現場の研究 2021.09.20

塗替え工事にご注意!特殊な塗膜の窯業系サイディングの改修方法

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近年の戸建て住宅において最も普及率が高い外壁材は「窯業系サイディング」です。

実際に「塗替え工事をする施工実績の大半は窯業系サイディングの塗替えだ」という方も多いかと思います。
ところが、この窯業系サイディングの中には、塗替え工事をする際に注意が必要なものもあることをご存知でしょうか?

場合によっては、専用の特殊な下塗材を使用しないと、早期の塗膜剥離につながることがあります。

本記事では、
・塗替え工事に注意が必要な窯業系サイディングとは?
・工場塗装されている外壁表面の塗膜の違いが、塗替え工事にどのような影響を及ぼすか?
・下塗材の選定方法
について、ご紹介いたします。

塗替え工事に注意が必要な窯業系サイディングとは?

窯業系サイディングは、セメントに繊維などを混ぜ板状に成形し、各種塗料で表面を保護している外壁材です。板を張って外壁を作るため、モルタル外壁などと比べ建築工期を短くでき、カラーバリエーションも豊富なことから、新築戸建ての70%以上で採用されています。

近年では、フッ素塗料・変性無機塗料(無機塗料)・光触媒塗料などの特殊な塗料を採用することで強靭な塗膜を形成し、外壁および住宅の長寿命化を実現した窯業系サイディングも少なくありません。
現在、このような外壁材が塗替え時期を迎えており、徐々に問合せが増えております。

しかしながら、このような特殊な塗膜の場合、一般的な塗替えで使用する下塗材を塗布するのではなく、専用の下塗材が必要となるため、塗り替え工事前に注意が必要です。

特殊な塗膜が塗替え工事に及ぼす影響とは?

特殊な塗膜の窯業系サイディングに、一般的な下塗材で塗替え工事をすると、十分な付着力が得られず、塗装直後もしくは数年で塗膜剥離が発生することがあります。

■変性無機塗料+エポキシ系微弾性フィラー

■光触媒塗料+水性エポキシ系下塗材

高い耐候性を持つ特殊な塗膜は、目視確認で見分けることは非常に困難です。
また、直射日光が当たりにくい面は劣化がほとんど進んでおらず、健全な状態のため、より塗膜剥離が懸念されます。

塗替え工事で使用する下塗材の選定方法

特殊な塗膜の窯業系サイディングを見分けるため、窯業系サイディングの塗装可否判断基準をご紹介いたします。

基本的に、下記条件「①」または「②」に当てはる場合は特殊な下塗材の選定が必要です。情報が不足し判断できない場合は、「③」のパッチテストの方法を推奨いたします。

①図面の確認

お施主様が新築時の図面等を保管されているようでしたら、そちらをご確認ください。外壁材の情報が詳細に記入されていれば、どんな塗膜なのか把握できる場合があります。

各種メーカーのホームページに「30年耐久」や「無機」「セラミック」「光」などの表記がある場合は、特殊な下塗材の選定が必要だと考えていいでしょう。

②ハウスメーカー名・建材メーカー名・外壁材の製品名称の確認

「ハウスメーカー名」・「建材メーカー名」・「外壁材の製品名称」を把握することで、建物の築年数や劣化症状、各種メーカーのホームページ情報等から、特殊な塗膜なのかを判断できる場合があります。

③上記①・②で把握できなかった場合

建物の築年数や劣化症状より、特殊な塗膜の可能性があるけれども情報が得られない場合、実際の外壁材に下塗材を試し塗りする「パッチテスト」という簡易的な方法があります。パッチテストの方法はこちらの記事を参照してください。

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特殊な塗膜に付着する専用下塗材

アステックペイントで推奨する下塗材は下記2種類となります。

■水性下塗材 :プレミアムSSシーラープライマー(透明・白)

■弱溶剤下塗材:エポプレミアムシーラープライマーJY(透明・白)

※光触媒塗膜の場合、紫外線による光触媒反応による塗膜剥離を防ぐために、上記2製品の「白色」で塗装します。

まとめ

本記事では、塗替え工事に注意が必要な窯業系サイディングと、その改修方法についてご紹介いたしました。
特殊な塗膜の外壁材に一般的な下塗材を使用すると、早期剥離のトラブルにつながります。

現場調査やお施主様へのヒアリングで下地を把握し、塗装可否や仕様を十分に検討することで、塗膜剥離のリスクを抑えることができますので、ぜひご参考にしてください。

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