専門家コラム 2021.06.02

専門家に聞く!塗装会社が申請できるオススメ「補助金」と申請の進め方

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「自社で国や地方自治体からの補助金を申請したい」「どのような流れで補助金申請を進めたら良いか分からない」 など、お金に関する支援について詳しく情報収集したいという塗装店経営者の方は多いのではないでしょうか?

今回の記事では、企業の補助金申請を数多く担当されてきたビジネスコンサルタントの方に「塗装店が申請できる補助金の内容や補助金を申請して受け取るまでの流れ」についてわかりやすく解説していただきました。

「補助金の申請を検討している」という塗装店の経営者の方はぜひご参考にされて下さい。

お金に関係する「公的支援」の基礎知識

国や地方自治体からお金に関する支援を受けることを「公的支援」と言います。

しかし、一言でお金に関する公的支援といっても、補助金や助成金など、複数の種類があります。まずは基礎的な知識として、事業者として受け取ることができる公的支援の種類や特徴について解説します。

公的支援の種類と特徴

国や地方自治体が民間企業に対して行う公的支援には、代表的なものとして①給付金・②助成金③補助金④融資の4つがあります。

給付金

一定の受給要件を満たしていれば誰でももらえるのが「給付金」です。2020年は新型コロナウイルスの影響により国民全員が受給できた「特別定額給付金」、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けた会社を対象とした「持続化給付金」などがありました。


②助成金

国や地方自治体から支給されるもので、主に厚生労働省の雇用関係の助成金、経済産業省などの研究開発型の助成金があります。助成金により要件は異なりますが、要件を満たし申請すれば審査の上、受給することができます。


③補助金

会社の新規事業や新規サービスの取り組みをサポートするために資金の一部を補助するのが「補助金」です。必ずしもすべての費用が補助されるわけではなく、補助金の種類によって補助対象となる経費や補助の割合、補助金額の上限が決まっています。
また、補助金は申請すれば必ずもらえるわけではなく、事前の審査と事後の検査を経て補助金交付ができるかどうかということ、そして、金額が決まります。


④融資

金融機関などからの借入のことです。事業のために使う資金借入のことで、公的支援としては日本政策金融公庫などの融資があります。民間の融資と比較しても原則として無担保・無保証人、低金利で返済期間が長いという特徴があります。

「給付金・助成金・補助金」と「融資」の違いは?
「給付金・助成金・補助金」と融資には大きな違いがあります。
それは「給付金・助成金・補助金には原則、返済義務がないことです。
融資」は借り入れた金額に利息を加えたものを返済する必要があります。

「補助金」や「融資」はどんなときに活用すべき?

塗装会社の方が新たな事業に取り組む時や、事業を拡大する時には「補助金・融資」を積極的に活用するケースが多くあります。そこで、ここでは補助金・融資のメリットとデメリット、どんなときに活用すべきかについて詳しく解説します。

①補助金のメリット・デメリット

メリットデメリット
・助成金と比較しても大きな金額の受給が可能
・原則、返済不要
・公募期間が決まっているため、いつでも申請できるわけではない
・審査により採択されないともらえない
・必要な書類作成が専門的で難しい
・基本的には補助金は後払い(精算払い)のため、立替分は融資などの資金調達で確保する必要がある

○補助金はどんなときに活用すべき?

補助金は、助成金と比較しても大きな金額の受給が可能です。 申請要件を満たせば受給できる給付金、助成金とは異なり、審査に通らないと受給できませんが、この金額の大きさはメリットです。思いきった投資をする際は自己負担も少なくなるため、補助金を検討することをおすすめします。


②融資(公的機関)のメリット・デメリット

メリットデメリット
・資金繰りが安定する
・開業・創業準備資金など、民間金融機関では難しい融資も可能
・無担保、無保証の融資が可能
・返済が必要で、元本に金利を加えたものを返済する必要がある
・審査に時間がかかるため、融資実行まで時間がかかる
・融資額に上限がある

○融資はどんなときに活用すべき?

