コロナ禍での絶好のチャンスを掴み取ろう

代表コラム メーカー塗装 2021.04.10 (最終更新日:2024.01.16)
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1970年代、経済学のベストセラーとなったガルブレイス著の「不確実性の時代」は、40年以上経っても記憶に残る本であり、今でも時々テレビや雑誌などの特集で取り上げられています。

現在は、新型コロナウイルスが世界中に広がったことで世界の消費活動が一気に止まり、多くの企業の倒産や失業を生み出しながらも、世界中で株価だけは上がっています。様々な理由や背景はあるようですが、世の中の不確実性がさらに高まっていることだけは間違いありません。

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不確実性の時代でも見える未来

今のような時代は「VUCA(ブーカ)」と呼ばれ、それはビジネス環境や市場、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難になっている状況を意味する言葉とのことです。

また、VUCAは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」という、4つの単語の頭文字から成り立っています。すなわち、現在は「不確実性」だけではなく、さらなる要素が複雑に絡み合っている世の中になっているようです

結局は、何も見えない未来ということになると思いますが、実際には見える未来があることも事実です。

それは、「人口」に関わる経済や社会状況は予測が可能ということです。なぜなら人口とは「国家100年の計」と言われているように、数十年単位の予測において大きく誤差が出ることは無いからです。

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引用:https://rc.persol-group.co.jp/roudou2030/

そこで参考にしたいのが我々の業界に関係する人口のデータとなります。パーソル総合研究所の推計では、2030年には7,073万人の労働者の需要に対して、6,429万人の労働供給しか見込めないため、「644万人の人手不足」が発生するとされています。そして、その内訳においてサービス業の労働人口不足が顕著で、400万人不足するそうです。

住宅塗装は住宅リフォーム業の1つであり、完全にサービス業に属する業種となります。特に、住宅リフォーム業はITやロボットに置き換えられる業務がサービス業の中でも極端に少なく、人手にほぼ依存するビジネスモデルとなります。

よって、住宅塗装はサービス業に発生する400万人の人手不足の影響を大きく受ける業界であることを理解する必要性があります。これは確実にやってくる、見えている未来と考えるべきでしょう。

未来の人手不足と採用

この確実にやってくる未来に対して、悲観することなく、今から手を打たなければ、未来に淘汰されることは間違いありません。この未来の懸念事項に対する取り組みは、実は今がチャンスだと考えます。なぜなら、コロナ禍により同じサービス業となる業種で多くの人が仕事を失っている、もしくは転職を考えており、その一方で多くの企業はまだ積極的に採用に踏み切っていません。

住宅リフォーム業はコロナの影響をあまり受けていない恵まれた業種であり、今こそ採用に積極的に力を入れるタイミングだと考えます。

コロナの流行により、あらゆる業種は大きく影響を受けました。そして一部の業種では、コロナ前と同じ状態に戻ることは無いと言われています。反対に、コロナ終息後はコロナ前と同じか、もしくはニーズがさらに高まっている業種があることも事実です。

住宅リフォーム業は後者の業種と言えるでしょう。普段はほぼ外出していた父親も含めて家族総出での巣篭もりを経験し、家族を守る家の大切さを改めて実感し、住宅リフォームに対するニーズはさらに高くなったはずです。

コロナで需要が低下する心配をする必要はなく、withコロナという感覚が定着しつつある現在では、競合に勝ち続けるためにも、今こそ良い人材をしっかり採用していく最高のタイミングになっていることを認識すべきでしょう。

人手不足解消の鍵は「業務のIT化」

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ただし、短期的に採用は可能かもしれませんが、未来に向かって人手不足が継続していくことは間違いありません。人材採用に対する努力をし続けることは前提でありますが、人材採用と同じレベルで社内業務の生産性向上に取り組む必要があります。具体的には、業務のIT化が中心になると考えます。現在、日々行なうルーティン業務の中で少しでもIT化できるものに対しては、まずITを取り入れることを前提に考えるべきでしょう。

IT導入の際には、社内関係者や現場の職人からの反対の声を含めて、様々な障害が発生するかもしれませんが、社長が強い覚悟を持って取り組み、乗り越え続けることでしか業務のIT化は実現できません。業務のIT化が実現することで、少しずつ業務に対する人手の依存を減らしていくことが可能となります。

未来の最大の懸念項目となる人手不足の最も効果的な解決方法は、業務のIT化と位置付け、今からでもすぐに取り組むことをおすすめします。

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