旭トステム製外壁材へ塗装を推奨するアステックペイント下塗材を紹介

現場の研究 外壁 2024.03.27
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建材メーカーは今日では、防汚性を備えた難付着系塗膜(フッ素、無機、光触媒)を多数利用しており、これらの塗り替えの際には、専用の下塗材の必要性が高まっています。施主様による施工仕様書やカタログの取り扱いも増えているため、特定の下地に対する施工仕様への質問が加盟店様からのお問い合わせとしても多く寄せられています。

一方で、建材メーカーの総合カタログは数百ページにも及ぶ上、毎年の改訂もあります。そのため、「探したい情報を見つけるのが困難である方」や「カタログ内で情報をサーチするのに時間と手間がかかると感じている方」も少なくないでしょう。

ここで特筆すべきは、旭トステム外装株式会社が提供している幅広い種類の外壁材、窯業系、金属系、樹脂系などがあり、それぞれの外壁材やコーティング材の施工仕様の判断は困難になるということです。そこで、今回は旭トステム外装株式会社が取り扱う各種の外壁材やコーティング材料に対するアステック推奨仕様をご紹介したいと思います。

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旭トステム外装株式会社とは

現在はLIXILグループに所属しており、2004年に旭硝子株式会社(現:AGC)とトステム株式会社(現:LIXIL)の外装事業を統合して設立されました。

「きれいな壁。」を会社のコンセプトにしており、業界に先駆けて数多くの新技術・新ジャンルへ挑戦しています。主に窯業系・金属系・樹脂系各種の外壁材を製造・販売している他、硝子繊維製品、硝子製品、建築用塗料や、屋根材など幅広い製品を取り扱っています。

外壁材別コーティング材の特徴紹介

2024年2月現在で発売されている旭トステム外装株式会社の外壁材別コーティング材の特徴をご紹介します。

窯業系サイディング「AT—WALL

陰影に富んだ彫りの深いストーン柄や、スタイリッシュなボーダー柄、温かみのある木目柄など、多彩なデザインをラインナップしています。また、防火・耐候性に優れており、無石綿です。

コーティング表層①フッ素系(セルフッ素コート・EXE30/セルフッ素コート・EXE/セルフッ素コート・PLUS/セルフッ素コート・Archi )

特徴:AGC開発の超耐候性塗料用フッ素樹脂「ルミフロン」をベースとするコーティングです。

使用されている外壁材

コーティング材名セルフッ素コート・EXE30セルフッ素コート・EXEセルフッ素コート・PLUSセルフッ素コート・Archi
外壁材ガーディナルAT-WALL EXEガーディナル Smart AT-WALL PLUSAT-WALL Archi

コーティング表層➁アクリルエマルジョン系

特徴:水性タイプのアクリル塗料を使用した塗装です。熱・耐久性に優れ、環境に優しい塗装です。

使用されている外壁材

コーティング材名アクリルエマルジョン塗装
外壁材AT-WALL15・AT-WALL14 他

金属系サイディング「Danサイディング」

軽量なので躯体にかかる負担が少なく、地震時の建物への影響が最小限におさえられます。また、優れた断熱性能・耐凍害性能・防火性能などをもち、新築にもリフォームにも対応します。

コーティング表層:➀フッ素系(セルフッ素コート・フッ素コート 他)

特徴:AGC開発の超耐候性塗料用フッ素樹脂「ルミフロン」をベースとするコーティングです。

使用されている外壁材

コーティング材名セルフッ素コート(iD塗装)フッ素コート(スリートン塗装、ツートン塗装)
外壁材スチール 深絞り ※トロワSF等の一部製品スチール 深絞り ※トロワRF等の一部製品

コーティング表層② ポリエステル系

コーティング材名ポリエステル系塗装ポリエステル系塗装ポリエステル系塗装
外壁材ニュースタンダード
※ストリングスL等一部製品
スチール深絞り
※トロワL等一部製品
スタンダード
※ティーレⅢ等一部製品

樹脂系サイディング「WALL-J

塩ビ樹脂を原料としており、潮風による錆びや腐食が起きにくく、耐久性・経済性にも優れます。また、軽い汚れは水洗いで落ちるため、日々の手入れもしやすいです。

■特徴

・塩害・凍害に強い:樹脂素材のため、水を吸収しません。錆びない、凍害も心配なし。
・耐衝撃性、衝撃に強い:強度性及び弾力があり衝撃に対して割れ、凹みにくい。
・強風でも剥がれにくい:サネ部が二重のタイプは国内のほぼ全域で使用可能。
・地震の不安を軽減:重さは1枚当たり約1.9㎏ほど、躯体への負担が少ない軽量素材。
・メンテナンスが楽々:汚れても水洗いで手軽にスッキリ。ひどい汚れは食器洗い洗剤で除去。