公的機関の融資は小規模事業者などへの貸し出しが中心であり、「創業したばかりで実績がない」、「個人保証ができない」という場合でも借りやすいというメリットがあります。
運転資金としても使えるので資金繰りが安定します。

塗装会社が申請できるオススメの補助金4選

この章では、塗装会社の方が申請できるオススメの補助金を4つ紹介します。
「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」は小規模な塗装会社の方が比較的利用しやすい補助金ですが、補助金額の上限もあまり高くはありません。
1000万円を超えるような大型の投資の際にも使える、「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」というものもあります。

小規模事業者持続化補助金

持続的な経営に向けて販路開拓や生産性向上に取り組む小規模事業者をサポートする制度です

現在は、販路開拓や生産性向上に取り組む費用を補助する「一般型」、新型コロナウイルス感染症感染防止と事業継続を両立するため、対人接触機会の減少に取り組む企業を支援する「低感染リスク型ビジネス枠」の2種類があります。

○小規模事業者持続化補助金(一般型) ホームページhttps://r1.jizokukahojokin.info/

○小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠) ホームページ:https://www.jizokuka-post-corona.jp/

補助金額こんな時にオススメ
・一般型は補助金額上限50万円、補助率2/3
・低感染リスク型ビジネス枠は補助金額上限100万円、補助率は3/4
・新たにホームページや広告、看板などを出して、自社のPR、販促を強化したい時
・新たな塗装技術にチャレンジするため、自社で所有していない塗装用具を導入したい時

②IT導入補助金

中小企業・小規模事業者などが、自社の課題に合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。ITツールを導入する目的や、導入するITツールによって補助金額や補助率は変わるため、詳しくはIT導入補助金のHPをご確認ください。

○IT導入補助金ホームページhttps://www.it-hojo.jp/

補助金額こんな時にオススメ
・補助金額は30万円~450万円、補助率は1/2または2/3・工事の進行管理をIT化し、業務を効率化したい時
・会計ソフトを導入して、経理業務を効率化したい時

③ものづくり補助金

中小企業・小規模事業者などが取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資などを支援するものです。

○ものづくり補助金 ホームページ:https://portal.monodukuri-hojo.jp/

補助金額
補助額上限は1000万円もしくは3000万円、補助率は1/2~2/3

事業再構築補助金

Afterコロナ・Withコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業などの挑戦を支援するものです。

○事業再構築補助金 ホームページ:https://jigyou-saikouchiku.jp/

補助金額
補助額上限は500万円~1億円、補助額は1/2~2/3。※取り組み内容によって変わる。

補助金の申請~受領までの7ステップ

補助金関連のポータルサイトを確認する

補助金は様々な種類のものがあるため、まずはポータルサイトを確認しましょう。下記のミラサポplusやJ-Net21などのホームページを参照して目的の補助金を探します。補助金は全国が対象のものだけでなく、都道府県で募集しているものもあるため、自治体のホームページも参照するといいでしょう。

○ミラサポplus ホームページ
https://mirasapo-plus.go.jp/

○J-Net21 支援情報ヘッドライン ホームページ
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/support/


申請したい補助金が決まったら「申請に必要な書類」を確認し用意する

申請したい補助金が決まったら申請書を準備します。
補助金には「公募要領」という、補助金概要や申請に必要な情報・書類を記載したものがあるため、公募要領を参考に書類を準備します。
必要な書類は補助金によって様々です。直近の決算書などの他、補助金を使ってどのような事業を行うのか具体的に記載する事業計画書の作成は必須です。

必要書類がすべて揃っていることはもちろんですが、事業計画書の内容を元に補助金の採択・不採択の審査が行われます。


③書類を提出する

書類が揃ったら期限内に提出します。提出期日は補助金によって異なり、1年のうちに複数回締め切りのある補助金もあります。ほとんどの補助金は「jGrants」というシステムで申請を行います。

