冬場は要注意!窯業系サイディングの「凍害」とは?

現場の研究 外壁劣化症状・劣化要因 2024.02.06 (最終更新日:2024.10.08)
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現場調査や塗装作業中に外壁に大きな割れを発見したことはありませんか?もし割れが見られた場合、「凍害」の可能性があります。凍害が発生した下地にそのまま塗装を行うと、不具合が生じ、お施主様とのトラブルにつながる可能性があります。今回は、冬場の現場調査で注意が必要な凍害について、原因や対策、発生時の補修方法について詳しく解説します。なお、この記事では窯業系サイディング板の凍害を中心に説明します。

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凍害とは?

凍害はコンクリート、窯業系サイディング板、ALC板などの表層に内側から押し出されたような欠損が見られる現象です。主に冬場の窓サッシまわりや板間目地などの防水箇所で発生し、建物の資産価値を守るためには早急な対策が必要です。トソウペディアにも詳細が掲載されています。

凍害の発生傾向

凍害は特に以下の場所で発見されやすいです。

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凍害と塗膜剥離との違い

塗膜剥離は塗り替えた塗料の内部または間から剥がれた状態を指し、一方で凍害は下地材の内部から剥がれる現象です。剥離した面の裏を確認することで、塗膜剥離か凍害かを見分けることができます。

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凍害の場合は剥離面に下地材(サイディング板など)が確認できるため、見極めが可能です。

凍害の原因

凍害は雨水や漏水などによって外壁材や屋根材にしみ込んだ水分が、冬場の昼夜の寒暖差によって凍結・融解を繰り返すことにより発生します。具体的な発生メカニズムの一例を以下に示します。

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1.外壁目地シーリングの割れている箇所から雨水が浸入。
2.外壁材内部に染み込んだ雨水が冬期の夜間の冷え込みで凍り、日中の気温上昇で融解。
3.水分は凍結によって体積が膨張し、下地材に圧縮力が繰り返し加わり、経年で内部から亀裂が生じる。
4.この現象が進行すると、外壁材が欠損を起こす。

発生時の対応方法

サイディング板の凍害発生箇所は弱っているため、基本的には張り替えが推奨されます。ただし、部分的に凍害が発生している場合は、脆弱な箇所をケレン除去し、弱溶剤形2液の下塗材で処理することで一部塗装が可能です。ただし、一度凍害が発生した下地に塗装した場合、再発の懸念があるため注意が必要です。

窯業系サイディング板の塗装で注意が必要な凍害について、原因や対策を解説しました。今後もAPOnlineでは建材や塗料の不具合事例について紹介してまいります。是非皆さまの現場でお役立ていただけると幸いです。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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