塗料在庫を増やさずに管理する工夫をご紹介(美倉庫プロジェクトvol.2)
AP ONLINEでは、塗料倉庫の整理整頓、在庫削減に取り組まれている全国の加盟店様に訪問インタビューを実施し、整理整頓の工夫についてご紹介する「美倉庫プロジェクト」を連載しています。
第2回目となる今回は、北陸エリアの塗装会社様の美倉庫をご紹介します。
塗装会社様の塗料倉庫の管理品質向上、塗料の廃棄量削減のために、ぜひご参考にされてください。
倉庫概要
概要 | 詳細内容 |
倉庫のサイズ | 400㎡ 高さ:7m |
在庫数 | 約80缶 |
在庫金額 | 160万円 |
事務所からの距離 | 車5分 ※戸建住宅元請 戸建住宅元請用の塗料倉庫以外にも、複数の塗料倉庫を所有。 |
備考 | 幅広い塗装工事に対応 :一般建築塗装・防水(ビル、工場倉庫、戸建住宅)、発電所施設・プラント設備の塗装、橋梁、土木構造物の塗装ほか 自社職人数 :30人 協力施工店職人数:50人 戸建住宅元請部門の施工棟数:約5棟/月 |
塗料在庫管理の工夫について
在庫を増やさない工夫
在庫を増やさないために材料の仕様変更をして、使用するメーカー(材料)を絞られています。
発電所施設、工場塗装の他で、切り替え提案ができる塗料は随時、仕様変更を打診して、取り扱う製品数を減らせるように取り組んでいます。
発電所施設の塗装で指定となっていた付帯部塗料からアステックペイント製品への切り替えなど、提案すれば受け入れてもらえることは多くあるため、製品数削減は可能とのことです。
在庫管理の苦労
15年ほど前に、エクセル表での在庫管理に挑戦された経験があります。
エクセルで在庫管理表(商品名・色・数量ほか)を作成し、6名前後の有志スタッフで倉庫に保管されている材料の出入庫を管理表に毎日記入し、毎月一回集計してエクセルに入力されていました。
1年間、この運用・分析を実施した経験は、現在の在庫状況(傾向)の把握につながっているそうです。
倉庫整理の工夫点
単管+鋼製足場板で棚を設置し、倉庫整理されています。また、材料(メーカー)別、部位別で保管場所を指定しています。
・保管スペースは広く、天井が高い。塗料ごとに所定の保管場所が指定され、整理されています。
・整理ルール:1つの棚で、色別(高さ2缶積みまで・奥行2缶まで)で保管できます。
・材料(色)は両サイドの通路から確認可能です。
倉庫整理の頻度 | 棚卸しの頻度 | 4S活動(整理、整頓、清掃、清潔) |
2回/年 | 未実施 | 今後の課題として取り組む予定 |
保管の際のルール
職人から会社に申し出があった場合:職人専用の棚[スペース]を提供して、管理させています。
使用予定の在庫塗料はダンボールやコンパネを敷いて、職人の管理のもと保管されています。
使用期限(開封済み) | 使用期限(未開封) |
塗料の状態・臭気で判断 | 塗料の状態・臭気で判断 |
保管状況
在庫塗料の種別 | 温度管理 |
「外壁上塗材」が多い | 特になし 冬場粘度が上がる塗材・防水材は、前日から事務所や車で温めておいて、当日すぐに使用できるようにする。 |
危険物の取り扱い
危険物倉庫 | 溶剤塗料の保管数量 |
あり | 自社の危険物取扱者が管理(社内に乙4類所持者が4名在籍) |
乙種1類-3類は毎年調査を実施。
◆危険物の種別:第4類
◆危険物の品名:第1石油類1,300ℓ / 第2石油類1,300ℓ / 第3石油類2,600ℓ
◆貯蔵最大数量:指定数量の9.1倍
【参考情報】
コンテナ型の危険物倉庫は100-200万で販売されていますが、保管数量が少ないこと、基礎の施工など、プラスαの費用がかかることから採用を見送りされました。
産廃処理
廃棄費用 | 廃棄頻度 | 廃棄方法 |
ドラム缶(運搬費込) 約20,000~30,000円/缶 | 1回/年 | 年間で廃棄するドラム缶の缶数は約50本、一時保管場所(一箇所)に全て保管して、 廃棄時は10tウィング車でまとめて処理。 |
在庫管理方法
管理者の指名 | 在庫管理ツール |
あり / サービス営業課課長 | らくらく塗装屋さん |
今回は美倉庫プロジェクト第2弾の事例レポートをお届けしました。これからもAP ONLINEでは定期的に塗料倉庫の環境整備に取り組まれている塗装会社様の活動事例をご紹介します。
「塗料の不良在庫がたくさんあり悩んでいる」「高額な産廃処理費が課題である」という会社様はぜひ記事をご参考にしていただければと思います。
第1回目のレポートはこちらをご覧ください。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。
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