○jGrantshttps://www.jgrants-portal.go.jp/


④審査

審査は主に提出した書類を元に書類審査が行われます。


⑤採択決定、交付申請書提出

無事補助金に採択された場合は採択通知が届きます。採択通知が届いたら交付申請書を提出します。


⑥補助事業の開始

交付申請書提出後、交付決定通知が届きます。交付決定通知が届いたら補助金事業を開始することができます。基本的には交付決定通知後に発生した事業が補助金の対象となります。

交付決定通知前に支払った費用などは補助金の対象とならない場合がありますので、事業を開始するタイミングには注意が必要です。


⑦事業完了、実績報告、補助金交付

補助金は事業実施期間が決まっているため、事業完了の期限までに補助事業を終了し、実績報告書を提出します。実績報告書をもとに事業が報告通り行われたのか「確定検査」が実施され、問題がなければ最終審査が行われ、補助金の支給額が決定します。精算払い請求を行うと補助金が交付されます。

補助金申請を効率的に進める3つのポイント

上記の章で、補助金を申請してから受領するまでの流れをご説明しましたが、非常に工程が多く大変な作業になります。本章では、補助金申請をできるだけ効率的に進めるにあたって、「実践していただきたいポイント」をご紹介します。

商工会・商工会議所に相談する

商工会・商工会議所では補助金を含めた経営相談を行うことができます。
自社の規模や目的にあった補助金の相談、事業計画書の内容の相談ができます。わからないことがあれば地元の商工会・商工会議所で相談してみましょう。

補助金申請代行サービスを利用する

補助金は審査があるため要件を満たしていても誰でももらえるものではありません。事業計画書を元に審査され、よりよい計画の事業に補助金が支払われます。補助金申請のノウハウを持つ専門家にアドバイスを求めるのもいいでしょう。

下記の機関では専門家の情報を調べることができます。

○地域の商工会・商工会議所
○地域のよろず支援拠点
○中小企業振興機関協会の専門家派遣

事前に準備物を用意しておく

補助金の種類により必要な書類は様々ですが、共通して必要なものは「直近1期(もしくは2期)分の決算書」と「gBizID」です。決算書が手元にない場合は、顧問税理士などに相談し、補助金を申請するため決算書が必要になる旨を伝えておきましょう。

補助金の申請にはgBizIDという、様々な行政サービスにログインできるアカウントが必要です。gBizIDの作成には2,3週間かかることもあるため、補助金の申請を検討している方は早めにgBizIDだけでも作成しておくといいでしょう。

○gBizID:https://gbiz-id.go.jp/top/

まとめ

今回の記事ではわかりにくい給付金、助成金、補助金、公的融資の違いと、補助金申請について必要な情報を解説しました。

補助金は多くの種類があり、自社にはどのような補助金が向いているかわかりづらく、また申請にあたっても必要な書類が多く、事業計画書の作成も難しいため、なかなかとっつきづらい面もあります。しかし、その補助額の多さから、積極的な投資を検討している会社にとっては非常に強力な支援制度とも言えます。

ぜひ本記事を参考に、積極的に補助金申請をされてみてください。


【コラム寄稿】 ビジネスコンサルタント 中谷 豪太氏

大阪大学 理学部物理学科卒、同大学大学院工学研究科 修士課程修了後、エネルギー系の商社(東証一部上場)で、6年間勤務。在職中は新規事業立上、営業企画運営、営業管理、設計、施工管理を行う中、東京では2年間で売上を3倍に、九州エリアでは3年間で売上6倍にした実績を持つ。現在、ビジネスコンサルタントとして、SMC、合同会社GINを設立し、多くの企業の経営支援を行っている。補助金申請、経営改善、新事業創造、事業継続計画(BCP)策定支援、産学連携などに強みを持つ。

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