外壁材・コーティング材別の旭トステム製品一覧表

各種外壁材・コーティング材が使用されている旭トステム製品の一部をご紹介いたします。

外壁材

シリーズ名

コーティング材名

コーティング表層

窯業系サイディング

AT—WALL

ガーディナル

セルフッ素コート・EXE30

フッ素系

AT-WALL EXE

セルフッ素コート・EXE

フッ素系

ガーディナル Smart

セルフッ素コート・PLUS

フッ素系

AT-WALL PLUS

AT-WALL Archi

セルフッ素コート・Archi

フッ素系

AT-WALL15・AT-WALL14 他

アクリルエマルジョン塗装

アクリルエマルジョン系

金属系サイディング

Danサイディング

スチール 深絞り

※トロワSF等の一部製品

セルフッ素コート

フッ素系

スチール 深絞り

※トロワRF等の一部製品

フッ素コート

ニュースタンダード・スチール深絞り

スタンダード※一部製品

ポリエステル系塗装

ポリエステル系

樹脂系サイディング

WALL-J

GRAND RIVER

OREGON PRIDE

金属系サイディング

外壁材・コーティング材別の推奨仕様一覧表

各種外壁材・コーティング材に塗り替えを行う際の推奨下塗材とクリヤー仕様をご紹介いたします。

外壁材

コーティング材名

コーティング表層

推奨下塗材

クリヤー仕様

窯業系サイディング

セルフッ素コート・EXE30

フッ素系

プレミアムSSシーラープライマー

エポプレミアムシーラープライマーJY

スーパーSDクリヤーF-JYのみ

セルフッ素コート・EXE

セルフッ素コート・PLUS

セルフッ素コート・Archi

アクリルエマルジョン系

アクリルエマルジョン系

エポパワーシーラー・エピテックフィラーAEⅡ   など

スーパーSDクリヤー

(Si/F/無機)

金属系サイディング

セルフッ素コート

フッ素系

塗装不可

塗装不可

フッ素コート

ポリエステル系

ポリエステル系

エポパワーメタルJY

サーモテックメタルプライマーJY

一液エクセルエポプライマーJY

塗装不可

樹脂系サイディング

塗装不可

塗装不可

※一般的に樹脂サイディングは高い耐久性を有しており、メンテナンスフリーを謳われているため、当社で塗装仕様は組んでいません。

アステックペイント推奨下塗材および推奨クリヤー材の紹介

アステックペイント推奨下塗材

アステックペイントが製造・販売する下塗り塗料の中で、難付着系塗膜(フッ素・無機・光触媒)に適応する下塗材は、下記2種類です。

■水性下塗材 :プレミアムSSシーラープライマー(透明・白・グレー)

「プレミアムSSシーラープライマー」は、近年増加しているフッ素・光触媒・無機系など「難付着系塗膜」の外壁の塗り替えも可能な二液型水性下塗材。

また、難付着系塗膜だけでなく、一般的な塗膜への付着性にも優れており「どんな既存塗膜なのか判別できない」という外壁にも安心して施工していただける下塗塗料です。

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■弱溶剤下塗材:エポプレミアムシーラープライマーJY(透明・白)

「エポプレミアムシーラープライマーJY」は、難付着系塗膜への塗り替え可能な、「付着性に優れた二液型弱溶剤下塗材」です。

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また、難付着系塗膜に適応するクリヤー材は、下記1種類となります。

■弱溶剤クリヤー材:スーパーSDクリヤーF-JY

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まとめ

旭トステム外装株式会社で使用されている外壁材・コーティング材の説明と塗り替える場合の下塗材選定についてご紹介しました。

旭トステム外装株式会社は幅広い種類の外壁材を取り扱っています。そのため、各外壁材が塗装可能なのか判別が困難です。また、外壁材を判別できたとしても、コーティング材が難付着系塗膜の場合、専用の下塗材が必要となります。そこで、難付着系塗膜の可能性がある場合は、専用下塗材を施工することで、塗膜剥離のリスクを抑えることができるため、ぜひプレミアムSSシーラープライマーやエポプレミアムシーラープライマーJYのご使用をご検討ください。

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谷口

記事監修】株式会社アステックペイント 谷口智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

アステックペイント

運営会社】株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。

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