低汚染性に優れたノンブリードタイプのシーリング材「アステックシール2000」
「アステックシール2000」は、「耐候性」「低モジュラス」「ノンブリード」など多くの機能を持ち合わせたシーリング材です。
今回の記事では、「アステックシール2000」の性能や仕様について詳しくご紹介いたします。
アステックシール2000とは
一成分型変成シリコーン系のシーリング材で、カートリッジタイプとペール缶タイプの2種類をご用意しています。
カートリッジタイプは外壁塗料の高耐候化にマッチし、幅広く塗装も可能なシーリング材としてご使用いただけます。
特徴 | 概要 |
耐候性 | キセノンランプ式促進耐候性試験(3500時間)において、試験後もシーリング材表面にひび割れなどの劣化症状が生じておらず、11~14年相当の耐候性が確認されています。 |
低モジュラス | 引張強度が2kgf/cm2 未満であり、柔らかく、反発しにくいことから、挙動が大きい窯業系サイディングの目地部に適しています。 |
ノンブリード | 可塑剤の添加量が最小限に抑えられていることで、可塑剤の移行による汚染物質の付着(ブリード汚染)が発生しにくくなっています。 |
性能
耐候性
キセノンランプ式促進耐候性試験を3500時間実施してもシーリング材表面にひび割れなどの劣化症状が生じないため、アステックシール2000は11~14年相当の耐候性が確認されています。
※あくまで試験環境下における実測値であり、耐候性を保証するものではありません。
実際の自然ばく露環境下では、下地の状態、施工方法、気象条件により耐候性は異なる場合があります。
※JISの建築用シーリング材の試験項目では、繰り返し疲労試験による耐久性の評価が一般的であるため、耐候性に関しては参考値となります。
低モジュラス
モジュラスとは、ゴムなどの弾性体を引っ張った時に元に戻ろうとする力のことです。
窯業系サイディング板の場合、温度や地震などの外的要因による挙動が大きいことから、窯業系サイディングの挙動に柔らかく対応でき、反発しにくい「低モジュラスタイプ」が適していると言われています。
日本シーリング材工業会が定められている低モジュラスの基準は、引張強度が2kgf/cm2 未満のことを指し、アステックシール2000はこの基準を満たしています。
ノンブリード
ブリードとは、シーリング材の柔軟性を出すために含まれる可塑剤が漏出することで、塗膜を軟化させて表面がベタ付くことで、排気ガスや砂埃などの汚染物質が付着しやすくなる現象。
ノンブリードタイプのシーリング材でも少量の可塑剤が含まれているため、経年でブリード現象が発生する可能性があります。
アステックシール2000は、可塑剤の添加量を最小限に抑えたノンブリードタイプであるため、汚染物質が付着しづらくなります。
一般的にシーリング材上に塗装する場合、ブリード汚染が発生する場合があることから、塗装工事ではノンブリードタイプのシーリングを施工します。
使用できる色
カートリッジタイプは、5色の色味を取り揃えているので、上塗材の色味に合わせて、共色を選択してご使用いただくことも可能です。
上塗材に近い色調のシーリング材を施工することで、シーリング材上の塗膜にひび割れが発生しても目立ちにくくなる傾向があります。
※ペール缶タイプはホワイト1色のみ
仕様
使用量計算
カートリッジ1本 および ペール缶1缶 当たりの100mの必要缶数算出表です。
打設するシーリングの幅と深さから使用する本数(缶数)の算出にご活用ください。
※使用量は、ロス率20%を見込んで施工できる長さとしています。
開封後の可使時間
温度別開封後の可使時間とタックフリー時間の一覧表です。
カートリッジタイプに関しては、開封後は使い切り、ペール缶タイプはAタイプ、Bタイプによって可使時間が異なりますのでご注意ください。
【ペール缶のタイプごとの施工目安】
・Aタイプ:1月~6月、9月~12月
・Bタイプ:6月~9月
※施工目安と異なる時期に使用した場合、硬化が早すぎる・遅すぎるなど、施工性が悪くなる場合があります。
施工仕様
工程 | 製品名 | 荷姿 | 施工間隔(25℃)/工程間 | 施工法 |
下地処理 | 劣化したシーリング材は 全て撤去 | ー | ー | ー |
専用プライマー塗布 | アステックシール 専用プライマー | 150g | 1時間以上 24時間以内 | 刷毛 |
シーリング打設 | アステックシール2000 | 320ml/4l | 夏場:2日以上7日以内 冬場:3日以上7日以内 | シーリングガン |
目地上塗装 | 塗装する場合、各種外壁塗装仕様に準拠 | ー | ー | ー |
施工時は、打設前に必ず専用のプライマーを塗布してください。
プライマーは、アステックシールのモジュラス以上の力で下地・シーリングと付着するため、シーリングの早期剥離を防止することができます。
アステックシール2000への塗装
アステックシールに塗装する場合の適応下塗材の一覧です。各種下塗材を塗装可能です。
下塗材(窯業系下地) | 適否 |
エポパワーシーラー | ◯ |
エポプレミアムシーラープライマーJY | ◯ |
サーモテックシーラー | ◯ |
プレミアムSSシーラープライマー | ◯ |
ホワイトフィラーAⅡ | ◯ |
エピテックフィラーAEⅡ | ◯ |
HBサイディングプライマーJY | ×(クリヤー仕上げ) |
※クリヤー仕上げの場合、目地上の塗膜がひび割れる可能性が高く、後打ち工法を推奨しているため不適となります。
注意点
・ 水分、雨などに注意し、直射日光を避け冷暗所に保管して下さい。
・ 打設前に必ず専用のプライマーを塗布してください。
・ 工程間間隔時間を超過して下塗材を塗布すると、シーリングと下塗材の付着性が著しく低下します。
・ シーリング材の先打ち工法で塗装をした目地部では、シーリング材の打設後の硬化収縮や躯体の温度変化などによる挙動に塗膜が耐え切れず、ひび割れる場合があります。
・薄く施工することは避けてください。短期で白化現象を生じます。
・カートリッジタイプを使用する場合、保存状態や期間によっては容器内で黄変することがありますが、性能に影響ありません。
・ペール缶タイプを使用する場合、缶内に薄皮状の硬化物があればヘラ等で取り除いてください。
シーリング材のトラブルについては、こちらの記事でもご紹介しています。
関連記事まとめ
今回は「一成分型変成シリコーン系のシーリング材」である「アステックシール2000」の性能と仕様について詳しくご紹介いたしました。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。