【夏の現場作業で注意したい】熱中症対策に必要な摂取物を解説
気温や体温が上がりやすい夏場の季節は、塗装工事中の熱中症に十分な注意が必要となります。
暑さを避けたり、体調管理を徹底したりと様々な対策がありますが、その中で「水分補給」は特に重要です。しかし、熱中症対策として水分だけ摂取するのでは不十分なのをご存じですか?
ズバリ、水分と一緒に塩分(ナトリウム)とカリウムを摂取しなければ、血液が薄まり逆効果になります。急激に大量の汗をかくと、塩分(ナトリウム)と同時にカリウムが体内から排出されます。このナトリウムやカリウムの体内濃度が基準値を下回ることで、吐き気や失神、筋肉痛、嘔吐といった熱中症の症状が現れます。そのため、熱中症対策として、「水分」と「ナトリウム」と「カリウム」をバランスよく摂取し、脱水・低ナトリウム・低カリウムの3つを防ぐことが重要です。
今回は、熱中症に対する効果的な予防策や正しい対策についてご紹介いたします。
「熱中症」とは
「熱中症」とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態のことです。(厚生労働省:熱中症予防のための情報・資料サイトより)
熱中症の要因や主な症状、対策グッズなどの情報は以下の記事をご覧ください。
関連記事熱中症対策に重要な「ナトリウム」と「カリウム」の重要性
熱中症予防には、水分だけでなくナトリウムとカリウムの摂取も欠かせません。もし血液中のナトリウムやカリウムの濃度が基準値を下回った場合、以下のような症状が発生します。
低ナトリウム血症 | 低カリウム血症 | |
基準値 |
血液中のナトリウム濃度が135mEq/L未満 |
血液中のカリウム濃度が3.5mEq/L未満 |
主な症状(代表例) |
吐き気 |
筋力低下 |
疲労感 |
嘔吐 |
|
頭痛 |
けいれん |
|
倦怠感 |
不整脈 |
上記の表のように、血液中のナトリウムやカリウムの濃度が基準値を下回ると低ナトリウム血症や低カリウム血症を発症します。これらを発症すると様々な健康障害を引き起こします。予防するためには、「水分」「ナトリウム」「カリウム」を適切に摂取することが重要です。
熱中症にならないための効果的な予防策
熱中症の予防策として効果的なのは、「水+電解質タブレット」をこまめに摂取することです。電解質タブレットは市販のもので、小売店舗に広く販売しています。
これらは、予防に必要な分の「水分」「ナトリウム」「カリウム」をバランスよく摂取できます。しかし、カリウムが含まれていない電解質タブレットもあるため、成分表を確認してカリウムが入っているものを選定してください。
熱中症になった際の効果的な事後対策
熱中症になった際に最も効果的な飲み物は経口補水液です。経口補水液は、飲める点滴と言われるほどナトリウムとカリウムを多く含んでいます。
経口補水液を飲んで休憩をとることで早期の回復が見込めます。しかし、予防として経口補水液を常用すると、高ナトリウム血症や高カリウム血症により、高血圧症を引き起こすリスクがあるため、十分注意してください。
経口補水液とスポーツドリンクの比較
経口補水液オーエスワンは、脱水症のための食事療法(経口補水療法)に用いる飲み物の一つです。
引用:大塚製薬https://www.os-1.jp/faq/02/
スポーツドリンクは経口補水液と比較して、ナトリウムやカリウムの含有量が少ないことがわかります。また、スポーツドリンクは「1時間に約2Lの汗をかくスポーツ時」を想定した飲み物で、塗装工事中の運動量だとエネルギー(糖質)の過剰摂取となり、糖尿病を誘発する恐れがあります。
※経口補水液はナトリウムとカリウム等を比較的多く含んでいます。特に持病等で食事制限をされている方は摂取前に各メーカーサイトをご参考下さい。
まとめ
熱中症対策には適切な水分補給が必要不可欠です。特に、「水分」、「ナトリウム」、「カリウム」をバランスよく摂取するように状況に応じた飲み物を選定しましょう。
また、熱中症は、死に至ることもある危険な病気です。そのため、特に夏場の作業では、適切な対策を心がけましょう。熱中症対策を行っていた場合でも、発症してしまった際は応急処置・病院の受診・救急車の要請など、適切に処置するようにしましょう。
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【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。