきたいが、方法が分からない
- 案件数を増やしたいが、成約率が低い(営業力に課題がある)
- 競合他社との差別化に悩んでいる
- 売上、粗利を増やしたい
| お取引様の声・実績 |
この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
【運営会社】
株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。