モルタルとは|特徴・劣化症状・施工手順とプロが選ぶおすすめ塗料を完全解説

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モルタル
モルタル

日本の戸建て住宅で外壁材シェア率No.2である「モルタル外壁」。

モルタル外壁は、日本の戸建て住宅で外壁材シェアNo.2を誇る定番素材です。塗装会社として施工機会の多いモルタル外壁ですが、「ひび割れ補修の判断基準がわからない」「適切な下塗材の選び方に迷う」という現場の声も少なくありません。本記事では、モルタル外壁の構造・特徴から劣化症状・施工手順・おすすめ塗料まで、現場で即使える情報を体系的にまとめました。

この記事でわかること(要約)
✅モルタル外壁は「湿式外壁」であり、目地がない・デザイン自由度が高いのが最大の特徴
✅防水性がないため定期的な塗装メンテナンスが必須で、放置すると躯体劣化に直結する
✅ひび割れ補修は「0.3mm」を基準に工法が変わり、適切な判断が施工品質を左右する
✅下塗材にはフィラー系、上塗材には低汚染・高耐候タイプが効果的
✅アステックペイントでは製品提供に加え、現場の疑問に応える専門スタッフ対応・職人向け勉強会など充実したサポートを展開している

モルタル外壁とは

モルタル外壁とは、砂(細骨材)・セメント・水を練り混ぜた材料を、木材やラス網などの下地にコテで塗り付けて仕上げる外壁材です。現場施工による「湿式外壁」に分類され、工場製品を張り合わせる「乾式外壁(窯業系サイディングなど)」とは製法が根本的に異なります。

窯業系サイディングに次いで、日本で2番目に普及している外壁材であり、特に築年数の長い和風住宅や一般戸建てで多く見られます。

モルタル

モルタル外壁の特徴をメリット・デメリットでまとめると、以下のようになります。

メリット
・目地がないためシーリング補修が不要
・表面に多種多様なデザインを施すことが可能
デメリット
・防水機能がないため定位的なメンテナンスが必要
・ひび割れが発生しやすい

特徴① 目地がない

モルタル外壁は、工場で製造された板を現場で組み合わせる窯業系サイディングの「乾式外壁」とは異なり、現場で塗り壁材(原料)を水と混ぜ、コテなどで塗り付けて仕上げる「湿式外壁」です。

このため部材間の目地が不要となり、窯業系サイディングの外壁では必要となるシーリングの打ち変え作業は発生しません。

モルタル

特徴② 多種多様なデザイン

モルタル外壁は基本的に目地がないため、コテや吹付けでデザイン性豊かな仕上げが可能です。代表的な仕上げには、リシン、吹付タイル、スタッコ、ジョリパットのような凹凸模様があります。

仕上げ名特徴
リシン砂粒感のある細かい凹凸。落ち着いた風合い
吹付タイルタイル調の立体模様。高級感のある仕上がり
スタッコ厚みのある凹凸。重厚な外観表現に向く
ジョリパット自由度の高いテクスチャ表現が可能な仕上げ材

特徴③ モルタル外壁自体に防水性がない

モルタル外壁はセメントを主原料としているため水を吸収しやすいですが、防水機能は備わっていません。このため、雨の影響を受ける表面には仕上げ材や塗装工事が施され、防水機能を確保しています。

しかし、塗膜の経年劣化によっての防水性が低下するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

特徴④ ひび割れが発生しやすい

モルタルは硬化・収縮の性質上、以下の2つのタイミングでひび割れが発生しやすい素材です。

施工後1年以内のひび割れ
施工後に水分が蒸発・硬化する過程でモルタルが収縮し、開口部(窓周辺など)を起点にひび割れが生じることがあります。

経年によるひび割れ
硬化収縮で脆くなった箇所が、建物の膨張・収縮や地震などの振動によって時間をかけてひび割れます。施工直後に異常がなくても、長期的な経過観察が重要です。

モルタル外壁に発生するひび割れの種類

施工後1年以内のひび割れ

モルタル外壁は、「砂(細骨材)」「セメント」「水」を原料としています。施工後は水分がゆっくりと蒸発することで固まります。この水分の蒸発に伴うモルタルの硬化と収縮の過程で、窓周辺などの開口部にひび割れが生じることもあります。

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❷経年でのひび割れ

施工後1年が経過してもひび割れが見られない場合でも、モルタルの硬化収縮により脆くなった箇所が、建物の動き(膨張・収縮、地震など)によって時間とともにひび割れる可能性があります。

