職人を巻き込みながら倉庫整理を徹底する方法 (美倉庫プロジェクトvol.6)
AP ONLINEでは、塗料倉庫の整理整頓、在庫削減に取り組まれている全国の加盟店様に訪問インタビューを実施し、整理整頓の工夫についてご紹介する「美倉庫プロジェクト」を連載しています。
第6回目の事例は、中国エリアの塗装会社様の美倉庫をご紹介します。
塗装会社様の塗料倉庫の管理品質向上、塗料の廃棄量削減のために、ぜひご参考にされてください。
倉庫概要
概要 | 詳細 |
倉庫のサイズ | 120㎡ 高さ7m |
在庫数 | 約300缶 |
在庫金額 | 300万円 |
事務所からの距離 | 100m(徒歩1分) |
備考 | 約15棟/月(戸建て元請け) |
これまでの取り組み内容
在庫整理 継続の苦労
倉庫内のレイアウト変更、在庫棚を改善しての設置は、2022年現在で5回目になります。
創業時の材料保管は倉庫と呼べるものではなく、波板のトタン屋根に壁は四方囲まれておらず(看板での目隠しのみ)、雨風が当たる保管状況でした。
現在の事務所・倉庫の移転を機に、工事部メンバーを中心に職人さんを巻き込んで、倉庫の整理整頓に取り組みはじめました。一番苦労しのたのは、職人さんへの日々の整理整頓に対する啓蒙です。
毎月の4S活動(会議ほか)を継続して実施していく中で、徐々にですが意識の変化があらわれ、今では職人さんからの改善提案も出てくるまでになりました。
常務の言葉で「4S活動は継続して取り組む」、「整理整頓はまだまだ現在進行形」という、この考え方が職人さんにも伝わり、倉庫整理の改善に繋がっていると感じました。
倉庫整理の工夫点
●所定の場所に、整理整頓して塗料が保管されているため、在庫状況が分かりやすい。
正面から確認できない後列(2列目以降)の整理が今後の課題。
●養生部材、電動工具、副資材ほか、所定の保管場所が指定され、整理されている。
概要 | 詳細 |
整理方法 | ・単管+木製足場板メインで棚を設置 ・材料別で、名札プレートを付けて、保管場所を指定 |
倉庫整理の頻度 | 1回/月 ※大掃除は年2回(6月/12月) |
棚卸しの頻度 | 1回/年 (11月-12月初旬で実施) |
4S活動(整理、整頓、清掃、清潔) | 1回/月 会議を実施 ※司会進行:職長さん、運営責任者:工事主任、オブサーバー:常務 |
保管ルール
●在庫塗料を提案することで、営業が評価される仕組みがある。
概要 | 詳細 |
契約が決まった在庫塗料の保管 | テープで印を付け、シャッター付近に置く、営業責任で管理 |
使用期限(開封済み) | 1年以内 |
使用期限(未 開 封) | 3年以内 |
倉庫からの持ち出し/戻しのルール | 特になし |
保管状況
概要 | 詳細 |
在庫塗料の種別 | 「付帯部上塗材」が約40色→ 在庫が増える要因となっている。 (色、艶あり/艶消し、ほかで種類が多い) |
温度管理 | 冬場:温度管理が必要な塗材は職人詰所で毛布に包んで保管。 |
危険物の取り扱い
概要 | 詳細 |
危険物倉庫(なし)・溶剤塗料の保管数量 | 現状は取り組めておらず、今後の課題。 |
産業廃棄物処理
概要 | 詳細 |
廃棄費用 | ・ドラム缶 10,500円 ・運搬費15,000円/回 ・ドラム缶:10,000円 ・一斗缶:1,000円 /ペール缶:1,000円 + 運搬費 : 5,000円/回 産廃処理業者から「廃油専門業者」に切り替え、大幅な処理費削減に成功 |
廃棄頻度 | 1回/5-6週間(ペール缶が20缶溜まるタイミング) ※1棟の塗替えで20ℓペール缶1缶の廃油がでている。 |
●【ペール缶】粘度が高い廃液を捨てる。※廃油は水性・溶剤不問
●【ドラム缶】粘度が低い廃液を捨てる。※廃油は水性・溶剤不問
●空缶は乾燥させて、潰して鉄くず回収業者へ販売
●廃油は物置で一時保管して、まとめて整理 ローラー他、異物の混入対策が課題
在庫管理方法
概要 | 詳細 |
管理者の指名 | あり 工事主任 |
在庫管理ツール | なし ※以前はエクセルで色を含む在庫管理をしていたが、上手くいかなかったため休止中 |
まとめ
今回は美倉庫プロジェクト第6弾の事例レポートをお届けしました。AP ONLINEでは定期的に塗料倉庫の環境整備に取り組まれている塗装会社様の活動事例をご紹介します。
「塗料の不良在庫がたくさんあり悩んでいる」「高額な産廃処理費が課題である」という会社様はぜひ記事をご参考にしていただければと思います。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。