外壁の排気口まわりが汚れる原因と対策|塵・油汚染の事例・パッチテスト手順を徹底解説

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外壁の排気口まわりは、塗り替え後もすぐに汚れが再発しやすい箇所です。「きれいに塗装したのに、排気口周辺だけ黒く汚れてしまった」というクレームに悩む塗装会社は少なくありません。排気口まわりの汚染は、塗装の問題ではなく「排気物質の継続的な付着」が根本原因です。原因を理解し、汚染の種類に応じた適切な対策を取ることが、施主の信頼を守る最短の方法です。本記事では、塵・ホコリによる汚染と油による汚染の2種類に分けて、発生事例・塗装前の対策・注意点を現場目線で解説します。

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排気口の目的と外壁への影響

排気口周辺で「綺麗に塗り替えをしたのに汚れてしまった!」というお問合せをいただくことがあります。

排気口は、室内で快適に過ごすために不必要な物質を屋外に排出する大切な目的があり、「調理中に発生する油」「室内の塵や埃」「浴室などからの湿気」などが排気されます。この排気物質が原因で、外壁に汚染が発生してしまいます。

排気口に汚れが付着する原因

①排気口から排出された水蒸気(一部油分が混在している場合もあります)が外壁に付着
②さらに風に舞っている大気中の汚染物質が壁面に付着
これを繰り返すことで、汚染が目立つようになります。

※フードカバーからの雨筋汚染、シーリング材からの可塑剤汚染が複合する場合があります。

室内の塵(チリ)や埃(ホコリ)による汚染の事例と対策

室内の換気で塵(チリ)や埃(ホコリ)も一緒に排気されることで外壁表面に堆積します。その後、空気中の排気ガスなどの汚れと混ざり、雨により流された箇所に堆積することで徐々に汚染が目立ってきます。

【汚染写真】 排気口下側に黒く汚染が発生しており、特に外壁材の凹凸部分に著しい汚染が発生しています。

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塗装をする上での対策

①高圧洗浄により、外壁に付着している汚れを洗い流します。
②低汚染性がある上塗材で塗装します(※1)。

【注意事項】
※1:常時、排気口から汚染物が排出されるため、経年によって汚染の再発が懸念されます。

油の排気による汚染の事例と対策

調理中に発生する油による汚染の事例です。特に、店舗系の建物では、油によって激しく汚染している場合がありますので、塗装には注意が必要です。

【汚染写真】
こちらの物件は油が外壁に付着して、黒く汚染しています。

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塗装をする上での対策

塗装工事前にパッチテストを行い、「油が染み込んだ箇所の洗浄方法」と「洗浄後の外壁材への下塗材の付着性」を確認してください。

(1)パッチテスト
①油汚れが下塗材の付着を阻害するため中性洗剤で除去します。
②中性洗剤を十分に洗い流し、乾燥させます。
③洗浄後の油が染みこんでいた箇所で、弱溶剤系下塗材でパッチテストを行います。
④養生期間は「夏場は3日程度」「冬場は7日程度」で乾燥させます。
⑤カッターで切り込みを入れて(5マス×5マス)、ガムテープを貼り、指先でしっかり擦って密着させ、すぐに剥がします。
⑥ガムテープに付着した塗膜の状況を確認します(※1)。

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(2)塗装工事
パッチテストで良好な付着性が確認された「洗浄方法」「下塗材」を使用して、弱溶剤系上塗材で塗装します(※2)。

【注意事項】
※1:パッチテストで弱溶剤系下塗材が剥離した場合、外壁材の表層を削って下地調整を行う必要があります。
※2:水性系上塗材を使用した場合、弱溶剤下塗材に溶けあがってきた「油成分による水性上塗材のハジキ」が発生する可能性があります。

まとめ

外壁の排気口まわりの汚染は、原因を正しく把握し汚染の種類に合わせた対策をとることで、施工品質とお客様の満足度を大きく高められます。

  • 塵・ホコリによる汚染:高圧洗浄+低汚染性上塗材で対応。再発リスクは施主に事前説明
  • 油による汚染:塗装前にパッチテスト必須。弱溶剤系の下塗材・上塗材を使用。水性系上塗材はハジキリスクがあるため避ける

現場調査・見積時に汚染の原因・対策・注意点をしっかり説明することが、施工後のクレームゼロと施主からの長期的な信頼につながります。

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FAQ(よくある質問)

Q1. 外壁の排気口まわりが汚れやすい理由は何ですか?
排気口から排出される塵・ホコリ・油分・水蒸気が外壁表面に繰り返し付着・堆積するためです。これらの排気物質が大気中の汚染物質と混合し、雨水で外壁の凹凸部分に蓄積することで、排気口下側に黒ずんだ汚染が目立つようになります。

Q2. 低汚染性塗料を使えば排気口まわりの汚染は防げますか?
低汚染性塗料は汚れの付着・浸透を抑制する効果がありますが、排気口からは常時汚染物質が排出されるため、経年による汚染の再発は完全には防げません。「汚染の進行を緩やかにする」という効果として施主に説明しておくことが、クレーム防止のうえで重要です。

Q3. 油汚染がある箇所に塗装する前に、なぜパッチテストが必要なのですか?
油が外壁材に染み込んでいる場合、通常の洗浄や下塗材では十分な付着力が得られないためです。パッチテストにより「有効な洗浄方法」と「下塗材の付着性」を事前確認することで、施工後の剥離リスクを大幅に低減できます。

Q4. 油汚染箇所への塗装で水性系上塗材を使ってはいけない理由は何ですか?
弱溶剤系下塗材を塗布した際に、下地の油成分が溶け上がってくる場合があります。この油成分が水性系上塗材をはじく(ハジキ)現象を引き起こすリスクがあるためです。油汚染が確認された箇所の上塗材は弱溶剤系を選択してください。

Q5. アステックペイントに加盟するとどんなサポートが受けられますか?
油汚染・難しい下地への対応を含む現場の疑問への専門スタッフによる迅速なサポート、現場ですぐ役立つ技術知識を習得できる職人向け勉強会・安全大会への参加機会、そして弱溶剤系・低汚染性塗料を含む幅広い製品ラインナップへのアクセスが主なメリットです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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