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モルタル外壁で見られる劣化症状

モルタル外壁は定期的なメンテナンスが必要な外壁ですが、具体的にどういった劣化症状が見られるのかをご紹介いたします。

①ひび割れ

モルタル外壁はモルタルの硬化収縮によりひび割れが発生しやすい外壁材です。これを放置すると、雨水が浸入し、結果として建物の劣化が進行します。 そのため、メンテナンス時にはひび割れ補修を行う必要があります。

②チョーキング

チョーキングとは、塗膜や仕上げ材の表面が外部環境(熱・水・紫外線)の影響で劣化し、指で触れると塗膜の色の粉がつくのが特徴です。モルタル外壁表面には仕上げ材や塗装が施されているため、経年でチョーキングが発生します。

塗膜の初期劣化ですが、放置すれば建物のさらなる劣化につながるため、チョーキングが著しい場合は早めの補修を推奨します。

エフロレッセンス

エフロレッセンスとは、外壁の表面に白い汚染物(炭酸カルシウム)が発生する現象のことです。

モルタル外壁を成形した際に反応できなかったセメント中の未反応の余剰カルシウム成分が、ひび割れなどから浸入した雨水に溶け出し、建材表面で二酸化炭素と反応することで、白い析出物・汚染物となります。

セメントを含む建材で発生する現象であるため、モルタル外壁でも発生する場合があります。表面に汚染物が付着しているため、躯体の劣化に直接つながる症状ではありませんが、建物の美案を損ねてしまいます。

④塗膜の浮き・剥離

塗装後、下塗材の選定間違いや旧塗膜のケレン不足、乾燥不足、異物の付着などにより塗膜が剥離する場合があります。建物を保護する役割である塗膜が剥離すると、躯体の劣化につながるため、早めの補修が必要です。

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モルタル外壁の塗装施工手順【全7ステップ】

ここからはモルタル外壁を塗装工事する際の施工手順についてご紹介します。

<全体の流れ>
①足場の組み立て → ②高圧洗浄 → ③下地補修・養生 → ④下塗り → ⑤中塗り・上塗り → ⑥足場解体 → ⑦完工

足場の組み立て

施工物件に合わせて足場を設置します。2階などの高い箇所にも改修工事が行えるよう、足場の設置は必要です。

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高圧洗浄

建物の外壁に付着する汚れや弱った旧塗膜は、新しい塗装の際に塗料の密着を妨げます。高圧洗浄によって汚染物やチョーキングを洗浄することで、塗料の付着性を確保します。

下地補修・養生

塗装工事に入る前にひび割れや欠損などを補修し、建物(下地)を平滑にしていきます。

下地補修が不十分な場合、雨水の浸入や劣化の原因となるため、劣化状況に応じて適切な補修方法で補修する必要があります。浮きや剥離などの塗膜の劣化は取り除いてください。

【工事のワンポイント】主な下地補修方法(ひび割れ補修の場合)

ひび割れ幅が0.3mm未満の場合は下記の工事を行いましょう。
■シーリング材の刷り込み:ひび割れか所にシーリング材を擦り付けひび割れを補修する工法
■微弾性フィラーの刷り込み:④下塗りで行う工程。ひび割れか所に微弾性フィラーを刷り込みひび割れを補修する工法

ひび割れ幅が0.3mm以上の場合は下記の工事を行いましょう。
■Uカットシーリング工法:ひび割れか所を電動工具で溝を作り、シーリング材で溝を埋める工法

【Uカットシーリング工法の進め方】

また、下地補修と同じタイミングで養生を行います。
塗装時に塗らない部分や作業により傷や汚れが付く可能性がある部分などを、マスキングテープ・ビニールシートなどで被い、周辺や隣り合う面や建材などを保護する役割があります。

下塗り(下塗材を塗装する作業)

塗装の準備が完了したら、下塗材を施工します。下塗材は、建物の下地と上塗材をしっかりと付着させる役割があるだけでなく、建物の表面の状態を整えて塗装しやすくする役割も持っています。
※下地材の形状や種類、劣化状況によって塗付量が異なります。

下塗り

中塗り・上塗り(上塗材を塗装する作業)

下塗材を塗装し乾燥させた後、上塗材を施工します。上塗りは多くの場合、2回に分けて行われます。1回目の塗装を「中塗り」、2回目の塗装を「上塗り」と呼びます。上塗材の役割である建物の保護や機能性の付与、美しい外観を維持するために、規定塗布量を守って施工することが重要です。

