今こそ女性の活用を考える

代表コラム メーカー塗装 2021.12.16 (最終更新日:2024.01.16)
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住宅リフォーム業は、幸いにして新型コロナウイルスの影響を大きく受けることはなく、営業環境としては今後も安定的な状況を見込めると思っています。
そうなると、現在成長している企業にとっての最大の課題は、「人材の採用」となってくるでしょう。

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塗装会社の現状

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現在はコロナの影響もあって人材を採用しやすい時期ではありますが、それでも多くの塗装会社にとっては極めて難しい状況が続いているようです。

それらの理由は、主に以下の3つに集約されていると思っています。

1.求職者が塗装業とは何をやっている業界なのかわからない、もしくは3K(きつい、汚い、危険)のイメージを持っている

2.事務所が駅や幹線道路の近くにないことが多く交通の便が悪い、もしくはわかりにくい

3.企業側が、職人を採用したことはあっても営業や事務員を採用した経験がない、もしくは苦手

経営要素の中で大事な取り組み

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しかしながら、売上を上げるために営業力や施工力を強化するにしても、採用ができなければ企業としての成長は必ず止まってしまいます。

よって、採用の取り組みは経営要素の中でも最もプライオリティの高い取り組みであるという認識を経営者は持つべきだと考えます。これを「採用ファースト」と表現する場合もあります。

採用活動は、全ての取り組みより優先させるぐらい真剣に取り組まなければ成功することもなく、結果として企業の成長は止まってしまうことを理解しておく必要があると思っています。

女性の採用を積極的に推進していく

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労働政策研究所・研修機構(JILPT)とNHKの共同調査によると、2020年4~11月中旬までの約7か月間に解雇や労働時間急減などの雇用の変化を経験した割合は女性が男性の「1.4倍」、解雇・雇い止め後の非労働化では女性が男性の「1.6倍」となっており、その後の労働時間や収入の回復も女性は男性より遅いという調査結果が出ているとのことです。

また、緊急事態宣言発令に伴う学校や保育園などの閉鎖によって、子供の面倒を見るために就業復帰を諦めなければならない女性もいます。諦めて求職しない場合、完全失業率にも表れないとも言われ、女性にとっての就業環境は依然として厳しいと言わざるを得ません。

「女性の採用」は大きなチャンス

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コロナ前と比較して全般的に採用はしやすくなりましたが、それでも依然として採用に苦労している会社がほとんどだと言えるでしょう。そのような中で、「女性の採用」には大きなチャンスがあると思っています。

最近の転職市場では、女性就業希望者の福祉業界・介護業界への人材流入が顕著のようです。恐らくコロナの終息が見えない中で、緊急事態宣言の発令などコロナ動向に翻弄され続ける業界に見切りを付けて、少なくとも職を安定的に確保できる業界を選択したのだと考えます。

今までも、「女性の採用」をおすすめしてきましたが、今が最大のチャンスだと思っています。
全国の塗装会社で女性スタッフを採用し上手く活用できたことで、成長を掴み取った会社も見てきております。女性スタッフがイキイキと働く環境には、優秀な男性スタッフも入社してくることは容易に想像できると思います。

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反対に、女性スタッフを採用したものの失敗したケースも見てきました。いくつかの失敗事例をまとめてみました。

・任せる業務が明確でないので、お互いストレスになっている

・教育や研修体制がなく、仕事をなかなか覚えられない

・今まで職人気質な会社だったので、女性スタッフに無駄に気を遣ってしまう

・事務員クラスの給与しか払っていないのに、営業行為を求める

・働く時間が短く、任せられる仕事が少ない

・事務所に誰もいないまま、女性スタッフを放置してしまう

上記の問題を解決するためには、経営者自らが意識を変え、以下のような改善に取り組む必要があるでしょう。

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●まず業務に関してしっかりと棚卸しを行い、全ての業務を細かく文章化することをおすすめします。それらの業務を分析し、女性スタッフができること、現場サイドや営業にしかできないことなどに明確に振り分け、女性スタッフができることは任せることで、既存社員の負担を大きく削減できます。

●女性スタッフの業務を明確にしたら、業務の内容に基づいてしっかり給与を出しましょう。パートで入れて時給1000円ぐらいで営業行為を求めても、気持ちの入った仕事を行うことはないはずです。もし営業の仕事を求めるなら、男性同等の給与を払うことで男性と同等もしくはそれ以上の成果を出すでしょう。

●パートの女性スタッフを一人だけ採用すると、女性の勤務時間にあわせて会社の業務に制限が出てしまいます。そこで、パート女性を採用するなら2~3名以上のチーム制にすることで、互いに時間を調整できるようになります。
また、お互いの心を支えあい、業務の教育なども自ら行い、かなり効率的な動きをすることになるでしょう。

会社が成長するきっかけ

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どの経営者も、しっかりとした人格と経験を有する営業や施工管理者を欲しがるものです。
そのような方との出会いがあれば、迷わず採用すべきです。ただ、そのようなことが実現できないのであれば、女性の採用を検討してみてください。

時間制限がある、仕事の経験がない、子供が小さい、そして力仕事ができない女性であっても、必ず会社に貢献できる業務を見つけ出すことができるはずです。
そこから、少しずつ仕事を任せていくという取り組みでも、会社が大きく成長していくきっかけとなってくれるでしょう。

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