【粗利益率15%UP】原価管理システム導入による収益性改善の秘訣を大公開!

IT活用事例 塗装外壁 2021.03.15 (最終更新日:2024.01.16)
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「売上が上がっても利益を残せない」「収益性改善の具体的な取り組みが思いつかない」など、会社の利益確保に試行錯誤されている方は多いのではないでしょうか。

今回はそのようなお悩みをお抱えの経営者様のために、原価管理システム導入をきっかけに、粗利益率を20%から35%へと15%の改善を成し遂げた中野社長の成功事例をまとめておりますので、ぜひご覧ください。


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【会社紹介】株式会社インクス 代表取締役 中野 正行 様

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愛知県知多市を中心に、元請け塗装工事をメインに事業展開されている、株式会社インクスの代表取締役 中野正行様に完工利益改善の成功事例について詳しくお話を聞かせていただきました。

利益を意識し始めたきっか

中野社長:少し生々しい話になりますが、決算書を確認すると、利益がほとんどないことが何度かあったからです。私は現場での職人仕事が好きで、売上や利益等の数字の管理がとても苦手でした。

感覚的に何となく利益が出ているだろうという、どんぶり勘定経営をしていましたが、蓋を開けてみると、売上が順調に上がっているにも関わらず、利益が出ていなかったのです。

なぜそういう結果になったのか考え抜いた結果、受注時に想定する受注利益と、実際に施工し終わった後の完工利益を理解できてなかったことが原因だと気づくことができました。

受注利益を20%と想定していたにも関わらず、実際の完工利益が10~15%で終わっていたことに気づかないまま、弊社が請け負う工事は最低でも20%の利益があると思い込んでいたのです。

今になって考えてみると、経営者としては失格ですね。

受注利益に対して、完工利益が下がる原因ワースト3

(※インクス様自社調べ)

ワースト3位 「天候による工期の遅れや追加補修等による人工増」

塗装工事は、一般的に天候に左右されることが多く、お客様と施工前に打ち合わせした工程表通りに進まないものです。また、お施主様にはメリットかもしれませんが、工事品質を追求するあまり、追加補修が発生することも多く、見込み以上の費用を発生させてしまっていました。

ワースト2位 「コーキングのメートル数を測り間違えてしまう」

原則として2人組みで現場調査をしているのですが、それでも計測誤差や見落としが発生してしまう場合もあり、見込み以上の材料や人工をかけてしまっていました。

ワースト1位 「塗料やその他材料の追加発注」

各塗料メーカーが推奨している1缶あたりの塗布面積を参照して必要缶数を割りだしていますが、外壁材や屋根材そのものの劣化度合いにより、追加になることが多くあります。これらを無くすことはできませんが、現場調査時に現状把握の精度を高めることにより、解決策が生まれ、改善していくことができます。

利益を改善する為に必要なこと

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※イメージ写真

中野社長:数字と向き合う事だと思います。
もう少し具体的に言えば、1つ1つの現場に対して、受注金額、想定した粗利益、実際の完工粗利益など詳細な数字まで確実に把握し、想定以上に費用が膨らんだ場合には、なぜそうなったのか、不可抗力なのか、避ける手立てはなかったのか、受注金額自体が適正だったのか、など、全ての要素をテーブルにあげて検証します。

先ほども申し上げた通り、私は売上や利益、原価の管理がとても苦手な人間です。そんな私が全ての数字と向き合うために選択したのは、原価管理システムを導入することでした。具体的には、2019年に原価管理システムを導入し、全ての数字を見える化することに成功しました。

利益を改善するためには、受注金額を上げるか、使用する原材料費を下げるか、職人への外注費用を下げるかしかありません。私のポリシーとして、工事品質だけは絶対に下げたくなかったため、受注のための過剰な値引きをしないように意識し、適正価格での受注を心掛けました。

すると短期間で効果が見え始め、平均受注単価が今までと比べて10~15万円もUPしました。

原価管理システムを導入するだけでは収益改善は難しいと思いますが、どんぶり勘定を止めることを決意し、全ての数字をテーブルにあげて見える化し、自社としてどうするべきかを決断するきっかけとしては、とても良いツールだと感じております。

【導入前(2019年9月)】20% → 【導入後(2020年12月)】35%

システムを導入することによるメリット

中野社長:
・売上や利益が可視化できる
・未来の売上管理ができる(キャッシュフローが可視化できる)
・物件毎の課題を明確にでき、改善策が打てる(更に売上・利益が良くなる)

今回のシステム導入により、売上や粗利だけではなく、顧客の案件発生から契約状態までのフェーズ管理や、営業マンのスケジュール管理、育成等、様々な角度から業務改善ができていると実感しております。

現場管理に関しては、アステックペイントが提供している「現場ポケット」を導入しています。

これからも、弊社が地域一番店になるために、経営者の責任として、営業マンが営業に専念できる環境を作り、利益率は維持しながら成長拡大を目指していけたらと思います。

最後に

インクス様では、システム導入をきっかけに、工事に関わるあらゆる情報を見える化されました。全ての情報をテーブルにあげて、自社として正しい選択をし続けていく。この仕組みを構築できたことが、収益性改善に成功された要因ではないでしょうか。

この記事をご覧になった皆様も、収益性改善のために、原価管理システム導入も視野に入れた「数字の見える化」に挑戦されてみてはいかがでしょうか。


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記事監修】株式会社アステックペイント 野口英樹

株式会社アステックペイント営業本部 本部長。アステックペイント入社後、福岡営業所、東京営業所の所長、顧客事業部部長を歴任。現在は、アステックペイント4つの営業部で構成される営業本部の統括マネジャーとして、塗装会社の抱える課題を解決するための提案・成長支援を行っている。

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運営会社】株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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