※下地材の形状や種類、劣化状況によって塗付量が異なります。

⑥足場解体・完工

足場を解体し、塗装工事が完工となります。

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モルタル外壁の改修におすすめのアステックペイント製品

アステックペイント

アステックペイントでは、モルタル外壁に塗装できる下塗材・上塗材を豊富に取り揃えております。

特におすすめの製品とその特徴を以下にご紹介いたします。

下塗材

製品名:エピテックフィラーAEⅡ、ホワイトフィラーAⅡ

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ポイント:モルタル外壁は凹凸のある表面が多いのが特徴です。これをなだらかに整えるために「フィラー」を塗装することで、上塗材の塗膜厚をしっかり確保し、均一な仕上がりを実現します。

上塗材

製品名:超低汚染リファインシリーズ、フッ素REVO・シリコンREVO

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ポイント:モルタル外壁の凹凸模様には、埃やチリなどの汚れが付着しやすいです。そこで、汚れにくい特性を持った塗料を選ぶことで、外壁の美観を長持ちさせることができます。

※モルタル外壁の損傷や劣化が大きい場合、塗装だけでなくカバー工法などの別の補修方法を検討することをおすすめします。

アステックペイントを選ぶ3つの理由

理由① 現場の疑問に専門スタッフが迅速対応

施工中のひび割れ補修の判断や塗料の選定など、現場で生じる技術的な疑問を専門スタッフが迅速にサポートします。「電話してみたら、すぐに的確なアドバイスがもらえた」という声を多くいただいています。

理由② 職人向け勉強会・安全大会による技術・安全支援

施工品質の向上と現場の安全確保を目的に、加盟店向けの職人勉強会や安全大会を定期開催しています。施工技術の底上げに直結するサポートで、お客様への提案力・信頼性を高めることができます。

理由③ 幅広い塗料ラインナップで現場ニーズに対応

シンナー系・水性系を含め、下塗材から上塗材まで豊富な製品を取り揃えています。モルタル外壁の状態・仕上げの種類・予算感に合わせた最適な製品を選べる体制が整っています。

まとめ

モルタル外壁は日本で2番目に普及した外壁材であり、塗装会社にとって施工機会の多い重要な素材です。防水性がない・ひび割れしやすいという特性を理解したうえで、適切な下地補修・塗料選定・施工管理を行うことが長持ちする塗装工事の実現につながります。

アステックペイントは、製品の豊富さと現場サポートの充実さで、塗装会社の施工品質向上を全力でバックアップします。

FAQ(よくある質問)

Q1. モルタル外壁とサイディング外壁の違いは何ですか?
モルタル外壁は現場で素材を塗り付ける「湿式外壁」です。工場製品を張り付ける「乾式外壁(窯業系サイディング)」とは製造・施工方法が根本的に異なります。目地がないためシーリング補修が不要ですが、防水性がないため塗装によるメンテナンスが必須です。

Q2. モルタル外壁のひび割れはどのくらいの幅から補修が必要ですか?
ひび割れ幅0.3mmを基準に補修工法が変わります。0.3mm未満はシーリング刷り込みや微弾性フィラー対応、0.3mm以上はUカットシーリング工法が推奨されます。幅に関わらず、ひび割れを放置すると雨水浸入・躯体劣化につながるため早期対応が重要です。

Q3. モルタル外壁に適した下塗材はどれですか?
モルタル外壁には「フィラー」タイプの下塗材が適しています。凹凸のある表面をなだらかに整え、上塗材の塗膜厚を均一に確保できます。アステックペイントでは「エピテックフィラーAEⅡ」「ホワイトフィラーAⅡ」が代表的な製品です。

Q4. アステックペイントに加盟するメリットは何ですか?
技術的な現場対応を専門スタッフがサポートする体制、職人向け勉強会・安全大会の定期開催、そしてシンナー系・水性系を含む幅広い塗料ラインナップの提供が主なメリットです。施工品質の向上と顧客への提案力強化につながります。

Q5. モルタル外壁の塗装メンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?
一般的には10年前後を目安にしますが、立地・仕上げの種類・塗料の種類によって異なります。チョーキング・ひび割れ・剥離などの劣化症状が見られた場合は、耐用年数に関係なく早めの点検・補修をおすすめします。

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【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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