現場の研究 2021.08.16

【コケ対策編】外壁塗装後に美観を保つためのお手入れ方法

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経年劣化によって緑色のコケが生えてきた外壁をきれいに塗替えたのに、数年でコケが再発してしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

コケは植物であり、発育する条件(光・水・栄養)がそろった場合は、どこにでも発生してしまいます。

今回の記事では、 コケの発生メカニズム、日々のお手入れ方法、塗替え後にコケが発生した現場の洗浄前後の様子について、ご紹介いたします。美観を損ねてしまうコケから外壁を守り綺麗な状態に保つために、ぜひご参考にされてください。

コケの発生メカニズム

コケは、光合成をするための適度な光、発芽や成長をするための適度な水分や気温、栄養源などの環境が揃うことで発生する植物の一種です。

なぜコケは外壁に発生してしまうのでしょうか?一般的にコケが発生しやすい環境として、以下のような条件が上げられます。

条件① 日当たりが悪い北面や隣家と近く風通しが悪い面

条件② 木々・植栽などがあり、 強い直射日光が遮られ雨水が乾きにくい面

条件③ 建物周辺に森林・田んぼ・水路・池等があることで、霧や結露などが発生しやすい湿度が高い環境

条件 外壁材に凹凸模様があり、土ホコリなどが飛来しやすい環境(グラウンド・砂利道など)や排気ガスなどの有機物の汚れが飛来しやすい環境(幹線道路付近)にある建物

コケの生育条件として、まず植栽や植物に生えているコケの胞子が飛んできて付着します。

付着した胞子は、①~③のような光合成のためのわずかな日光と水分(降雨・結露・湿気など)がある環境で、④のような汚れを栄養源として生育します。

日頃のメンテナンス方法

コケ は、外壁材や塗替えた塗膜の上に堆積した汚れに生えるため、発生を予防することは非常に困難です。
本章ではコケを生えにくくするために、日頃のメンテナンスとしてどのような方法が効果的なのかをご紹介いたします。

結論から言えば、「車を洗車するように、外壁材に堆積している汚れを洗い流すこと」が重要です。

具体的に外壁の汚れが気になる箇所は、下記のようなメンテナンス方法があります。外壁からコケの発生要因となる「汚れ」を無くすことで、抑制効果が期待できます。

メンテナンス① ホースなどの流水で洗い流す

■メリット
・最も手軽
・短時間で広範囲を洗浄できる

■ デメリット
・凹部などの奥まった部分の汚れは落ちにくい。
・汚れにコケがこびりついている落ちにくい

メンテナンス② 水を含ませた柔らかい布・ブラシ・スポンジなどで洗浄し、ホースなどの流水で洗い流す

■メリット
・手作業で気になる箇所を重点的に洗浄できる
・ホースに比べると、凹部などの汚れも拭き取れる

■デメリット
・広範囲を洗浄する場合、時間を要する

メンテナンス③ 家庭用洗浄機などを用いて洗い流す

■ メリット
・短時間で広範囲を洗浄できる

■デメリット
・家庭用洗浄機の購入が必要
・塗膜が弱っている場合、剥離の可能性がある
・洗い水が近隣に飛び散ってしまう

※2階などの高い位置で汚れている場合、安全面を考慮して、高所用の清掃道具を使用するか、適切な足場を仮設して洗浄するようにしてください。

梯子や屋根に登って外壁の洗浄作業を行うと、洗い水によって足元が滑りやすくなるため非常に危険です。


また、「一般社団法人 日本窯業外装材協会」が発行されている「サイディングの維持管理はどうするの」の冊子に「外壁材のメンテナンス方法」「専用クリーナー剤」も紹介されています。

下記URLからでも閲覧できますので参考にされることをお勧めいたします。

冊子「サイディングの維持管理はどうするの」 PDFデータ

https://www.nyg.gr.jp/gizyutusiryou/pdf/mainte.pdf

塗替え後にコケが発生した現場の洗浄前後の様子

詳細
施工2018年2月
下地材窯業系サイディング
使用塗料水性形低汚染シリコン系上塗材
現場の状況・北面で日当たりが悪く、雨が当たる箇所でコケが発生しています(写真1)。
※雨が当たらない下側にコケ・藻は発生していません。
・基礎巾木・雨樋・地面など、塗り替えた塗膜以外の箇所にもコケが発生しています(写真2)。

写真1 北面(左側: コケ発生、右側:健全) 


■写真2 基礎巾木・雨樋・地面にコケの発生

今回の現場では、高い親水効果を持つ低汚染上塗材を使用していたため、実際に業務用高圧洗浄機で塗膜表面のコケ を洗い流すことができました。※塗替えた塗料の種類によっては、コケの根が残ってしまう場合もあります。


■写真3 写真1の洗浄前後(左側:洗浄前 右側:洗浄後)

今回ご紹介した現場でも、窓周辺で「雨が当たる箇所」「雨が当たらない箇所」があり、コケの発生程度に差が出ています。


■写真4 窓枠下部 雨水の染み込み方

別現場ですが、雨の日に撮影した窓周辺の雨水の染み込み様子をご紹介いたします。

写真4のように、窓下側は、窓自体が水切りの役割になり外壁が濡れていません。窓両端周辺から雨水が伝うことで濡れ色になっています。このように、外壁の中でも雨で濡れる場所は異なるため、コケの発生程度の差に繋がります。

まとめ

この記事では、外壁塗装後に美観を保つためのお手入れ方法(コケ対策)について、実際の発生事例を参考にしながらメカニズムと対策をご紹介しました。

コケは発生した期間が長いほど、塗替え塗膜までコケが根を張ってしまうと、洗浄後に残ってしまう場合があります。コケに気が付いたタイミングでお手入れをすることで、外壁全体を綺麗な状態に保つことができますので施主様への提案の際のワンポイントアドバイスとしてご説明されてみてはいかがでしょうか。

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