アステックペイント主催の安全大会を開催

代表コラム 2022.08.17 (最終更新日:2024.01.16)
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2022年7月7日・8日の二日間にわたり、アステックペイント主催の「安全大会」を開催いたしました。

厚生労働省が公表した『令和3年労働災害発生状況』によると、「全産業」の労働災害による死亡者数867名のうち「建設業」の死亡者数は288名、全産業の33%と突出して死亡者が多いということがわかります。

そして、288名のうち「墜落・転落」による事故が50%だそうです。

また、労働災害による建設業の死傷者数は14,926名となっており、そのうち「墜落・転落」による事故は38%となっています。

すなわち、建設業は高所作業が多い業種だからこそ、「墜落・転落」による労働災害が多いと言えます。

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安全大会開催の経緯

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※イメージ写真

このような背景があり、事業者は「労働安全衛生法」により「安全の確保・労働災害防止の対策」が義務付けられています。対策を講じていない場合は、事業者もしくは職長の責任となり、業務上過失致死傷罪に問われる場合もあります。

つまり、現場で労働災害が起こることで、会社は存続の危機に立たされることになるのです。

このような刑事的責任を防ぐためにも、労働安全衛生法では「安全の確保・労働災害防止の対策」以外に、「労働者への安全衛生教育」も義務化しています。

「安全大会の開催」は、法律の中で明確に義務化されていませんが、行政が推進していることは間違いなく、元請工事を行っている事業者にとっては「毎年必ず実施する」という方針を持つことが望ましいと考えます。

しかしながら、全国の多くの事業者が安全大会を開催してきた中で、実際には「運営に関わる手間暇とコストが掛かりすぎる」「つまらない内容で参加する職人が飽きてしまう」「そもそも運営の仕方がわからない」などの声も多く聞いていました。

さらには多くの塗装会社が安全大会開催の必要性を感じていながらも、実際には実施できていないこともわかりました。

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配信の様子

そこで、アステックペイントとして全国の加盟店および登録店が参加できる安全大会を企画・実施しました。
その運営では職人さんが日中働いていることを踏まえて、夕方開催、時間は1時間、法律のことなどで必ず知っておかないといけないことを必要最小限に抑えながらも、事故事例などはより具体的にし、参加者が興味深く聞いてもらえるよう意識しました。

結果として、全国の1,000名を超える方々に参加いただき、開催後のアンケートでは95%以上の参加者から非常に高い評価をいただくことができました。

「安全」において大切なこと

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株式会社郡山塗装 佐藤社長の講和

私にとって最も印象深かったのは、株式会社郡山塗装 佐藤社長の講話でした。

過去に実際に起きた重大事故の事例を共有いただきながら、そこからどのような対策を取ってきたかという話は全ての塗装会社の皆様に共感いただけた内容だと思っています。

その中でも、「安全って、結局、本人が心の底からやろうと思わなければ何も変わらない」というお言葉が特に印象的でした。

会社が「安全、安全」と口酸っぱく言っても、一生懸命法律の勉強をしても、結局は「本人が心の底からやろう」と思わない限り、安全が守られることはありません。どんなに完璧な安全対策が講じられている現場においても、本人の意識次第で事故は起こり得ます。

なぜなら、事故のほとんどはヒューマンエラーから発生しているので、結局は本人の意識の問題が最も重要になってくる、というような内容だったと認識しています。

だからこそ、佐藤社長が言われるように「仲間のために本気でやろう」と思えば、仲間とのコミュニケーションがより活性化し現場での声掛けが増えるだけでもヒューマンエラーは激減すると想像できます。

もしくは「今日も五体満足で必ず家族の元に帰る」と本気で思えば、高い意識と集中力を持って現場作業に取り組み、無事故で家に帰ることができる、という「本人の意識」の部分が最も重要ということを学びました。

これからの取り組みについて

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※イメージ写真

今回、高く評価いただけた「安全大会」ですが、来年はもっとバージョンアップして開催したいと思っています。

塗装業界には様々な課題が存在していますが、その一つが「安全」に関するものであることは間違いありません。「安全大会の開催」だけで「安全」の課題が解決できるとは思っていませんが、多少なりとも安全に対する意識向上に貢献できると思っています。

そして、塗装業界にはまだまだ数多く存在しているあらゆる課題にアステックペイントとして関わり、皆様と一緒に解決していきたいと思っています。業界の課題を一つずつ解決することで、少しずつですが業界の発展も可能となるでしょう。

塗装業界の発展のためにアステックペイントが課題解決企業になれるよう、これからも努力をしていきたいと思っています。


コラム寄稿】株式会社アステックペイント代表 菅原徹

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菅原 徹(すがはら とおる)

株式会社アステックペイント代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。

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